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横浜の傾斜マンションに関し是正勧告 [困惑]

三井不動産レジデンシャルと三井住友建設が 事業主と施工主 になっている、横浜市都筑区の大型マンション「パークシティー LaLa 横浜」のマンション傾斜問題に関し、横浜市が 両社に対して、昨日26日、 建築基準法に基づく是正勧告(行政指導)をしたということです(日本経済新聞 2016年8月26日「横浜市、三井不などに是正勧告  傾斜マンション巡り」)。
       
                         

両社とも、6月末の時点で、 震度 5強程度の地震で、複数の梁(はり)や柱にヒビが生じる可能性があることを自認していました(産経ニュース2016年6月30日「震度5強級で柱にヒビの恐れ」元請けが報告 横浜市が建築基準法違反の有無判断へ」)。

なので、「パークシティー LaLa  横浜」が、建築基準法の定める耐震基準を満たしていない箇所があるとして、横浜市が両社が建築基準法に適合した耐震基準を満たすよう求めたのは 当然と言えば当然です。

 

ただ、両社に勧告する段に至っても、「パークシティー LaLa 横浜」の杭打ちをした 旭化成建材から横浜市への 建築基準法第12条第5項に基づく報告がされずじまいです。

 

旭化成建材は横浜市から、データを改ざんした原因や、くいの施工不良に関する報告などの報告を求められていました。

もっとも、横浜市が、旭化成建材に対して、いつから報告を徴求していたのかその時期ははっきりしません。当初は、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設だけが報告を求めていただけで、旭化成建材は報告は求められていなかったのかもしれません(横浜市 建築・都市整備・道路委員会における建築局作成平成27年12月10日付「基礎ぐい工事問題に対する対応について」を読むと、旭化成建材は工事施工者でないと読め、昨年12月時点では旭化成建材には報告義務を課されていなかったかのように読めます) 。

 

今年6月30日の日経新聞の記事(「傾斜マンション『震度5強で損傷の恐れ』 横浜市に報告」)は、横浜市が旭化成建材に対しデータ改ざんの原因などに関する報告書を6月30日に提出するよう求めていたが、同社は「一部調査が未了だとして」提出を7月29日に延期をしたと報じています。、

なので、横浜市が、一定の時期に、旭化成建材に対し データ改ざんの原因などに関する報告を平成28年6月30日までにするよう求めていたことは間違いありません。

 

旭化成建材は、延期した7月29日の報告書の提出期限を 再度、8月26日まで延期しました。それだけげなく、8月26日の期限も再々度、9月30日まで延期すると横浜市に伝えてきたということです(産経ニュース2016年7月29日「旭化成建材が報告を再延期」、東京新聞2016年8月27日「横浜・都筑区の傾斜マンション問題  が業者に是正勧告」)。

 

    

私は「長さ14mの杭を どうやって地面に16m打ち込む」のかを知りたいと ずっと思っています(今年5月12日のブログ「14mの杭を 16m打ち込む」参照)。

旭化成建材がどのような内容の報告をするのか心待ちにしていますが、報告はいつになるのでしょう。


「弁護士の年収低下 新人は 5年前比 210万円減」 [困惑]

表題の記事が 8月9日の日経新聞に掲載されましたが、

「法務省の調査で 2015年の新人弁護士の平均年収は 568万円となり, 5年前の 10年に比べ 210万円減ったことがわかった。」 

そうです(日経新聞2016年8月9日「弁護士の年収低下 新人は 5年前比 210万円減」)。 

 

給与所得者の平均給与は415万円です(給与所得者の平均給与額415万円については国税庁HP「平成26年分 民間給与実態統計調査」参照)。

なので、この記事に目を通した人の多くは、「弁護士の新人の年収が下がったそうだが、給与所得者の平均年収よりも貰っていて、恵まれてるな」と思うことでしょう。

 

でも、本当にそのとおりなのでしょうか。 

記事の「2015年の新人弁護士の年収が568万円」の根拠が何んなのかを探してみたところ、法曹養成制度改革連絡協議会の平成28年7月8日開催された第4回協議会において、事務局が資料4-1として提出した「法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)[PDF]」がそれであることが分かりました。

1月以上も前の ネタ でした。   

 

この「法曹の収入・所得,奨学金等の集計結果」では、弁護士の収入・所得について、

53期から67期の弁護士を調査対象に、平成25年分から平成27年分の収入・所得を調査事項

とするした調査をしています。

 

日経の記事は、収入にだけ触れたもので、

(収入-必要経費)で計算される 弁護士の所得

の方は、どのような魂胆で触れないのかがわかりませんが、等閑視です。

 

仕方がないので、 

平成27年の所得が、1年目の弁護士、6年目の弁護士、11年目の弁護士、15年目の弁護士では、それぞれどのような所得分布を示しているかについて 集計結果12頁で整理されていましたので、それを整理しなおして見ました。 

結果は下表のとおりです。 

 弁護士の年収.jpg

数字から明かなことは、     

1年目の弁護士の所得の平均値は327万円、中央値は317万円。

1年目の弁護士の18 % は年収200万円未満。

11年目でも 19.6% が年収 400万円未満。

16年目でも 17.4% が年収 400万円未満。 

ということです。

 

 

(資料-集計結果12頁から引用) 

 1年目.png

   6年目.png

11年目.png

15年目.png