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認知症の金持ちを狙う 魑魅魍魎 [感想]

今日のボ2ネタで、  

急増中!認知症の金持ちを狙う暴力団・悪徳弁護士」という記事が紹介されていました。

元ネタは、プレジデントの2012年12月31日号の記事ということですが、

武蔵野学院大学客員教授の平塚俊樹氏の、

認知症の老人の任意後見人となり、老人の家に押しかけてくるマルチ商法や新興宗教の人からその老人の財産を守った

という体験談からスタートです。

 平塚氏は、痴呆老人を食い物にしようとする者と、その手口について、

「相手は準構成員が多いですね。

不動産だと司法書士が間に入って面倒だから、最近相談が多いのは借用書で返済を迫ってくるケース。

裁判所は筆跡鑑定を判決に加味しないし、いまだに『印鑑の偽造はありえない』などと考えているから、

1000万、2000万円を簡単に持っていかれる」

とか、また、対抗策としての裁判の有効性について、

「私もそうした相談を3件受けましたが、裁判はすべて劣勢。

港区内のマンションを4棟やられた件もあります。法廷では一般人も暴力団員も扱いは変わりませんから…… 」

とかコメントを寄せています。

平塚氏のコメントを整理すると、

「裁判では、実印が押してある借用書があれば、

筆跡が本人のものでなくても、裁判官はお金を貸したと主張している者の言い分を認めてしまう。」、

 「裁判官は、裁判で、暴力団員だろうと、普通の人と同じ扱いをするため、暴力団員だからと言うだけで色眼鏡で見て、暴力団員を負けさせるようなことはない。」、

だから、裁判なんか使えない

ということになるようです。

でも、この平塚氏の意見は、私の実務感覚とは全く違います。

私の第一感は、

老人にお金を借りるような理由がないのであれば、裁判官は、まず、金銭の貸借があったこと自体を疑い、

実印が押された借用書が存在していようが、また、老人の自署がされた借用書があろうが、

お金の授受と、受け取ったお金の行方(どう使われたか)が納得できるものでない場合、

老人側を勝たせる場合が多いのでないか、 

というものですし、また、

裁判官は、暴力団員に対して 驚くほど冷たい対応をする。

暴力団員の主張は信用できないとの認定をして、(真実は、権利者であった場合であっても、)その暴力団員を敗訴させてしまう場合が多いのではないか、

というものです。

つまり、平塚氏とは反対で、

(勝訴判決を得ても、騙し取られた財産を、現実に回収可能であるかという問題は別にあるが、)

裁判(訴訟)自体の 分(勝訴の可能性)はそんなに悪くない。

裁判は使える。

というのが私の意見となります。   

  

この平塚氏ですが、今回は、肩書が「武蔵野学院大学客員教授」となっていたので、すぐに気付きませんでしたが、

11月2日のブログ(「証拠調査士?の名刺を見た」)で触れさせていただいた「証拠調査士」を標榜されている方です。

 

  

セミナー講師を紹介している「セミナーラボ」という会社のホームページで、

この平塚俊樹氏を講師として紹介しているページを見つけました。

平塚氏が講演をされている模様の動画があったので、見てみましたが、

平塚氏は

労働審判についてですが、

企業側の労働問題の相談に乗ってくれる弁護士がほとんどいないために、相談に乗ってくれる弁護士を捜すのが困難です

だとか、

弁護士が見つかっても、弁護士費用がものすごく高いです。おそらく、100万円、200万円ではきかないです。

その理由は、経営者側が労働問題で勝つとことはないため、成功報酬を取ることができないので、高い弁護士費用を請求する。

などと、独自の見解を、

大変自信をもって説明されています(1:50~2:20辺り) 。

  

このような知識や理解で、セミナーを開催し、セミナーに人が集まること自体に結構、びっくりしました。