供託の場所 [豆知識]
弁護士しか関心ない話題かもしれませんが、今回は「供託」についてです。
名古屋地裁の とある支部で敗訴判決を受けたので、先週、控訴をしました。 強制執行をされるとまずいので、強制執行停止の申立てもしました。
強制執行停止については、
「保証金は〇〇〇万円しか準備できないので、〇〇〇万円以内にしてもらたい」との上申書を出しておきました。
思惑どおり、
保証金を〇〇〇万円とするとの立担保決定が出たとの通知を書記官から先週末、FAXが届きました。
記
金 額 : 〇〇〇万円
供託期限 : 平成25年5月〇日
今日は、その続きで、名古屋法務局本庁 に赴いて、保証金〇〇〇万円の供託をしてきました。
供託を行ってきた場所は、名古屋地裁の とある支部 を管轄区域とする 名古屋法務局▲▲支局ではなくて、
名古屋法務局本庁でです。
知らない人が結構いるのではないかと思いますが、
立担保決定が、名古屋地裁の とある支部 で発令された場合、 必ずしも、とある支部を管轄区域としている 名古屋法務局の支局で、保証金を供託しなければならないわけではありません。
名古屋法務局の本庁で供託してもいいし、供託事務を取り扱っている 名古屋地方法務局の支局であれば、どこでしてもよい
ことになっています。
それは、民事執行、民事保全の立担保の場合も同じです。
根拠ですが、
執行停止の場合ですと、民事訴訟法405条1項 が、
民事執行の場合ですと、民事執行法15条1項が、
また、民事保全の場合ですと、民事保全法4条2項が、
それぞれ、担保を立てる供託場所ついて、
「 担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所 」
と規定しているからです。
(補足)
名古屋法務局の取扱事務一覧表に、リンクが上手く貼れていないようです。
そのため、名古屋法務局のホームページから取扱事務一覧表を下に引用させていただくことにしました。
供託を取り扱っている本局、あるいは、春日井、津島、一宮、半田、岡崎、刈谷、豊田、西尾、豊橋、新城の各支局ということですので、本局あるいはこれらの支局のいずれかであれば、今回の件では、供託が可能ということになります。
供託については、ほとんどの支局での取り扱いがあるんですね。
支局間で供託業務を集約化してもよさそうです。
ですが、そんなことをすれば、利用者の方々から「弱者切り捨て」とか、「サービス低下」だとか言われて、強行に反対されるので、登記の場合のようには支局間での供託事務の集約化が図れないということなのでしょうか。
反対されるであろう候補者の方々は、家賃や地代を供託している賃借人の方ということになりますが、
そんなに一大勢力と言えるほどの 人数なのでしょう。
どの程度のボリュームなのか関心が沸いてきました。
また、機会があったら調べてみたいと思います。
(参考)
民事訴訟法
第405条
1 この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
2 第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。
民事執行法
第15条
1 この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(以下この項において「発令裁判所」という。)又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は発令裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律 (平成13年法律第75号)第278条第1項 に規定する振替債を含む。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。
2 民事訴訟法第77条 、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。
民事保全法
第4条
1 この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は担保を立てるべきことを命じた裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律 (平成13年法律第75号)第278条第1項に規定する振替債を含む。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。
2 民事訴訟法 (平成8年法律第109号)第77条 、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。
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