千葉県警でも交通死亡事故統計の過少計上 [検討]
千葉県警が、交通死亡事故統計について、2004年(平成16年)から2013年(平成25年)までの10年間で、事故死とすべき165件(166人)を病死や自殺と扱うなど交通死亡事故統計の過少計上をしていたということです(日本経済新聞2015年1月30日「交通事故死、10年で165件計上せず 千葉県警」)。
発覚の端緒は、千葉県警が昨年(2014年)11月、外部から事故件数の指摘を受けたことによったもので、
過少計上されていた165件について、04年(平成16年)~13年(平成25年)の10年間の統計で交通死亡事故から除外されていた計792件を全面的に調査して判明し、
この10年の期間中に県警本部で事故統計に関わっていた53~57歳の警視計6名を本部長訓戒などに処したというだそうです(千葉日報2015年10月30日「10年間で166人過少計上 交通死亡事故を病死や自殺に 千葉県警」)。
過少計上165件の内訳は、
① 改ざん 1件
② 未計上 21件(交通死亡事故は発生から24時間以内に死亡した場合に計上するが計上しなかった)
③ 除外 75件(事故の発生場所があぜ道などで「道路外」だとして除外した)
④ 自殺と判断 25件(遮断機が下りた踏切内で人が列車にはねられ、遺書がないのに「自殺」と判断したようなケース)
⑤ 病死 24件
⑥ その他 19件
になるということです(朝日新聞デジタル2015年10月30日「交通死亡事故の過少計上 『組織的重圧あった』 千葉県警」)。
愛知県警の交通死亡事故統計の過少計上が新聞を賑わさせのは2年半ほど前のことでした(日本経済新聞2013年2月8日「愛知県警、交通事故死少なく計上 再集計で10年連続ワースト1」 、2013年6月2日のブログ「見えないものは存在しない」)。
この愛知県警における過少計上は 1991年(平成3年)から2011年(平成23年)までの21年間の、交通事故の死者600人についてのもので、千葉県警より多いと言っても、倍ぐらいの話です。
驚くのは、千葉県警では、愛知県警の過少計上が発覚後も過少計上をしていたことになります。
組織的な隠蔽でないということで、責任者だけを訓戒としているようですが、
懲戒処分ではない、訓戒程度では 抑止にはならないようです。
ただ、朝日新聞の記事によれば、
千葉県警の問題を受け、警察庁は30日、交通事故でないと判断する場合は遺書などを添付し、幹部が精査するよう都道府県警に指示した。
10月から都道府県警に職員を派遣し、不適切な処理がないか確認を進めている。
兵庫県警の問題を踏まえては10月下旬、青切符の関係書類を幹部が詳しく点検するよう指示した。
ということです。効果を期待したいところです。
ところで、この朝日の記事が言うところの「兵庫県警の問題」とは、何のことなのかさっぱり知りませんでしたが、これ(朝日新聞2015年10月30日「捜査報告書を偽造した疑い 兵庫県警、70人書類送検」)のことなのでしょうか。
こんな事件があったことについて、NHK もそのなのですが、朝日新聞しか報じていないため全く知りませんでしたが、
報道されないことに驚きです。
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