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令和元年12月11日付 県民環境委員会会議録 [感想]

  令和元(2019)年12月11日開催の 愛知県議会の県民環境委員会会議録 を掲載します(令1.12.11「県民環境委員会記録」.pdf)。

受任事件の調査の過程で知った内容です。一方当事者側からのバイアスが掛かった切り取りがされていると理解していただいても結構ですが、会議録上、引用した質疑がなされていることは間違いありません。(なお、下線は著者が付しました。)

私の感想は報道されている内容とは相当違うという感想を持ちました。


1  キュレーション

【近藤裕人委員】

芸術監督がウエブサイトを立ち上げたことはさておき、今420万円という金額は、検証委員会の中間報告の備考欄に書いてあるわけだが、専門のキュレーターの見立てではいわゆる不自由展・その後は大変難易度の高い企画だと言われており、その質を保った企画にしようと思ったら、通常であれば、420万円の4倍から5倍の費用がかかり、そして、展示面積も愛知芸術文化センターのあの小さな一角でやるような面積ではなく、8倍ぐらいが必要であったろうと言われている。これについて確認する。キュレーターを介せば検閲には当たらないというような表現もどこかで耳にしたことがある。キュレーターを介せば検閲には当たらない、要するにさっきどこかの議論の中であった大村知事、政治家である会長がこれはいけませんよと言ったらこれは検閲、政治家の介入になるかもしれないが、キュレーターを介せばそうではないということだという表現になっているが、中間報告ではいわゆる津田監督がこういうキュレーターの意向を無視した、独断で進んだといろいろなところで載っている。こういうのも後で触れるが、この芸術監督がそうしたことを無視したことに対しては、大変な契約違反ではないかと私は思うが、どう考えるか。

【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】

 芸術監督が無視したという言葉があったと思うが、表現の不自由展・その後の展示内容の協議は、芸術監督を通じて不自由展実行委員会と協議、調整をしていて、結果としては我々の意向、例えば平和の少女像についてパネル展示にできないかという意向については監督が不自由展側の意向も確認して最終的には実物展示でいくという判断をしたということであり、その間に入った監督が最終的にそういう判断をしたと我々としては考えている。

【近藤裕人委員】

 中間報告には、要するにキュレーターに口出しをさせないようなことをしたと明確に描かれている。ということは、契約違反に近い。要するに、皆が思っているのは、県民に対する説明をどうするのかだが、極端なところ、責任論である。大村知事も知らなかった、職員も知らなかった、では、誰が知っているのだとなると、けさの新聞にも載っていたが、芸術監督本人もうそは言っていないといっているそうだが、どう見てもこれはどこかひっかかるものがある。したがって、それこそあいちトリエンナーレのあり方検証委員会の中間報告では、芸術の名をかりた政治プロパガンダだとか、あるいは悪意ある不作為だとか、こうした言葉が載るような評価が中間報告である。そうであれば、明らかに芸術監督に非があると思うが、芸術監督を訴えるわけにはいかないのか。

【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】

 芸術監督を訴えるということはできないのではないかと考えている。

【近藤裕人委員】

 もちろん弁護士とも相談した上で恐らく訴えられないのだろうと思うが、そこが我々も含め多くの県民が納得できないところだと思う。誰が責任を持つのか、そういったことを置いて、次に進もうとすることはどう考えてもおかしい。したがって、前回の委員会でもぜひ一旦立ちどまってという局長の言葉があったということを紹介しながら、ぜひ1回立ちどまってゆっくり考えてもらいたいと話した。次に、当委員会では、岡山市で開催されている岡山芸術交流2019を視察した。このタイミングで視察に行くのかとも思っていたが、現実には大変楽しく、よいものであり、まさにあいちトリエンナーレで取り上げるような内容のものが展示されていた。そういった意味では、やはりこうしたものをやってほしいというのが率直な気持ちである。 今回の視察には県当局の職員も行っているため、もし何か感想があれば、教えてほしい。


