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メガバンクでの グループ内派遣 [感想]

昨年成立した改正労働者派遣法は、

グループ企業派遣の8 割規制

を定めました( 厚労省のホームページの「労働者派遣法が改正されました > 派遣元事業主・派遣先の皆様2

参照。)

グループ内派遣の規制は、そのような派遣が、

本来は直接雇用すべき者を派遣労働者として働かせているおそれがあるとともに、

労働条件の切下げにつながりかねないとの問題があるため、

今回、規制が加えられることになりました。

労働者派遣法

(派遣元事業主の関係派遣先に対する労働者派遣の制限)

 第23条の2

派遣元事業主は、当該派遣元事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある者その他の当該派遣元事業主と特殊の関係のある者として厚生労働省令で定める者に労働者派遣をするときは、関係派遣先への派遣割合が100分の80以下となるようにしなければならない。

このグループ内派遣に関連した記事を、先月24日、産経新聞が報じました(「『8割規制』抵触 大手2行グループ、派遣事業撤退へ 1・8万人直接雇用」)。

記事の内容は、

三井住友は、グループ傘下のSMBCスタッフサービスが銀行本体に約7300人、グループ全体で約1万人の社員を派遣。

グループ外への派遣実績はほとんどなく、ほぼ100%がグループ内派遣だったが、8割規制への対応策として、この1月までに全員を派遣先での直接雇用に切り替える方針を決めた。

三菱UFJでも、傘下の三菱UFJスタッフサービスが抱える派遣社員約7900人のほぼ100%を、窓口業務や受付などの事務系要員などとして銀行本体に派遣していたが、

8割規制への対応策として、大半を昨年10月までに直接雇用に切り替えた。


というものです。

この記事に書いてあることが公表されているホームページ等から確認できるかを確認してみました。 

まず、SMBCスタッフサービスについて。

同社のホームページの会社概要では、「従業員数 300人 」としか書いてありません。そのため、記事のに書かれている「同社に約1万人の派遣社員がスタッフとして所属」しているかは、ホームページからは確認不能です。

多数の派遣社員を派遣しているとの派遣実績は、派遣会社にとってアピールポイントであるはですが、なぜか、SMBCスタッフサービスのホームページには何も書かれていません。

「派遣実績を隠したいから、何も触れない」のではないかと勘繰ってしまいます。

また、同社の「SMBCスタッフサービスとは?」のページでは、三井住友銀行およびその関連会社のほかにも派遣先があるかのようなことが書かれており、グループ外への派遣実績があるかのような記載をしています。

記事のとおり、グループ外への派遣実績がほとんどないのであれば、

グループ外への派遣実績があるかのようなこの記載は、嘘っぱちということになります。   

では、次に、三菱UFJスタッフサービスについてはどうでしょう。

同社のホームページの会社概要には、

「従業員数 580人」のほかに、「稼働スタッフ数 7,900人」と書いてあります。

稼働している派遣社員が 7,900人いることをしっかり書かれているわけで、

この点については、SMBCスタッフサービスのホームページよりも正確です。

ですが、三菱UFJスタッフサービスのこの会社概要も、

「三菱東京UFJ銀行をはじめ多種多様にわたる業種の企業に数多くの人材を供給してきております。」と、

さも、三菱UFJスタッフサービスでは、グループ外への派遣実績が多数あるかのようなこと

を書いています。

でも、新聞記事によると、、「派遣社員約7900人の ほぼ100%を、窓口業務や受付などの事務系要員などとして銀行本体に派遣していた」ということなので、

この三菱UFJスタッフサービスのこの説明も、やはり 嘘っぱちということになります。

SMBCスタッフサービスにしろ、三菱UFJスタッフサービスにしろ、

所属する派遣社員の(ほぼ)全員がグループ内に派遣されていたことになるわけなので、

本来は直接雇用すべき者を派遣労働者として働かせていた

と指弾されたとしても

むべなるかなです。

この三菱東京UFJフィナンシャル・グループと三井住本フィナンシャルグループの

派遣社員の直接雇用への切り替えについては、

産経のほか、

朝日(「グループ内派遣を直接雇用に 三井住友FG、法改正対応も」)が報じていますが、

記事では淡々と、事実を報じるだけで、

メガバンク 2 グループの派遣制度を悪用

といった視点での論評がまったくありませんでした。

大したことではないからなのでしょう。 

ところで、労働者派遣法改正法は昨年3月28日に成立していますが、 

なぜ、 三菱東京UFJグループは昨年10月まで、また、三井住友グループは昨年12月まで、

派遣社員を契約社員に切り替えること

を差し控えていたのでしょう。

それとも、何か、一発逆転でも狙っていたのでしょうか。

いつも逃げ足が早いのに、不思議な気がします。