自衛隊の防衛関係費 [検討]
下の2つのグラフは、上が、我が国の「防衛関係費の推移」、
下が「防衛関係費を国際比較」をグラフ化したものです。
いずれも、防衛省・自衛隊のホームページから引用させていただきました(「防衛関係費の現状について」参照)。
この2種類のグラフを見て、どう感想をお持ちになられたでしょうか。
私などは、まず、
「ロシア、中国の防衛関係費の伸びは突出しているんだぁ。
それと比べると、日本の防衛関係費はここ10年、毎年、微減しているんだぁ。」
と、ありきたりな感想を持ちました。
それに加えて、
「防衛省は、10年で3000億円も減っていると言っているが、
社会保障費以外は減少しているんだから、防衛関係費の微減は止むえんだろう。
むしろ、防衛関係費の減少は、下図を見てみると、10年で、0.94倍となったと言うんだから、10年で6%の減少。
1年換算すると、毎年0.6%の減少になるわけだから、
むしろ、防衛関係費は、予算上、他より優遇されてるんだな。」、
などと考えてしまいました。
ダレル・ハフ著、高木優玄訳の「統計でウソをつく方法」では、
方眼紙に描いたグラフの下の方をちょんぎって、グラフから受ける印象を別にしてしまう、だましの手法
を紹介しています(「第5章 びっくりグラフ」の「グラフでだまそう」の項参照)。
予算獲得のための国民向けの広報として、致し方ないのは理解はできます。
ですが、
国防関係費が毎年、大幅に減少しているかのような
誤解をしてしまう防衛省の説明は、
「ちょっと いただけない」と私は思いました。
統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)
- 作者: ダレル・ハフ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1968/07/24
- メディア: 新書