年金狙うヤミ金 [検討]
今朝のNHKニュースで、
警察庁が、全国銀行協会などに対し、
高齢者の年金口座からの自動引き落としの申し込みがあった場合は、引き落とし先が貸金業者などであれば受け付けないなど、審査を厳しくするよう、
また、引き落とし先がはっきりしない場合でも、名義人の高齢者から解約の申し込みがあったり名義人の知らないうちに勝手に契約が結ばれたりしていた場合は、自動引き落としのサービスを停止できるよう要請した
と報じていました(「相次ぐ摘発 自動引き落としの審査を厳しく」)。
このNHKのニュースでは、
高齢者に違法な貸し付けをし、年金用の口座から自動引き落としの形で高い利息を受け取るヤミ金業者の摘発が相次いでいる
とも報じていました。
私は、自動引き落としの手口を使ったヤミ金の摘発が相次いでいることなど、全く知りませんでした。
全銀協への要請文を確認してみようと思い、警察庁のホームページの新着情報を一応確認してみましたが、何も書かれていません。それは全銀協も一緒でした。
どうやら、NHKのニュースは、
時事通信社が昨日(1日)報じた
「口座引き落とし悪用=年金狙うヤミ金-金融機関に対策要請・警察庁」
の記事を後追いしたもののようです。
この時事通信の記事には、
① 警察庁が、全国銀行協会と全国信用組合中央協会、全国信用金庫協会に対策を要請した、
② 警察庁は、預金口座の自動引き落としサービスを取り立てに悪用した新手口を使う業者を、福岡県警が昨年10月に家宅捜索。関東地方にも同種業者が存在するといっている、
と書いてあります。
でも、手口のヤミ金業者の摘発が相次いでいるなどとは書かれていません。
日経も後追いしていますが(「警察庁、自動引き落とし審査厳格化要請 年金口座悪用受け」)、
こちらでは、
警察庁によると、昨年5月以降、本店所在地が同じ福岡市の貸金業者2社が、高齢者の顧客に対し、年金用の口座から自動引き落としで返済させていたことが発覚。
顧客は少なくとも約3千人に上り、契約ベースの取引額は元利合計で50億円を超えるという。
福岡県警は昨年10月、この貸金業者の関係先を貸金業法違反(無登録)容疑で捜索した。
と報じられています。
時事の記事とこの日経の記事からすると、
新手口のヤミ金の摘発は福岡県警の1件だけようです。
NHKの摘発が相次いでいるというのは間違いのようです。