SSブログ

厚生年金基金の有識者会議 [旬の話題]

昨夜(5月29日)、「第4回 厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」が開催されたということです。

NHKによりますと(NHK/NEWSweb 厚生年金基金 財政状況改善へ意見」)、

29日夜に開かれた厚生労働省の有識者会議では、基金の在り方を巡って意見が交わされました。


この中では、基金の財政状況を改善するため、「年金を減額するための条件の緩和を検討すべきだ」とか、「公的資金の注入も考えるべきだ」などの意見が多く出されました。

ということです。

でも、「公的資金の注入も考えるべきだ」という意見が出たという点に、強い違和感を感じました。

と言いますのも、厚生年金基金(以下「基金」)は強制的設立団体ではありません。

政策誘導されて多くの基金が設立されていることは間違いありませんが、基金は、

「基金を設立すれば、その基金で、企業と社員らが支払う保険料の一部を、国に任せるよりも高利回りの運用を自主的にできるので得だ」

という理由から、自主的に設立された団体であることは間違いありません。

そのため、基金の資産運用の失敗や財政運営が悪化によって、代行割れしてしまって国に代行返上も出来なくなってしまったからと言って、基金が国に代行返上ができるように、基金に公的資金を注入して損失を埋めてというのは余りに虫がいい話です。

基金財政に空いた損失を埋めるべき立場にあるのは、まず第一に、基金に加入している事業所や基金の加入者です。 

そんなコンセンサス(=自己責任原則)の下で、基金の代行返上や解散などについて議論がされていました。

そのため、例えば、代行割れとなっている基金の代行返上では、「厚生年金基金が代行返上できるように条件を緩和すべきだ」といった内容での議論がされていたと思います。

この代行返上の条件緩和も、見方によっては、国に損失の一部を負担してもらうのと同じだとの見方もできないわけではありませんが、それでも、露骨に、「国が基金の損失分を代りに負担すべきだ」という意見ではありません。

そうしたところ、第4回の有識者会議では、「公的資金の注入も考えるべきだ」という意見が出たということで、基金の利益代表であれば別だが、いやしくも「有識者」と呼ばれるような人がそんなことを言うんかな? と思ったというわけです。

第4回有識者会議からが、年金の財政悪化への対応(年金減額や基金解散の要件緩和の是非等)を本格的に議論することが予定されていたということですので、早速、「公的資金の注入も考えるべきだ」という意見が出たということなのかもしれませんが、やはり、唐突な気がします。

有識者会議の構成員は、「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議開催要綱」別紙に名前が挙がっている、臼杵政治氏、翁 百合氏ほか計13名の方となります(下図参照)。

有識者会議構成員.jpg

このメンバーを見てみると、何となく、誰が、「公的資金の注入も考えるべきだ」と言ったのかが想像できます。

でも、間違ったことを言ってはいけませんので、第4回有識者会議の議事録が公開されるであろう約一月後までとっておくことにします。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0