あいちトリエンナーレ検証委員会第2回会議 [報告]
あいちトリエンナーレのあり方検討会の第2回会議が昨日開催されました。愛知県が第2回会議の議事概要をアップしていますが、You Tubeでもその様子を見ることが出来ます(「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会 第2回会議」)。
「資料1 これまでの調査からわかったこと」を読めば、検証委員会ではどのようなことが報告されているのかが分かります。
「企画と作品選定のプロセス」(わかったこと19頁)の時系列表には、4月4日に「芸術監督からキュレーターへ出品候補作品リストが共有される」と書かれています。
開催の4ヶ月前で、そんな状態だったのかと驚きます。永田氏への声掛けから半年以上経っていますが、この間、何してたのでしょう。
準備期間が不足だったことは間違いないようです(美術手帳2019年9月17日「「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」第2回が開催。「表現の不自由展」をめぐる組織・体制の問題点とは」)。
企画と作品選定のプロセス (わかったこと19頁からそのまま引用)
2018年
5月10日
・芸術監督がキュレーター会議で、「表現の不自由展」に関して初めて提案をする。
8月23日
・キュレーター会議で、永田氏への正式な声がけが決定する。
12月6日
・芸術監督から永田氏へ連絡を取る。
2019年
1月17日
・芸術監督が、キュレーター会議で、「極力(不自由展実行委員会が行う)キュレーションに介入しないようにしたい」と発言。
2月4日
・芸術監督が、不自由展実行委員会の岡本氏と初めて会う。
4月4日
・芸術監督からキュレーターへ出品候補作品リストが共有される。
4月以降
・業務が増加することから仕事の割り振りを再検討し、作品の受け入れ等の具体的な実務を担当するアシスタント・キュレーター1名を決めた。
4月25日
・この日以降、アシスタント・キュレーターが一部作家やギャラリーとの直接やり取りをする。
5月8日
・不自由展実行委員会、芸術監督、キュレーター、事務局で警備に関して協議を行った。
6月4日
・不自由展実行委員会、芸術監督、アシスタント・キュレーターが面談。出展リスト、展示内容、予算の方針を固めた。
6月17日
・あいちトリエンナーレ実行委員会から不自由展実行委員会へ契約書案を送付。
6月23日
・アシスタント・キュレーターと県立美術館学芸員が作品の集荷を始める。
6月下旬
・不自由展実行委員会が執筆したキャプションパネルに掲出する解説テキストを、翻訳するための事務手続きや、パネルにするための造作の手続きを、アシスタント・キュレーターが行った。
7月29日
・契約書に係る協議を終了。(7月1日付で締結)
大村秀章愛知県知事は「少女像やめやてくれないか」とか、再考を求めたようです。
これらの知事の働き掛けも、知事の論法では検閲 になるのではないのかと思いますが、いずれによせ、「不自由展全体を取りやめる」との「表現の不自由展」実行委員会側の反発に屈し、黙認したということになるようです。
ところで、
わかったことの「主な検証ポイント」の18には、
「18 不自由展にかかる予算が不足気味であったこともあり、芸術監督は、自分の会社の負担で、展覧会の詳細を解説するウェブサイトを提供し、また本来は、不自由展実行委員会側が負担すべき費用の立替えを約束したが、これは不適 切ではないか。」
との検証事項が挙げられています。
この検証事項に関する調査内容となる「わかったこと」の欄には、
・芸術監督は当初、2015年の「表現の不自由展」のよ うな、小規模の展示を想定し、経費は安く済むと考 えていた。ところが、実際には、大型作品や海外作品の集荷等の経費がかさみ、想定を超えた。
・また、芸術監督は、自ら企業からの協賛金を集めて 予算の不足分を補充する予定だったが、多忙のため十分にできなかった。(芸術監督インタビュー)
・不自由展実行委員会の希望により、同会側の不安を 解消するため、7月22日or23日(確認中)、以下の 内容の覚書を、芸術監督と不自由展実行委員会の間で交わした。
① あいちトリエンナーレ実行委員会から支払い が行われるまでの間、不自由展実行委員会は、 芸術監督に必要経費の立て替えを請求できる。
② 不自由展実行委員会が提訴されたときは、紛争解決に要した経費を芸術監督が負担する。
・あいちトリエンナーレ実行委員会のウェブサイトでは、簡易な作家・作品紹介を用意しているのみであ る。詳細については、作家がそれぞれ用意している ウェブサイトを参照することが多い。しかし本件では、芸術監督の会社が不自由展実行委員会のウェブサイトを作成し、あいちトリエンナーレの公式ウェブサイトに当初そのリンクが貼られていた。」
とあります。
芸術監督は、「表現の不自由展」実行委員会との間で、① あいちトリエンナーレ実行委員会から支払いが行われるまでの間、不自由展実行委員会は、 芸術監督に必要経費の立て替えを請求できる。② 不自由展実行委員会が提訴されたときは、紛争解決に要した経費を芸術監督が負担する。との覚書がなぜ交わされているのでしょう。
検証委員会の報告では何も述べられていません。
実行委員会側が訴えられる事態と言えば、それは あいちトリエンナーレ実行委員会からの業務委託契約違反に基づいた損害賠償請求ということになるのではないかと考えられますが、そのうち明らかになるでしょう。
2019-09-19 12:46
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