文化庁から届いた開示文書(謎は深まる) [検討]
文化庁に行政文書開示請求していた開示文書が届きました。
下の①、➁、➂の文書です。
記
① 「2019年度文化資源活用推進事業」への応募に当たり提出された「2019年度 文化資源活用推進事業 実施計画書」(収支予算書を含む)
➁ 愛知県から「平成31年度文化資源活用推進事業」に当初提出のあった交付申請書及び内部審査を経て補正の完了した交付申請書
➂ 「平成31年度文化資源活用事業費補助金(日本博を契機にする文化資源コンテンツ創成事業」の不交付決定について」の原義書
➁の1頁目の、愛知県を申請者とする 平成31年4月25日付け「平成31年度文化資源活用事業費補助金(日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業)交付申請書」には、補助金適正化法6条と文化資源活用事業費補助金(日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業)交付要綱第5条 の規定に基づくとあります。
幸いなことに、愛知県から 平成31年3月29日付け文化庁長官決定の「文化資源活用事業費補助金(日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業)国庫補助要綱」と「文化資源活用事業費補助金(日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業)交付要綱」を既に開示してもらっていましたので、早速、交付要綱の第5条の内容を確認してみました。
交付要綱の第5条には「補助金の額は、補助対象経費の2分の1を上限とする。‥」と書いてありますが、補助上限額が幾らであるかが要綱には記載がありません。
また交付要綱には申請期間の定める規定もありません。
①に関し、愛知県は文化庁に対し平成31年3月8日頃、「2019年度 文化資源活用推進事業 実施計画書(国際現代美術展開催事業)」の申請書を提出していることは、「2019年度 文化資源活用推進事業 実施計画書(国際現代美術展開催事業)の提出について」という伺い書が作成されていることからも間違いありません。
この①は、募集期間が「平成31年3月1日(金)から平成31年3月11日(月)(18時必着)」の「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化資源活用推進事業)」だということになるようです。
他方、➁は、①とは別物で、文化庁長官が平成31年3月29日に決定した「文化資源活用事業費補助金(日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業)交付要綱」に基づくものということになるようです。
しかし、愛知の「『あいちトリエンナーレ』における国際現代美術展開催事業 7829万円」が、①の事業実績として「 平成31年度文化資源活用推進事業採択一覧(86.2KB)」に掲載されているというのはどうしてなのか理解できません。
また、①の申請はどうなってしまったのか、別事業であるのであれば、採否はされているはずですがどうなってたのかがどうしても分かりません。
救済のために、要綱で➁の補助金制度を急遽作ったなんてことは妄想ですし。
深みに嵌まってしまったようで、これ以上は自力による解決は無理です。
ギブアップ、
ご存じの方、教えてください。知恵を授けてください。
(「2019年度文化資源活用事業費補助金 日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業 文化資源活用推進事業募集案内」6頁)
暦日の午後12時まで
昨年の愛知県知事の解職請求では 11月4日に署名簿が仮提出されました。署名収集期間満了日が10月25日で、その翌日から起算して10日以内に署名簿を仮提出をする必要があり、その10日目が11月4日だったからです(愛知県知事解職に関する直接請求事務資料7~8頁参照)。
では、11月4日の何時まで、署名簿を選管に仮提出可能であったのでしょうか?
市町村選管は、市役所や町村役場を執務場所としているわけだから、役所の開庁時間(午前8時30分から午後5時15分?)を執務事項としていて、署名簿の仮提出も午後5時15分までだと、てっきり思っていました。
多くの市町村選管では、署名簿仮提出者が午後5時15分以降もナンバリング作業を選管でしていたり、翌5日にもナンバリング作業していたりしていましたが、そのようなことが許されていたのは、仮提出自体は4日の開庁時間までに完了していて、提出された書類の補正作業をしているものとして、選管が許しているのだろうと思っていました。
そのように理解して納得していたところ、尾張旭市選管では午後11時頃、署名簿が持ち込まれ、その一部の署名簿が尾張旭市選管に仮提出されたなどと、私の理解とは整合しないことがなされていたことを述べている人がおり、疑問が生じました。
もしや、暦日の午後12時まで、仮提出は可能だったのではないか。
愛知県選挙管理委員会に、照会可能かを今週21日、照会文書の素案を作成送付して尋ねたところ、翌22日に、令和2年10月19日付け「愛知県知事解職に関する署名簿受付事務」という市町村選管宛の文書があり、その文章中に2ケ所、暦日の午後12時まで署名簿の仮提出に応ずるようにとの書かれているので、暦日の午後12時までですとの回答を口頭でいただきました。
