敵の敵は味方 [感想]
取り調べの可視化を討議している 法制審議会-新時代の刑事司法制度特別部会の平成26年4月30日開催された第26回会議の席で、
被害者支援都民センター理事の大久保恵美子委員が、
「皆さんの妻や子供、孫が性犯罪被害に遭ったらと考えて下さい」と、弁護士など他の男性委員らに訴えかけたそうだ(読売新聞2014年5月5日の記事「取り調べ可視化、性犯罪は除外を…被害者支援側」。2ちゃんねるの引用参照)。
この読売の記事によると、
大久保委員は過去の部会で、性犯罪では容疑者の取り調べを録音・録画しないよう求めてきた。
「映像や音声を保存したDVDなどがあること事態、被害者は苦痛であり不安だ。警察に被害を届けることもできなくなる」と懸念したからだ。
しかし法務省はこの日に示した試案では、可視化の対象から除外すると明記されなかった。
ということである。
大久保委員は、平成25年6月14日の第20回会議以降、毎回、熱心に意見書を提出され、可視化については、
2案 のはずと 私はずっと思っていました。
(大久保委員が毎回どのような内容の意見書を提出しているかは (参考) 以下に整理してみましたので、ご確認下さい。)
今年2月14日の意見書でも、
第1案では真相解明に支障が生じる場面を例外とすることは困難であるため、第2案のような捜査官の判断を尊重することができ、真相解明に支障が生じないような制度とするべきである。
また、被害者の名誉やプライバシー、心情が害される場合は録音・録画の例外としなければならない。第1案では、そのような場合が例外として規定されていないが、このような場合も是非例外とすべきである。
作業分科会では証拠開示の制限や証拠調べの方法により配慮できる、という意見もあったようだが、被害者等にとっては記録に残されていること自体が精神的な苦痛と不安で一生平穏な生活を取り戻すことができない。
被害者の精神的被害からの回復にも視点を置き例外とするべきである。そうでなければ被害者は被害申告を躊躇することになり、結果として犯罪者が野放しになり、更なる被害者を生むことにつながってしまう。
と書かれていたので、確信をしていました。
でも、この読売の記事によれば、大久保委員は、2案なんかより、もっと進んだ 「性犯罪は可視化対象外」 との意見を一環して述べられていたことになるようです。
私は大久保委員は 2案 を ずっと積極的にしてきていたものと誤解をしていたようで、リテラシーを欠落していたようです。
第26回会議の議事録を熟読してみて、それを強く噛みしめ、明日の糧にしたいと思っています。
ですが、第26回会議の議事録は会議が開催された平成26年4月30日の会議から1ヶ月以上経っても、今だ公表されていません。
ずっと、(準備中)です。
残念ではありますが、ゴールデンウィークを挟んでいて、誰もが休みたいため仕方ないのかも知れませんね。
(参考) なお、〇を付けてあるのは可視化の意見を述べているもの。
第25回会議(平成26年3月7日)
[PDF:119KB]
第24回会議(平成26年2月21日)
[PDF:167KB]
第23回会議(平成26年2月14日)
〇
[PDF:164KB]
第22回会議(平成25年11月13日開催)
[PDF:120KB]
第21回会議(平成25年11月7日開催)
〇
[PDF:86KB]
第20回会議(平成25年6月14日開催)
〇
[PDF:134KB]
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