「盗人猛々しい」は流石にないよね [感想]
よく確認をしないで人を誹謗してはいけないという話。
愛知県選挙管理委員会のリコール調査について、地方自治法245条の4を根拠にしていると、自信満々で何度も仰っている方がおみえになります(以下では、この方のことを「地方自治法245条の4に基づく調査です氏」と称することにします。)。
先に結論を述べておきますが、愛知県選管は、県下の市町村選管に、お願いをして調査をしてもらっているだけです。愛知県選管が市町村選管に対し、何らかの権利を有し、反面、市町村選管が県選管に義務を負う、(法令に基づいた)権利義務関係が県選管と市町村選管間の間に成立しているわけではありません。
県選管が、市町村選管にお願いすることについては法的根拠は不要です。お願いベースで、県選管は県下の市町村選管に調査を依頼し、その依頼に答えて、市町村選管は回答をしてあげているに過ぎません。
と言うことなので、「地方自治法245条に基づく調査です氏」の考えは、残念ながら、間違いです。
宇賀克也著「地方自治法【第8版】」(有斐閣)の「第9章 普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与等」(391頁以下)をよく読んで下さいとしか言えません。
第9章の一番のポイントは、
普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律またはこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国と道府県の関与を受け、または要するとされることはない
ということです(地方自治法245条の2参照)。
地方自治法245条の4 ですが、次の書きぶりの規定です。
記
「(技術的な助言及び勧告並びに資料の提出の要求)
第245条の4 各大臣(内閣府設置法第四条第三項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣又は国家行政組織法第五条第一項に規定する各省大臣をいう。以下本章、次章及び第十四章において同じ。)又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関は、その担任する事務に関し、普通地方公共団体に対し、普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、又は当該助言若しくは勧告をするため若しくは普通地方公共団体の事務の適正な処理に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。」
基礎的な理解を欠くため、「必要な資料の提出を求めることができる」などと書かれているため、この規定を県選管のリコール調査の根拠規定だと誤解されたのでしょうか。愛知県選管に電話で聞けば、簡単に分かることなのに、「地方自治法245条の4に基づく調査です氏」は、なぜ、愛知県選管に電話確認しなかったのでしょう。
それだけではありません、 同氏のツイートでは「要請者については名古屋市選管公開の文書でも明らかです。」などと を引用し、主張の権威付けもされています。 city.nagoya.jp/zaisei/page/00
「地方自治法245条の4に基づく調査です氏」が引用している名古屋市の、「補正予算(12月28日付専決処分)」ですが、市長が名古屋市選管のリコール調査費を専決処分で支出したことに関するものです。同氏はこの文書が、愛知県選管が地方自治法245条の4に基づきリコール調査をしていることを裏付ける文書であるとされている理由が分かりません。文書の中身を確認していないのでしょうか。
私は、愛知県選挙管理委員会に電話をして調査が、地方自治法等の法令に基づいてなされるものでないことを愛知県選管の職員の方から直接、電話により確認しています。加えて、愛知県選管のプレスリリースの写メ(下の写真)も入手しプレスリリースの内容も確認し、愛知県選管のリコールの調査が法令上の根拠を持たない、任意のものであることを確認していました。
プレスリリースには「任意の調査」と書いてあるんですけどね…。
「地方自治法245条に基づく調査です氏」は、なぜ自信満々な態度で、間違ったことを仰られているのでしょうか。
想像してみるに、
「絶大な信頼を置いているメンターのような人から、『私が発信することはできない。内容としては間違いない内容なので、私に代わって、あなたが発信してくれないか』とでも、思いっきり、空気を入れられ、絶大に信頼しているメンターのような人からの受け売りした内容を、間違いであるわけがないと信じ込み、裏取りもせずに発言されているのではないだろうか」
と思っています。
もし私の妄想が当たっているのであれば、人を見る目を養うところから始めないといませんね。結果として鉄砲玉のような役割をさせられているわけですから。
最後に、何を言うのも自由だと思われているのかもしれませんが、「盗人猛々しい」は流石にまずいと思います。高須先生に赦しを乞われるべきでしょう。