正解は、暦日の午後12時まで可能だということです。
私を含め、多くの方が誤解されていたのではないかと思い、「愛知県知事解職に関する署名簿受付事務」を行政文書開示請求で入手する前に、急ぎ、ブログで触れることにしました。
とは言うものの、選管に持ち込んだ方らは、選管が受け付けるということを知っていたことになります。
また、同じように、KKRとは別に選管に持ち込まれ、仮提出された署名簿があるのかもしれないとの感想を持ちました。
調査費約2100万円は「20,909,223円」 [報告]
芸術監督が展示したいとの強い意向を持っていたと理解するのはおかしいですか [感想]
昭和天皇が燃やされている大浦信行氏の映像作品「遠近を抱えて PartⅡ」が、あいちトリエンナーレで展示されることとなった経緯について、あいちトリエンナーレのあり方検討委員会は2019年12月18日付け「『表現の不自由展・その後』に関する調査報告書」の中で比較的詳細に報告をしています。
抜き書きしますと、
・ 「遠近を抱えて PartⅡ」は、当時公開予定であった新作映画「遠近を抱えた女」から天皇の写真が燃えているシーンと従軍看護婦の女の子の前作の最後の方の登場シーンを抜き出し、2014年に公開した90分の映像作品「靖国・地霊・天皇」からイメージ部分の映像を重ね合わせて、20分にまとめたもの(56頁)。
・ 今回の不自由展では、かつて富山県立近代美術館の所蔵で「86富山の美術」に出品され、その後売却された4展を出品する予定だったが、スペースが狭いことから、前記、後記で2点ずつ展示される予定だった。2019年5月8日ミーテモングにて、不自由展実行委員会から、大浦氏が新作映像もセットで出品したいとの意向が示された。その後、不自由展実行委員会の小倉氏が、新作映像は「検閲」というコンセプトに合わないとの意見を大浦氏に伝えたところ、大浦氏は、検閲された作品としてではなく、芸術作品として鑑賞してほしいという考えを示し、いったん作品の辞退を申し出た(5月21日)。5月24日、芸術監督はDVDを入手。5月27日、芸術監督が大浦氏、不自由展実行委員会と会い、版画とセットの関係資料という位置づけで、最終的に出品することに合意した(69頁)。
・芸術監督が公表した「2019年8月15日(木)あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」に関するお詫びと報告」という文書に以下の説明があった。〔以下、該当部分を引用〕①「今年4月8日夜に行われた対談番組で、「表現の不自由展・その後」の企画説明をしているときに、いくつかの不適切な発言がありました。」(中略)「もう1つは、番組内で天皇制について東浩紀さんに聞かれたとき、「2代前じゃん」などと答えたことです。なぜこのように答えたのかというと、大浦さんの新作の映像作品では若き日の昭和天皇の肖像写真が燃えているところが写るのですが、まずこの元になった作品が「日本人としての自画像を表現するために昭和天皇をコラージュした作品」という説明を受けていたこと。また昭和天皇は今上天皇から見て2代前の天皇であるため、これを燃やす映像表現であっても、現在の日本の体制に対する反抗等には当たらないと受け止めていたからです。戦後生まれの僕にとって、天皇とは、敗戦によって元首の座を降り、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴となった以降の昭和天皇であり、上皇であり、今上天皇を指していました。大浦さんの作品に使われていた主権者としての昭和天皇は、僕にとっては、それ以前の天皇と同じように、歴史的、象徴的な存在だったのです。この点については、そうではない人々が抱く感情についてもっと想いを馳せるべきだったと反省しています。」(81~82頁)
下表は、検証委員会が別冊資料1として提出している「データ・図表」33頁にある「大浦信行『遠近を抱えて PartⅡ(新作映像)』の展示に至るまでの経緯・概要」と題する表です。
この表の方が、活字を読んで内容を理解していくよりも、経緯が一目ですね。
経緯は、
4/8 ニコニコ動画の対談 → 5/ 小倉氏,大浦氏へ意見
→ 5//21 大浦氏辞退申出→ 5/27 出品合意
だったということになります。
芸術監督は、検証委員会の(中間)報告の内容に関し「芸術監督からの意見」と題する意見書を提出して意見を述べいます。
ダウンロードしたPDFファイルを「大浦」でキーワード検索すると、9頁、12頁、25頁、26頁、参考資料1⑴添付資料➁の1頁目、参考資料1⑵の2頁目に「大浦」がヒットしますが、経緯の整理に誤りがあるとの芸術監督からの指摘はありません。
2019年4月8日のニコニコ動画での東浩紀氏とのトークでは「二代前の天皇が燃えてる」と言われていますが、出品が予定されてないかったはずなのに、どうしてそのようなトークをしているか、その説明を誰も何もしていません。
その点は措くとして、そのような経緯を経た上で、芸術監督が、大浦信行氏の作品展示をしたかったため「、映像を流してくれなければ展示しない」との大浦氏に譲歩したとの事実認定は 容易にできるのではないかと私は思います。
