自民党の政策決定 [検討]
日経電子版の昨年12月28日の記事(「自民、政策決定を再構築 与党連絡会議を復活、官邸とのバランス焦点 」)は、
自民党が政務調査会を経て総務会で方針を決定し、公明党とは政府・与党連絡会議などで最終調整する政策決定の仕組みを復活させる。
と報じています。
そもそも自民党は、平成21年(2009年)9月に民主党へ政権を奪われたこの3年以上、政権から離れていたので、国の政策決定に関わっていませんでした。
記事は、自民党が政策決定の仕組みを 「復活させる」 という表現をしていますが、
政権から離れていた自民党は、その間、政策決定には関与していなかったわけで、「復活」も糞もなさそうなんですが、
自民党が、前回の政権党だっとた時と同じ政策決定の仕組みで、政策決定をすること
を、「復活させる」と表現してます。
なんで、こんな分かりにくい表現をするんでしょう。
下図は、日経電子版の記事に掲載されていた「自民党の政策決定はボトムアップ」という図ですが、
自民党の政策決定の仕組みが分かりやすく図示されているので引用をさせていただきました。
自民党の政策決定は、ボトムアップが特徴で、
分野ごとに部会が置かれた政務調査会(政調)が、政府が提出する予算や法案を閣議決定前に審議する。
政調で決めた案件は総務会に上げ、全会一致で了承を取り付ける。
という仕組みがとれらています。
以上が、自民党内における政策決定ですが、
自民党は単独政権ではなく、公明党と連立です。
そのため、自民党総務会での了承を得たのち、連立を組んでいる公明党と、与党政策責任者会議、政府・与党連絡会議における摺り合わがされ、
与党である自公の政策決定がされることになります。
その上で、内閣での閣議決定。
必要があれば(ほとんどの場合は当然必要)、閣法として、国会に法律案・予算案が提出され、国会で可決成立。
という一連の流れを経て、政策として実施されることになります。
先週10日のブログ(「貸金業法改正を選挙公約としていた自民党」)で、私は、
議員立法による貸金業法改正の動きは、民主党内での内部対立のため、改正の動きが振り出しに戻ってしまっている
と改正の現状について評させていただきました。
議員立法による貸金業法改正が ボツ Jなったのであれば、
貸金業法を改正するためには、自民党における政策決定のルートを経た上での法改正を図っていくしかありません。
自民党内での 部会 → 政務調査会 → 総務会 の承認が改正には不可欠というわけです。
ところで、自民党での貸金業法改正に関した意思決定は、
「小口金融市場に関する小委員会」での承認だけです。
「政務調査会」と、「総務会」の了承が改正のためには必要となります。
この貸金業法改正。自民党内部でも意見が分かれ、さぞや紛糾することでしょう。
もし、貸金業法改正を今、持ち出したとしてて、実際、改正まで こぎ着けることができるのはいつのことでしょうか。
今年でしょうか、来年でしょうか、あるいは再来年でしょうか。
こんなネタ、参院選前に誰が持ち出すんでしょう。
また、政権与党の一員である公明党は、どういうスタンスなのでしょう。
このような理解から、
議員立法による改正が流れてしまった現状、貸金業法改正の動きは振り出しに戻った
と評させていただいたというわけです。