離籍と 「美味しんぼ」 [感想]
旧民法には 「 離籍 」という制度がありました。
旧民法742条
離籍セラレタル家族ハ一家ヲ創立ス
他家ニ入リタル後復籍ヲ拒マレタル者カ離婚又ハ離縁ニ因リテ其家ヲ去リタルトキ亦同シ
この「離籍」について、梅謙次郎「民法要義 巻の4親族編(第22版)は、
と説明をしています(日本大学法学部清水恵介教授のHPの論文復刻のページ参照」)。
この「離籍」について、もっと分かりやすい説明はないかと思って、ネット検索をしていたところ、
「アニヲタで法律ヲタな元法学部生」さんという方の「アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常ブログ」というブログの
「美味しんぼと家族法~山岡が「法律的」に「山岡」と名乗る方法」
という記事を見つけました。
「美味しんぼ」の主人公の山岡士郎は、海原雄山と親子ですが、士郎は、高校生の時に母親(= 雄山の妻)をに病気で亡くして以降、雄山と親子の縁を切り、家を出ました。
それ以降、士郎は、母方の氏(姓)である「山岡」を名乗っています。
そんなわけで、
士郎と雄山が親子なら、山岡士郎は「海原士郎」のはずなのに、
「士郎は、どうやって、戸籍上の氏を、「海原」から「山岡」に変更したんだろう」という疑問があり、マンガでも理由がはっきり述べられていません。
「アニヲタで法律ヲタな元法学部生」さんの記事は、その疑問点を深く探求したものです。
記事は2007年5年のもので、既に発表されてから 6年近く経過していますが、
面白いものは面白いので紹介させていただきました。
私はこういう記事が好きです。
なお、記事で紹介がされている、氏の変更に関する、
京都家審昭和35年5月7日、昭34年(家)2365号
の事案は知りませんでしたので、大変勉強にもなりました。
「アニヲタで法律ヲタな元法学部生」さん、ありがとうございました。
やっぱりな [感想]
やっぱり、アブラハム社の高岡壮一郎代表は やまもといちろう 氏から 逆ねじ を食らわされているようです(昨日29日の やまもといちろうBlog「 【続】「いつかはゆかし」@アブラハム社と高岡壮一郎さんに対する公開質問状その2 」参照)。
「喧嘩は相手をみてしないといけない」
との教訓どおりですね。
底引き網漁 [検討]
今朝の朝刊に、
借金問題ご相談下さい。
出張無料相談会
2週にわたり、名古屋市全域で開催します!
とのコピーが書かれた、B4の両面刷りの 折り込みチラシ が入っていました。
下の画像がそれチラシの表面と裏面となります。
チラシは、東京の法律事務所が、
先週22日(金)から今週の25日(月)までと、明日29日(金)から来週4月1日(月)までの2 週にわたり、
名古屋に出張し、無料相談を行うことを告知したものです。
チラシによると、これまで4回無料相談会をやり、今回で 5 回目になるとのことです。
この折り込みチラシを出すために、どの位の費用がかかるものなのでしょう。
興味が沸いたので、少しだけ調べてみました。
名古屋という場所は特殊なところで、ブロック紙である中日新聞が圧倒的なシェアを誇っています。そこで、中日新聞の折込広告の代理店である中日総合サービスのホームページの料金表を基準にして検討をすることにしてみます。
同社の折込料金表によると、
名古屋市内向けは、A4 / B4 だと、1枚あたり2.50円(消費税別)
となるようです。
次に、折り込みの枚数ですが、
名古屋市内全区の中日新聞の購読者に折り込みチラシを入れるとすると、その数は、
544,850件
となっています(折込紙数表のエクセル表参照)。したがって、チラシを入れる枚数も 544,850 枚ということになります。
したがって、折り込みチラシの料金を計算してみますと、
1,430,231円 ( ≒ 544,850枚 × 2.50円 ×1.05 )
となります。
以上はチラシの折り込み料金だけですので、これに、B4両面の多色刷りの印刷代を加えないといけません。
その値段がいくらになるのか、よく分かりません。
通販の印刷価格を比較する、印刷.com というサイトでの価格を参考にさせていただくことにしましたが、
B4 両面カラーで、50万枚の印刷料金だと、
どんなに安くても、「50万円くらいはかかるかなぁ」という感じです。
と言うことは、チラシの折り込み料金と印刷代で、200万円くらいは かかっていることになります。
