「法服の王国」
評判となっていた「法服の王国」(上)(下)(黒木亮 著) を やっと読みました。
今年読んだ本のなかで 1、2 を争う 面白さでした。
ディテールも しっかりしているので、取材をしっかりされているのだろうとは想像が付きましたが、黒木氏は この作品のために約500万円の取材費をかけているということです(週刊金曜日ニュース 2013年12月11日 「8割実務! 『法服の王国』の著者、黒木亮氏が語る原発裁判」) 。
黒木氏は、銀行を被告とする民事訴訟で、原告側証人として出廷して証言をした経験をもっているということで、その時の裁判官が、
法廷では居眠りし、銀行側の言い分を丸写ししたような判決を出しているのを実際に見聞したということだそうです。
なぜそんなデタラメがまかり通るのか、裁判官の世界がどうなっているか、一度徹底的に解明してみて小説にしたいと思われていたということです(e-hon インタビュー「『法服の王国 小説裁判官』上・下 の黒木 亮さん インタビュアー 石川淳志(映画監督)」)。
なるほど、こういう原体験があるからこそ 取材のレベルが高くなり、本の内容も 細部までこだわったものに仕上がっているというようです。
黒木氏は、週刊金曜日の取材で、「-ひどい裁判が出る理由は。」という質問に対し
裁判官の数が足らないことです。今の三倍ぐらいにならないと裁判がまともに回らないと思います。
と答えられていますが、どうなのでしょう。
私はインタビュー相手の方々の見解に多少、引き吊られてしまっているのではないかと思いました。