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あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会 [報告]

 先週19日のブログ(「事業A:事業B」)に関して、次のコメントをいただきました。


愛知県があいちトリエンナーレ2019で、寄付金収入を入れ込み、事業報告時に、当初計画よりも大幅な収入増が生じたように見えないようにするゃとになった遠因は、

「2018/2頃に、文化創造芸術拠点事業の補助金申請をし採択(30百万だったかな?)された所から、事業計画がおかしくなったのでは?と考えています。この補助金、あいトリ開催での補助金という体裁ですが、当該補助金は当該年度で事業開催する前提で降りるもの。準備年には交付されないのに、申請してしまい採択されてしまった。ここで使えない&貰えない30百万が生じ」

たことにあるのではないかと推理いただいていたものです。


  そのような会証さんの推理に対して ドンピシャのタイミングで 文化庁から、愛知県が補助金申請をしていた「平成30年度『文化芸術創造拠点形成事業」の実績報告書などの開示文書が届きました。

  枚数は 都合、計45枚ありました。

開示決定通知書の記載から書類を整理すると、下の①ないし⑤の文書の総枚数が45枚ということになります。

①ないし⑤を別々のファイルとしてブログに載せた方がブログを読む方には便利なのかとも思いましたが、結構手間が係るため、45枚を1つの PDFファイルとして掲載しました。ご自由にご利用ください。


① 平成30年度 文化芸術創造形成報告書 実施報告書

  (A4×7枚+A3×1枚+A4×11枚、計19枚)

➁ 平成30年4月2日付け補助金交付申請書

  (A4×1枚)

➂ 平成31年4月9日付け実績報告書

  (A4×1枚)

④ 実績報告書(?と一体のものとの扱い?)

  (A4×8枚+A3×1枚+A4×14枚、計23枚)

⑤ 支出決定決議書

 (A4×1枚)


(文化庁への行政文書開示請求と、文化庁からの開示決定通知等は こちら にまとめておきましたのでご参考にしてください。)


 さて、その内容ですが、

 まず、⑤から、文化庁から愛知県が交付された平成30年度文化芸術創造拠点形成事業の補助金は 19,021,311 円 で、平成31年4月23日に支払われていることが確認できます。

 次に、①の愛知県が作成した実施計画書では、「実施計画の期間」が「平成29年4月1日~平成32年3月31日」となっています。募集案内1頁には「補助金交付対象となる事業期間 平成30年4月2日から平成31年3月29日まで」と書かれていますので、愛知県は実施計画書の事業期間の記載を誤っています。これでよく文化庁は採択してくれたと思いますが、現実に文化庁は採択しているわけですから四の五の言うところではありません。

とはいうものの、愛知県は ➁の平成30年4月2日付け補助金申請書の「実施期間」では「平成30年4月2日から平成31年3月29日まで」と直しています。


   気付いた点としては、補助金申請書の➁では、申請者である愛知県の自己負担金は 12,078,000円。また、名古屋市と豊田市が共催者で、名古屋市が1,708,000円、豊田市が1,000,000円 を各負担し、共催者等負担金は 2,708,000円となっています。

  それが、④の実績報告書では、申請者である愛知県の自己負担金は 10,413,000円に減少している一方で、共催者等負担金は 3,087,778円に増えています。また、収支の総額が45,715,000円から 38,962,486円へと15%程度減少しているといったところです。


  加えて、①の実施計画書には、「あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会」という名前を聞いたことがない団体が、補助金 44,960,000円 のうち32,368,000円の交付先として登場しています。

  ④の実績報告書を見てみると、支出 38,962,496円は全部が委託費。

うち、あいちトリエンナーレ実行委員会へ 11,378,699円 が支払われ、残り、27,583,797円が 「あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会」に支払われているようです。


「あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会」という団体についてですが、

(誰が開設しているかが不明な)「現代美術地域展開事業」のホームページアーカイブ というページをチェックしてみると、

平成23年のチラシには、

お問い合わせ あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会

名古屋市中区三の丸三丁目1-2/愛知県県民生活部文化芸術課内

と書いてありますので、相当前から存在した団体のようです。


 愛知県のホームページの「県民文化局文化部文化芸術課国際芸術祭推進室」のページには、「現代美術地域展開事業公式Webサイト」がリンクされていますので、現在は同室が所管しているということなのでしょうか。


「現代美術地域展開事業」のホームページ の アーカイブ のページには、

Copyright [コピーライト] 現代美術地域展開事業実行委員会(2020年度のみ)
Copyright [コピーライト] あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会(2020年度は除く)
 掲載されているイメージ及び記事に関しては無断掲載を禁じます。

と書かれていることも気になっているところです。

  

また調査対象が増えてしまいました。

  

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コメント 3

会証

お疲れ様です

余計な調査項目を増やしてしまったようで恐縮です。

まぁ、私の妄想は「県の事務方が申請や予算確保のミスをした」が前提でしたので、流石にそれは無いか…な結果でしたね

さて、「あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会」という団体について、確かにアートスクール等のイベント主催として、県の広報や県議会だよりなどにもその名称を確認できました

また、リンクを貼りましたが、当該団体の事業に関する住民監査請求が出ていたようです
(結果は却下。監査請求理由とその理由に対する却下判断はともかく、その前段の却下理由は一見の価値ありかと。ここでも、現在あいトリ実行委と名古屋市で係争中の事案に対する県側の見解同様、当該団体は県の組織では無く団体実施事業に関して県の財務会計上の行為ではないとしています。)

また交付申請書を、ざっと見ましたが、あいトリ実行委の事務員給与も交付対象事業支出としていますね
ただし、主に臨時職員のみで常勤者は無しかな?

また、2018年度のあいトリ財務諸表と見比べてみても、金額が一桁違います
この事象は、2019年度の国の補助金申請時の各種積算資料にも言える事ですが、金額算定根拠等がよくわかりませんね…

2018年度の補助金等はちょっと深追いしても、あまり実がないかも、という気になってきましたが、また落ち着いて読み解かせていただきます
by 会証 (2021-10-28 21:44) 

tomo-law

 見つけることができませんが、住民監査請求ですか。読んでみます。
by tomo-law (2021-10-31 07:26) 

tomo-law

住民監査請求の通知書読みました。「県の財務会計上の行為ではない。」ということで却下されたということのようですね。アーカイブが「Copyright © 現代美術地域展開事業実行委員会(2020年度のみ)、Copyright © あいちトリエンナーレ地域展開事業実行委員会(2020年度は除く)」となっているのは、そんな訳ですかね。
by tomo-law (2021-10-31 12:02) 

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