トロール船での 底引き網漁 の 撒き餌代に 200万円 を掛けていることになるわけですが、
それでもペイするので、
5回目の出張無料相談会を、名古屋まで出場ってやっているわけです。
てっきり、「漁場の資源は、乱獲で枯渇してしまった」と思ってましたが、
この程度の 撒き餌を撒くだけで、漁が成り立っていることになるわけで、
驚きです。
損失の付替え [感想]
損失補填 とは、
証券会社等の金融商品取引業者が、顧客の損失を穴埋めをしてあげることを言います。
平成3年の証券取引法改正により、この損失補填は罰則付きで禁止されることとなりました。
そして、現行の金融商品取引法においても同様となっています。
この損失補填については、禁圧されているわけですが、
金融商品取引業者が自分の利益を、顧客に付け替えてあげているだけで、
他の顧客の利益を直接、侵害しているわけではない。
特定の顧客だけを依怙贔屓し、損失補填が受けられない顧客との間でフェアーではないだけだ
という 見方も可能だと言えそうです。
これに対し、24日に朝日新聞が「過払い返還、密約で減額 債務者が知らぬ間に 消費者金融と法律事務所」で報じている、
法律事務所や司法書士事務所がやっていることは、
平たく言えば、
自分の腹を痛めずに、顧客間で損失の付替えをしている
のと同じことです。
こちらでは、損失補填の場合とは違って、
法律事務所や司法書士事務所が、消費者金融業者との協定に従った行動をとることによって、
負担する理由がない損失を負わされて、結果として利益が削られることとなる顧客が出てくることになります。
利益を削られることとなった顧客が、楽屋裏の事情を知っていたのであれば、示談には応じるはずがないことです。
トークによって騙されたのと一緒だと言えます。
ですから、そんなことが実際、なされていたのであれば、詐欺罪となりそうなことですし、
消費者金融業者もその共犯となってしまうんではないかと妄想をしてしまいます。
消費者金融と法律事務所の密約疑惑 [報告]
ボ2ネタでは、
朝日新聞の昨日24日朝刊の記事
「過払い返還、密約で減額 債務者が知らぬ間に 消費者金融と法律事務所」
が取り上げられていないようです。
「過払金返還請求の示談の際、法律事務所と消費者金融が協定を結んで、
一部の債務者に不利益な示談をしている事例がある」
という記事ですが、
過払いの最後の徒花
となりそうな話です。
どこまで広がりを見せるのでしょうか。
貸金業法改正の動きは見られず [報告]
昨年12月の衆議院選挙以降、
貸金業法改正の動きは 全く見られないようです。
新聞・雑誌記事横断検索で、キーワードを「貸金業」、「改正」、期間を「20121217~」で検索をすると、
49本の記事がヒットしますが、
貸金業改正の動きを報じた記事は一本も見あたりません。
貸金業法改正は、昨年の衆議院選挙の際の自民党の選挙公約でした。
なので、
「貸金業者がつくる業界団体が、自民党に対して、選挙公約どおり、貸金業法改正を早急に実現するよう求めるとともに、今後、貸金業法改正に向けての活動を積極的に進めることを決議した」
という記事が一本ぐらいあっても よさそうなのですが。
新聞・雑誌記事横断検索で、目に付いた記事は、むしろ、
15年ぶりに自殺者が3万人を切ったのは 、貸金業法改正が奏功したと報じた記事 に見られるような、
改正貸金業法に対して ボジィテブな評価をしている記事の方です。
中には、朝日新聞の今年1月28日の記事のように、
「 日本貸金業協会の集計によると、2012年11月の消費者向けの無担保の貸出しが、前年同月比 9.8 %増の 2510億円 で、3カ月続けて前年同月を上回った。 」
という記事があったりします(朝日新聞デジタルの記事「消費者金融、底打ちの兆し 貸出額、2年ぶりの水準回復」参照)。
ですが、この記事にしても、
「貸金業業界に薄日が射してきたか?」との、貸金業の業界に関する観測記事でしかありません。
貸金業法改正の動きとは関係ありません。
やはり、参議院選挙が終わるまで、「死んだふり」というのが運動方針なのでしょう。
畳の上で死ねるのは 8 人に 1 人 [豆知識]
今朝、7時のNHKニュースで、
石川県穴水町の「地域見守りネットワーク」(?)のニュースを流していましたが、
ニュースの中で、
死亡場所が、自宅である人の割合が全体の 12.5 % 、
病院や診療所であるが 80 数 %
