国税庁が年金徴収する仕組み [豆知識]
先週22日に、厚生労働省が、厚生年金保険料の長期・高額滞納している悪質事業所に対する強制徴収を国税庁に委任したというニュースが流れました。
日本年金機構の手に負えない悪質な滞納のケースに対応するため、年金機構が発足した一昨年(2010年)1月に、厚生労働省が国税庁に徴収を委任できるようになりましたが、今回が初めてのケースだということだそうです。
西日本新聞によると、今回の対象は東京国税局管内の企業で、
「滞納額が合計1億円以上」、「滞納2年以上」など厚生年金の委任条件を満たしており、
大口で悪質な事案の滞納整理を担当している東京国税局の特別整理部門が徴収業務にあたる、
ということだそうです。
この仕組みは、下の図のような仕組みとなります(日本年金機構の平成22事業年度業務実績報告書50頁。)
簡単に言えば、厚生労働大臣が、日本年金機構に委任していた徴収権限を、いったん引き上げて、今度は、その徴収権限を財務大臣(国税庁)に委任して、行使させるという仕組みとなっています(下に引用した、厚生年金保険法100条の4、100条の5 参照)。
第100条の4
第1項 厚生労働大臣は、 … 納付義務者が滞納処分等その他の処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため保険料その他この法律の規定による徴収金の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、財務大臣に、当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる。
2012-03-28 00:00
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