日本保釈支援協会が なぜ関与 ? [困惑]
先週17日に金融庁から、金融商品取引法違反の事実があったとして行政処分を受けた証券会社4社のうち、
野畑証券(岡崎市)と上光証券(札幌市)の2社については、メディカルケアインベストメント社のレセプト債の販売時の説明のほか、
合同会社プライオールという会社が発行する 「合同会社プライオール普通社債」(以下「プライオール債」と言う。) と呼ばれる私募社債の販売時の説明が誤解を与えるものであったことが指摘されています(「野畑証券株式会社に対する行政処分について」、「上光証券株式会社に対する行政処分について」各参照)。
この プライオール債の発行と、資金流通の経路は下図のようになります(同図は証券取引等監視委員会が2016年6月10日に発表した「野畑証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」中において「参考資料(PDF:93KB」の2枚目の「プライオール債関連事案の概要」と題したポンチ図をそのまま引用したものです。)。
このプライオール債は、
刑事被告人の保釈保証金の立替事業を行っている 一般社団法人日本保釈支援協会が設立した合同会社プライオールが発行した社債で、それを野畑証券と上光証券が顧客に販売していたということになります。
ところで、昨年9月の新聞報道によると、2014年(平成26年)における日本保釈支援協会の保釈保証金の立替えは、
3,732件 72億1800万円
だったということで、保釈保証金の立替えは件数、金額とも伸びているとのことです(神戸新聞NEXT 2015年9月8日「被告保釈率25%に上昇 裁判員制度機に意識変化」) 。
プライオール債の発行は、保釈保証金の資金調達のためだったことになるようです。
「野畑証券に対する行政処分」では、
- 合同会社プライオール(東京都中央区、以下「プライオール社」という。)は、一般社団法人日本保釈支援協会(東京都中央区、金融商品取引業の登録はない。以下「 JBSA 」という。)によって設立・運営されており、「合同会社プライオール普通社債」との名称の社債(以下「プライオール債」という。)を発行し、資金を調達している。
- プライオール債 によって調達した資金は、JBSA が行っているとする「保釈保証金の立替」に充てるために、 JBSA に対して貸付けを行うとしている。
プライオール債の発行残高は、平成28年3月末現在、約 17億円となっており、そのうち当社が 約 11億円、上光証券株式会社が 約 6億円を販売している。
- しかしながら、プライオール債 によって調達された資金については、JBSA からの請求に基づき プライオール社 からの資金の使途を限定することなく JBSA に貸付けが行われてており、実際に、 JBSA において、MCI社((株)メディケアインベストメント社のこと)の関連会社の社債引受け、プライオール社への出資等に用いられるなど、「保釈保証金の立替」以外の使途にも充てられていることが認められた。
との指摘がされています。
日本保釈支援協会がなぜ、プライオール債で調達した資金を使って、メディケアインベストメント社の関連会社の社債引受けをしたり、プライオール社への出資に使ったりしているのでしょう。
飛び火して、新たな問題となるかも知れません。
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