になると報じていました。
この数字の根拠は何なのかを調べてみましたところ、
厚労省の人口動態調査だということが分かりました。
平成24年9月6日に公表された 「平成23年(2011)人口動態統計(確定数)の概況」
から、
人口動態統計の詳細な結果はこちら(政府統計の総合窓口(e-Stat))へ飛んで、
5-6 死亡の場所別にみた年次別死亡数百分率
で確認をいただきますと分かることですが、
2011年 自宅 12.5
と書いてありますので、
自宅で亡くなった人が2011年(平成23年)は 全体の 12.5 %であることが確認できます。
NHKニュースは間違いありませんでした。
この「 5-6 死亡の場所別にみた年次別死亡数百分率」を使い、病院や診療所で亡くなった方と、自宅で亡くなった方の年次別推移をグラフ化してみると、
下のグラフのようになります。
昭和30年頃は、畳の上で亡くなる方は 全体の8割だったのが、
今では 1割強 (正確には 12.5 %で、8 人に 1 人)にまで減ってしまっています。
畳の上で亡くなるのも難しくなってしまったようですね。
PC遠隔捜査事件は起訴へ [速報]
東京地検は、PC遠隔捜査事件の片山祐輔容疑者を起訴する方針を固めたとのことです(NHK「遠隔操作 否認も“3事件関与”起訴へ」)。
片山容疑者は、先月2月10日に、イベントの威力業務妨害の疑いで逮捕された後、
今月3月3日に、別件のイベントへの威力業務妨害の疑いと、ハイジャック防止法違反の疑いで再逮捕されていました(今月4日のJcastニュース「片山容疑者、再逮捕 誤認逮捕の殺人予告で初立件」)。
(来週月曜日の25日にも) 勾留満期を迎えることになるので、東京地検も「起訴」と決断したのでしょう。
東京地検は、とこれまでの警視庁などの合同捜査本部による
「捜査で、3つの事件で使われた遠隔操作ウイルスがアメリカのサーバーで見つかり、勤め先の会社のパソコンから送られたことを示す情報が含まれていたことなどから、片山容疑者の関与が裏付けられた」
と見ているとのことです。
もちろん、片山容疑者は容疑について全面否認です(江川紹子さんの個人ニュース3月9日の「【PC遠隔操作事件】被疑者が述べた全てを公開」参照)。
警視庁は、片山容疑者を今月3日に再逮捕した際、威力業務妨害罪の容疑だけで再逮捕することが可能でした。
でも、実際は、ハイジャック防止法違反の容疑も一緒にして再逮捕しています。容疑が明かなので、二つまとめて逮捕し、事件処理を急いだとの見方も可能です。
他方、片山容疑者に対する報道は、少なくとも3月に入ってからは、ばったり途絶えていました。
捜査が困難なために、箝口令がひかれ、捜査機関のリークがないのではないかとも思われる状況が続いていました。
「ウイルスを送ったのは、片山容疑者しかいない」
との立証を検察官はすることになるわけですが、
「やれる」という判断なのでしょうが、どうなんでしょうか。
「 片山容疑者が犯人である確率は 99.99999 % 」と言った主張がされたりするんでしょうか。
「いつかは ゆかし」 [旬の話題]
「いつかは ゆかし」とは、
月5万円の積立で、老後の生活費として必要な1億円をつくることを目指す アブラハム・プライベートバンク株式会社が提供するサービス
のことです。
私は
「投資勧誘をするような話は全部、詐欺」
と極端な思い込みをしているので、
「いつかは ゆかし」なんかには関心など全くありませんでした。
そうしたところ、先月2月23日に、やまもといちろうBlogの中で、山本一郎氏が
というブログを掲載しました。
止せばよいのに、アブラハム・プライベートバンクが噛み付きました。
そして、山本氏にブログの記事の削除を求めました(アブラハム・プライベートバンクのプレスリリース「『いつかは ゆかし』に対する一部ブロガーによる悪質なデマに対して、被害届の提出を検討」参照)。
そんなことをすればタダではすみません。
今度は、山本氏がアブラハム・プライベートバンクに公開質問状を出し、3月14日までの回答を求めましたが、
アブラハム・プライベートバンクからは未だ、回答がなされていません(やまもといちろうBlog「「【謹告】アブラハム社から公開質問状に対する回答はなし」参照)。
アブラハム・プライベートバンク側からの回答を期待したいところですが、
期待できなさそうです。
既に、TKO されちゃてそうですから。