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弁護士と個人情報 [検討]

  消費者庁と愛知県が共催する「個人情報保護法に関する説明会」が今日午後から名古屋でありました。

名古屋大学のロースクール生が、今日から2週間、エクスターンで来ているので、研修指導を兼ねて一緒に説明会に行ってきました。  説明会は2時間余りでしたが、頭の整理になり、大変有意義でした。

でも、実は、私の一番の関心は、説明会などではなく、質疑応答の際、予め提出しておいた『質問票』の質問に、消費者庁の方がどう回答してくれるか? という点にありました。

質問票ブログ.jpg私の質問は、簡単に言えば、「弁護士が依頼者から、第三者の個人情報の提供を受けることは、第三者提供となるのか、ならないかのか?

第三者提供となるのであれば、どういう理由から情報提供を受けることが可能か?」というもので、昨年12月15日のブログ翌16日のブログに記事として書いていた内容と同じことでした。

「なぜ、そんな些細なことにこだわるの?」と思われる方がお見えかもしれませんが、少なくとも私にとっては些細なことではありません。

手方から「依頼者がお前に提供した俺の情報は、第三者提供に当たるから、それを知って受け取ったお前は個人情報保護法に違反している!!」とドギツク言われても、動揺することなく、涼しい顔をして、「個人情報保護法違反ではないんですよ」と相手方を諭してあげなければならない場面があるかもしれません。

その場合に、余裕を持った対応が出来るかは、予め準備してあるかどうかで決まると私は思っています。

「弁護士は第三者ではないので、そもそも、第三者提供にはならない」と答えていいのか、「弁護士は第三者ではあるが、法律上許されている」と答えなければならないのか、には大きな差があります。

少なくとも、気の弱い私は、度胸とハッタリだけで、その場を誤魔化せるとは到底思えません。

ということで、私は今日の質疑を楽しみにしていましたが、今日、回答いただいたのは、平成22年4月から消費者庁に出向している消費者庁消費者制度課個人情報保護推進室政策企画専門官である弁護士板倉陽一郎氏でした。

板倉氏の回答は、要約すると、「依頼者である個人情報取扱事業者から情報の提供を受ける弁護士も、個人情報保護法23条1項本文の『第三者』に該当する」、「しかし、弁護士への情報の提供は、同項第2号の『人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき』に該当するので、本人の同意なく弁護士に情報を提供しても、適用除外となるので、同項違反とならない」というものでした。

板倉氏の見解は、私と同じでしたので、私としては意を強くすることができました。 

私は板倉氏に「回答が、消費者庁の正式な見解であるか」と敢えて確認していませんが、私がそのような問いを発したとすれば、板倉氏は「個人的な見解であって、消費者庁の正式な見解ではない」と間違いなくお答えになられるでしょうから、板倉氏の回答はその程度のものと、割り切ってご理解をされた方がよろしかろうと思います。

お間違えなく。

個人情報保護法

(第三者提供の制限) 

第23条

 1  個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。

    法令に基づく場合

    人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。

    公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。

    国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

2  (以下、(略))


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