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困った [困惑]

民事訴訟法では、

裁判所が嘱託先に対して、客観的な事項について調査を委託し、

その嘱託先から提出される調査報告を訴訟における証拠とする、

調査嘱託という証拠調べの方法を定めています(民事訴訟法第186条)。

(調査の嘱託)

第186条  裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。

 

  

訴訟中の案件について、この調査嘱託を使って、

例えば、証券会社に信用取引委託保証金として差し入れている金銭など、

相続税法施行令第12条1項の「換価の容易な財産」となるのかどうかが、はっきりしない財産について、

国税当局に「換価の容易な財産」となるか判定をしてもらおう

と考えたのですが、

今日、担当者から、

裁判所から調査嘱託の送付を受けたとしても、文書での回答はしません

との返事がありました。

 

  

担当者が話していた回答できない理由の説明を整理しますと、

相続税基本通達38-2(延納の許可限度額の計算) では、

換価の容易な財産とは、次のような財産をいう。

・ 評価が容易であり、かつ、市場性のある財産で速やかに売却等の処分をすることができるもの

・ 納期限又は納付すべき日において確実に取り立てることができると認められる債権

・ 積立金・保険等の金融資産で容易に契約が解除でき、かつ、解約等による負担が少ないもの

と、「換価の容易な財産」について定義している。

この定義から、個々の財産が「換価の容易な財産」かは判断可能である。

そうだとすると、調査嘱託によって委託された調査内容は、個別の事案に関するものと言うことになるので回答できない。 

ということのようでした。

  

何を言っているのか理解不能です。

  

ですが、この結論。 国税当局のトップのお役所の担当部局にお伺いを立てて確認済だのことでした。

ですので、裁判所から、国税の担当部局に調査嘱託書を送ってもらっても、

「回答できない」という回答が戻ってくることは間違いないところです。

見直しはないというわけです。

  

ああ、困った。

このままだと、損害額の証明ができない。

何かいい手はないでしょうか。 

鑑定の嘱託(民事訴訟法第218条)なんか使えないでしょうか。