本当は 何人が労働基準監督官の業務をしているの ? [困惑]
(前回の続き)
労働基準監督年報で、労働基準監督監督署に配置された 労働基準監督官の定員の年毎の推移を整理できるはずだと思われたのではないでしょうか。それは私も同じでした。
さっそく、事務所近くの 愛知県図書館 で労働基準監督年報をチェックすることにしました。
下の 「労働基準監督官・定員(人)の推移」がその調査結果です(元データは末尾に掲載しておきました。)。
労働基準監督署配置の労働基準監督官と労働基準監督官全員の、それぞれの定員数 の年次推移をグラフは示していますが、数十年にわたり微増であったことが分かります。
グラフでは欠けが生じていますが、昭和31年(1956)から36年(1961)の6年分は、労働基準官の定員数 が掲載されていないためデータの集計ができませんでした。昭和63年(1988)から平成3年(1891)、平成6年(1894)から平成22年(2010)までの分の欠けは 愛知県図書館が労働基準監督年報を所蔵していないためでした。
調査未了なので完成させてからブログに載せようかとも思ったのですが、欠けた部分のデータがなくとも、定員の推移がどうであるかは一目です。知り得た知識を明らかにすることを優先することにしました。
時機をみて完成させたものを出したいとは思います。
労働基準監督年報の平成23年(2011)から平成27年の5年分は、厚労省がインターネット上で公表している労働基準監督年報のデータを使わさせてもらいました。
もちろん、労働基準監督官の定員数の漏れデータを、審議会等で厚労省が公表しているデータで補えなえるのではないかと考え、インターネット上で調べてみました。
そうしたところ、「労働基準監督業務について 《事務・事業説明資料》」という標題の厚労省が作成する資料を見つけました。
資料の2頁目では、労働基準監督業務に従事する 職員 (非常勤) を、
平成22年度(2010)が
本省 23人(うち非常勤 0人)
労働局 444人(うち非常勤54人)
監督署 2,474人(うち非常勤207人)
であるとしています。
今年3月16日付の厚労省労働基準監局が作成した「労働基準監督行政について」では、労働基準監督署配置の労働基準監督官について、
平成25年度(2013) 3,198人
平成26年度(2014) 3,207人
平成27年度(2015) 3,219人
平成28年度(2016) 3,241人
としていたはずです。労働基準監督署配置の労働基準監督官の数が 平成22年度(2010)と平成25年度(2013)では900人ほど、労働基準監督官の数が合いません。
(補足 … 労働基準監督官は非常勤職員ではないので、労働基準監督署において労働基準監督業務に従事している平成22年の職員数2,474人から非常勤の207人を引いた人数である 2,267人が労働基準監督官の上限であるはずです。その2,267人と平成25年度の3,198人では 931人の差異が生じていることになります。)
平成23年(2011)、平成24年(2012)の2年間で (労働基準監督署配置の労働基準監督官について) 900人の大幅増員がなされていれば、二つの資料の辻褄は合うことになるのですが、どうなのでしょう、
(下図は、厚労省労働基準監局が作成した平成29年3月16日付「労働基準監督行政について」本文1頁目と同省作成の「労働基準監督業務について 《事務・事業説明資料》」本文1頁目を対比させた図。)
幸いなことに、平成22年と平成25年のミッシングリングを埋める、平成23年(2011)と平成24年(2012)の、労働基準監督署に配置された定員数が労働基準監督年報に掲載されていることが分かりました。
平成23年労働基準監督年報(第64回)の 28頁には、平成23年度の
労働基準監督署 3,169 人
と、また、平成24年労働基準監督年報(第65回)の33頁には、平成24年度の
労働基準監督署 3,181人
と書いてあることが確認できました。
厚労省が作成した「労働基準監督業務について 《事務・事業説明資料》」本文1頁目の
平成22年度(2010)
本省 23人(うち非常勤 0人)
労働局 444人(うち非常勤54人)
監督署 2,474人(うち非常勤207人)
という労働基準監督業務に従事者の数字が、異質なものであることが一応は分かりました。
なぜ、このように 底の浅い、不整合なことを 言い続けていたのでしょうか。
また興味が湧いてしまいました。