石丸弁護士のインタビュー [旬の話題]
ダイヤモンド・オンラインでは、「弁護士会の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年」という連載が先週からされています。
今日、「 【第2回】 『回転寿司事業の最終目標は海外展開 !弁護士法人は今後10年で約6倍にする … 石丸幸人・アディーレ法律事務所代表弁護士』」の配信がありましたが、今回は石丸弁護士へのインタビューでした。
石丸弁護士は、
弁護士界全体のマーケットにおいて過半数が債務整理関連であり、過払い案件がなくなったらどうするかと考え、弁護士業務ではない分野でのビジネスを検討し、FCによる回転寿司の経営をすることになった。
回転寿司の経営は、(実質的な)所有者を石丸弁護士とした弁護士法人と株式会社との間で、資金と雇用の異動を可能にすることにより、(事業継続上の)リスクヘッジを図るためである。
回転寿司の経営については、海外展開も狙っている。
弁護士事務所の経営戦略としては、一つは、地方に支店をつくって弁護士需要を掘り起こしていくことを、もう一つは、過払いの他に交通事故や離婚などの分野を取り扱っていくことを考えている。
支店については、最終的に地方裁判所の本庁と支部が所在する235ケ所の支店設置を考えている。
その際のアディーレ法律事務所の所属弁護士数は400~500人を抱えているイメージである。
とインタビューに答えています。
また、石丸弁護士は、記者の
「弁護士界には伝統的に『成仏理論』というものがある。つまり、弁護士としてカネを儲けてはならない、と。
また、アメリカのように『企業やM&Aなどを専門にした法廷に立たない弁護士』がもっといるべきだという意見もある。
日本の社会に合う弁護士とはどういうものだと考えるか。」
との質問に対し、
突き詰めて行くと、弁護士は法律というサービスを提供しているが、他の業界の人たちと違うことはないということだ。
弁護士だから、公的な役割があって手弁当で人権問題をやるから、だから競争するようなことがないようにしてほしい、というのは違う。
基本的にわれわれは自営業者だ。
他の多くの企業に勤める人たちと変わりはない。
そもそも、「競争制限しないと、ボランティアはやらない」というのがおかしい。
ボランティアは強制されるものではない。任意でやるものだ。
収入がない人でも、ボランティアやりたいという意思がある人は、やっているでしょう?
手弁当で報酬がもらえないような弁護もやるから、普通の会社に勤めている人たちよりは報酬を高めにしてね、というのが何十年も続いて来た弁護士界。
弁護士バッヂにプレミアムをつけてね、だった。
私は、このバッヂは「入場券」でしかないと思っている。法律サービスを提供できる、参加証です。
繰り返すが、弁護士というと収入が一生保障されている人、という認識がある。
若い人もそういう意識があるのだろう。
だから、司法試験に合格したら安定している裁判官や検察官になりたいという人が増えているのだと思う。
と答えています。
どう受け取るかは、人それぞれです。私は石丸弁護士の考え方は嫌いではありません。
が、私には一つだけ疑問があります。
石丸弁護士は、ダイエーの「主婦の店」のように、弁護士報酬をディスカントして、業界内の報酬価格の価格破壊を実践しているわけではないようです。
それなのに、弁護士報酬が、ぼったくり料金であるかのような点を、問題とされている理由がよく分かりませんでした。
そんなことよりも、インタビューでは、端的に、
アディーレ法律事務所のコアコンピタンスは何であるか、
また、それを今後、どのように強化していくつもりであるかを、
代表である石丸弁護士の口からお聞きしたかったと思います。
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