検証委員会の報告では、2019年4月11日に選任されたアシスタント・キュレーターがいるみたいなのですが(66頁「実務を担うアシスタント・キュレーター」)、この人物が報告書70頁に出てくる「展示を任されたアシスタント・キュレーター(愛知県美術館学芸員)」とは別の人物だろうと思われるのですが、どうすれば別人であることがはっきりすることができるのでしょう。
最後に、webDICEというサイトの骨子の眼が2019年8月24日に発信している「あいちトリエンナーレ津田大介監督インタビュー」というインタビュー記事がありますが、なかなか内容を読み解くことができません。
事件直後のインタビューで内容的にも極めて興味深いと思います。
予算執行額が約2000万円だったという単純なこと [感想]
愛知県選挙管理委員会が支出したリコール署名の調査費は、てっきり5200万円かと思っていました。
この調査費について、今朝の中日新聞の記事では、調査費は約2000万円であるとの書き振りでした(2021年6月11日「署名偽造『調査費、高須氏に請求を』 受任者の豊川市議、愛知県に要望へ」)。
倉橋市議も5000万円と言っていたはずなのに、どうしてなのだろうかと不思議に思っていた矢先、中日新聞の記者から電話をもらったので理由を聞きました。
理由は単純なことで、
予算5200万円だが、執行額は2000万円だった
ということでした。
愛知県選挙管理委員会には今年2月以降の委員会会議録を開示してもらっていましたが、会議録には調査費の執行額に関する報告は何も記載されていませんでした。
開示請求のため電話を入れて確認したところ、
「会議録には載っていない」ということなので、開示請求をすることにしました。
な~んだという下らない話。
40万×50円=2000万円なので、1筆の調査費用は50円ということか、ふ~ん。
(追加)
愛知県選挙管理委員会が愛知県警に対して地方自治法違反の告発状を提出した令和3年2月15日の翌日移行、開示請求日である同年5月13日までの間に、同会では4回の会議が開催されています。
開催日は
① 令和3年3月15日
➁ 令和3年3月29日
➂ 令和3年4月14日
④ 令和3年5月12日
でした。
見過ごせないな [感想]
昨日、民事訴訟の期日の後、司法記者室で
「リコールの会の署名の件で、個人情報が流出したり、代金が支払ってもらえないなどして、本当に困った人を救済するため、私は「全部責任をとる」と言っています。その考えは変わりません。お金目当てで理由のない請求をしてくる人に対しては、全面的に争います。」
と、被告本人のコメントを読み上げた。
ニュアンスを違えて報道してもらっては困るので、正確に報道してくれるよう、何度か念を押した。
昨日、訴訟を傍聴していた原告関係者のツイートを見つけた。
一人は、
夜勤明けから名古屋地方裁判所で高須らへの個人訴訟傍聴→集団訴訟弁護士(個人訴訟と同じ弁護士)と打ち合わせ→朝日新聞取材→CBC取材(明日放送予定)
もう一人は、
個人訴訟傍聴に朝、名古屋地方裁判所に。その後集団訴訟弁護士と打ち合わせ、昼から、〇〇〇とCBCへ集団訴訟の取材。 やります!集団訴訟。
とツイートしている。
報道機関が取材源を囲い込むため、寄り添った報道をしたのではないかとの疑念を持たざるをえない。
今後も、悪意、偏向報道が続くようであれば 先が思いやられる。
(追加)
午後0時56分に記す
報道番組「チャント」で訂正いただけるということになりました。
悪意、偏向報道は 私の妄想でした。悪口を言ってすみませんでした。
金額が合わないなんてことがあるとは [報告]
先月4月21日のブログ「あいトリの寄付金の大部分は『企業メセナ協議会』経由であった」で触れましたが、
あいちトリエンナーレ実行委員会への寄付の大部分が公益社団法人メセナ協議会からのものであることが、愛知県から開示を受けたあいちトリエンナーレ実行委員会の「寄付金収入勘定」の記載から判明しました。
今回は、いつ、いくらが振り込まれたか、日時、金額の明細を明らかにする文書の開示を求めました。
そうしたところ、領収証の控え 11枚 の全部開示を受けました(行政文書決定通知書)。
総勘定元帳の預金勘定を開示してもらえるものと思っていました。
不満を述べても仕方がないので、いただいたものを早速検討してみました。
前回エクセル表を作成していますので、さほど調査には手間取りませんでした(データは資料.xlsxを参照ください。)。
調査結果ですが、あいちトリエンナーレ実行委員会が、メセナ協議会から寄付金収入として計上している金額と、発行している領収証の金額が合いません。
下表はそのまとめです。あいちトリエンナーレが寄付金収入を計上している日と,その日において計上されているメセナ協議会からの寄付金収入額と、領収書上の領収金額の額面額を整理してあります。
7月5日は、領収証の金額の方が、同日に受け取ったとしている寄付金の収入額より金額が大きいのですが、それ以外の日では、領収証の金額が、最初の数回は収入金額の95%、その後は、きれいに97%となっています。
寄付金収入の金額と領収書の金額が合わないことに驚きました。
差額はどこに消えているのでしょう。
次は、メセナ協議会から振り込まれた預金口座の該当個所の開示請求をしてみようと思います。