2  警備など

【筒井タカヤ委員】

 次に、河村たかし市長は昭和天皇の肖像を用いた映像について、申請と実際の展示が違うと発言しているが、何がどう違っているのか私には理解できない。実行委員会のナンバー2でもある河村市長、実行委員会会長代行の発言だけに事は重大だと思うが、何がどう違っているのか、河村市長の誤解発言かを含めて当局の答弁を求める。

【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】

 河村市長は、表現の不自由展・その後の展示作品のうち、大浦氏の映像作品、遠近を抱えてPartIIが説明資料に含まれていなかったことを言っていると考えている。中間報告にもあるとおり、事務局が遠近を抱えてPartIIの映像作品の存在を認識したのは本年7月30日であり、7月22日の名古屋市への説明資料には、その記載はなかった。

【筒井タカヤ委員】

 ということは、全てが河村市長の誤解発言でもなさそうである。ぎりぎりまでこの件についてきちんとした見解を示さなかった県当局にも非があると思うが、こういったことも含めてパートナーでもある名古屋市、それを代表する名古屋市長にはきちんと説明すべきであった。

 次に、会見場に押しかけた芸術監督を務めた津田大介氏が記者団に対して、展示内容は開会1カ月前に公表予定だったが、警備上の問題でとめられたと発言している。 津田氏が言う警備上の問題でとめられた判断は、誰が決めて、どのような形で行ったのか。

【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】

 津田監督には、事務局が警察と事前に協議した内容として展示作品の内容が明らかになった場合には抗議が来るのが必至という情報を伝えて共有していた。また、津田監督に対して事務局から、必要な体制が整う前の多忙な時期での展示内容の公開は混乱を引き起こす可能性があるという旨も伝えていた。津田監督が本年6月29日に不自由展実行委員会と自身で独自に記者発表を予定しているということは聞いており、そうした我々の情報をもとに記者発表をやめると判断したと考えている。

【筒井タカヤ委員】

 今警備上の問題が生ずる危険というのは、作品の展示もしくはその全てを示すというものだと思うが、何がどう危険性があるのか理解できない。どんな問題が、危険性があるということを指すのか、もう一度答弁を求める。

【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】

 繰り返しになるが、今回の不自由展の展示は、一定の抗議の人が訪れるということは想定していたが、その場合、その人々への対応をする必要があり、そうした対応に人員を割くことによって、芸術祭全般の運営への影響が出る危険性があると認識していた。

【筒井タカヤ委員】

 そうまで危険性が生ずることを予測しておきながら、警備の問題等も予算を考えれば、当然緊急的に県議会を代表する人たちに、これでは大変だというようなことも含めて緊急警備の予算等も含めて説明すべきではなかったか。なぜこんな危険があるのに極秘にしておいたのか。結果的に大混乱が起きた。また、よく見てみると前回のあいちトリエンナーレのときよりも警備員がたった2人だけの増員というような手配であり、これから見たら完全にずさんではないのか。危険だと言っておいて、警備員2人だけの増員ということで事を済ませようとし、問題は起こった、中止した、再開しよう、我々の中から職員を全部応援して出そう、そうした視点の動きを考えてみたら当然予測されたものではないのか。そういったことの反省点も含めて、なぜたった2人だけの警備員の増員だったのかということも含めて答弁を求める。

【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】

 事前に議員に知らせなかった理由は、先ほど答弁したとおりだが、警備に関して、我々としては警備員の増員以外に警察を初めとする関係機関の協力や、マニュアルの整備、共有によって一定の対応はできると考えていた。

【筒井タカヤ委員】

 結局はできなかった。この問題が、日本中で関心を呼ぶことはわかっているし、こういうことは当然予測できた。ここまでして決意してやるというのならば、愛知県議会の議長及び団長でも、とりあえず余分なことは言わないから、警備の対応だけでも考えようということぐらい考えたはずである。 我々を軽視しているのではないのか。今後のあり方としてそういうものもきちんとしてもらいたいと思うが、どうか。

【トリエンナーレ推進室長】

 先ほどの委員指摘のとおり、今回の事態については、私どもの認識が甘かった部分がある。 次回は、今回の反省点も含め、また、議員にも事前に諮るなどして、対応していきたい。


  予算などの点についても触れてみたいのですが、長くなりすぎたので次回にします。


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