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おことば [困惑]

下2題は、新司法試験の単答式試験で出題された「おことば」についての正誤問題です。
 
天皇は国会の開会式に参列するが,その際の「おことば」は天皇の象徴としての行為であるとする立場からすると 「おことば」について内閣の補佐は不要である。(平成20年度、公法系科目第14問)
 
天皇による国会開会式の「おことば」を「儀式」に含めて理解する見解に立てば,その行為については内閣による助言と承認は要求されない。(平成18年度、公法系科目第16問)

 

答えですが、平成20年の第14問平成18年の16問 のいずれも × が正解です。 

 

少し古いですが、有斐閣・新版新法律学辞典(昭和56年3月20日新版初版第22刷)では、「おことば」について、

おことば   天皇が国会の開会式に参列して述べる式辞。旧憲法時代の詔勅に当たる。詔書と異なり特別の法的効果を伴わない事実行為であるが、象徴としての天皇の公的行為として、宮内庁(したがって究極的には内閣の責任において処理され、国事に関する行為と同様、憲法上の制約を受ける。もっとも、これを天皇の私的行為と見る説、憲法7条の「儀式を行ふ」に含まれると解する説などがある。 

と説明を加えています。

 

終戦記念日における「おことば」は、国会開会式における「おことば」とは違い、

天皇陛下御自身の私的なお考えが示されているのかのように 考える向きの方がいたり、その考えを支持される向きもあるようです。

ですがそれ、正しくないですよね。


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