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求刑せずに結審 [旬の話題]

薬物事件で、検察官が求刑しないまま結審になった事件が高松地裁であったということです(共同通信2016年2月25日「薬物事件、求刑せずに結審-高松地検、証拠請求却下で」)。 
   
記事には「求刑せずに結審した」と書かれていますが、求刑だけせずに、論告(事実および法律の適用について意見)はしていたのかは はっきりしません。 
     
 
 
第二百九十三条   証拠調が終つた後、検察官は、事実及び法律の適用について意見を陳述しなければならない。
   
2  被告人及び弁護人は、意見を陳述することができる。
 
と規定しているので、検察官には論告(求刑)をする義務があるようです。
     
 
こんな時にしか 条解刑事訴訟法(増補補訂版)(弘文社)(平成元年)など目を通すことなどありませんが、刑事訴訟法292条1項の該当箇所には、
 
   しかし、ここに義務であるというのは、国家機関である検察官の国法上の義務を訓示的に規定したものであって、訴訟法上の義務ではない。したがって陳述の機会を与えればたり、その機会に検察官が論告を行わないときは訴訟法上の権利放棄とみられ、現実に論告を聴かないで弁論を終結しても訴訟手続に何ら野の違法はない。
   
と書いてあります(514頁)。
 
   
訴訟法上は問題ないのは分かりますが、 
   
 
訓示的に規定された義務規定に違反しているだけなので、検察官には咎めはなしなのかな。
 
 
 

gacco [旬の話題]

 NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが昨年(2014年)4月から 「gacco」という名称のMOOCサイトを開講しています。この「gacco」ですが、「大学」講師陣による講義が「無料」で受講できるというのが売りということになるようです。

「gacco」の講義のレベルですが、講座一覧の講座の詳細説明を見れば分かることですが、いずれも本格的なもので、安かろう悪かろうということではありません。 

私も、e-Stat の使い方を講義してくれる 「統計Ⅰ:データ分析の基礎」など受講してみたいと思いました。

 

この「gacco」への講座提供者の中には、NTTの御威光なのか、日本政府も入っています。既に、第一段としてす、総務省統計局が社会人のためのデータサイエンス入門」を今年3月に開講しています。

統計局に続いて第二弾として、今月26日から「日本の宿を元気に! 無料オンライン講座 『旅館経営教室』」という講座を、観光庁が開講することになっています(SankeiBizの2015年4月22日企業リリース「観光庁が旅館・ホテルの経営改善に向けてオンライン講座『旅館経営教室』を『gacco』を通じ開講!」参照) 。

この「旅館経営教室」は、旅館・ホテルの経営に携わる人を念頭においたものだそうですが、一般の人でも受講は可能となっています。

受講者のうち終了条件をクリアすると修了証が授与されるということなので(但し、修了証はPDF形式のもの)、興味のある方は受講してもいいかもしれません。 

この観光庁が提供する「旅館経営教室」ですが、一般の人に対しても開かれた講座だという触れ込みですが、「gacco」のサイトからは アクセスできません。

本当は一般の人には受講してもらいたくないのではないかと勘繰ってしまいます。 


忘れられる権利 [旬の話題]

ブログ記事の削除要求を一度受けたことがあるので、

忘れられる権利」について 多少、関心を持っています。

 

この「忘れられる権利」ですが、

検索エンジンで「探されない権利」、

検索検索エンジンに対する削除請求権

のことで、

Googie とかの 検索エンジン を相手方とした権利(請求権)

であるとの理解がされています(情報通信研究所のHP「InfoCom Law Report」2014年11月12日掲載中島美香研究員のレポート「『忘れられる権利』判決後における最新の動向の紹介」の「4.まとめ」の箇所参照)。 

 

曖昧な理解をしていました。

正しい理解の下で、朝日新聞DIGITALの2014年11月14日の記事「名前検索される恐怖『忘れられる権利』判決で注目」を読んでみたところ、

何を言いたいのかよく分からなかった記事の内容も 

よく理解することができました。


労働基準法改正 [旬の話題]

予定されていたこととは言え、
  
ホワイトカラーエクゼンプション制度を導入する労働基準法改正案が通常国会に提出されることが決まったとのことです。
   
 
Google で、キーワード「改正労働基準法」としてニュース検索をしてみた結果が下のキャプチャー画面ですが、 
  
それを報ずる朝日新聞の記事 に先立つこと10時間前に、
  
読売新聞が
 
改正労働基準法では、使用者に年休の時季指定を義務付けられ、年休取得が促進されることになる
  
との記事を配信していることが分かります。 
 
なお、毎日、産経は蚊帳の外だったようです。
 
 
使用者に対する年休の時季指定を強制は、平成25年で 47.1% の年休取得率が どの程度上昇するかというだけの話です。
 
残業代ゼロとはインパクトが全く違っています、インパクトを緩和させるかような脇の話です。 
 
読売では、年休の時季指定の強制を記事にしていますが、メインの ホワイトカラーエクゼンプション については全く触れていません。 
      
      
 
新聞社を使った情報操作は、こんな形でやるんだと理解することができる一例ではないかと思いました。 
 
グーグル検索20150107「改正労働基準法」.jpg 
     

ミドリムシのクッキー [旬の話題]

本屋に平積みされていたので、何とはなしに、

ミドリムシ を原料とした ドリンクやクッキーなどの 機能性食品などを販売している

「ユーグレナ」という会社の

出雲充社長が書かれた「 僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。 」という本を読んでみました。

内容は、 

苦労の末、ミドリムシの培養を成功させたが、その成功の直後にライブドア事件に巻き込まれてしまい、倒産の危機を迎えたりしたが、その危機も仲間と一緒に乗り越えて、「ユーグレナ」を東証マザーズに上場させた

という、よくありげな 成功話です。

知りませんでしたが、

ミドリムシは動物と植物の両方の性質を持っているので、藻が備えていない、DHA などの栄養素を備え持っているので、

ミドリムシを大量培養ができれば、食料問題の解決策となるということだそうです。

そのミドリムシの大量培養を、「ユーグレナ」が世界で初めて成功させたということですので、

出雲氏や「ユーグレナ」には 日本発のバイオベンチャーとして、是非とも世界を相手にして頑張っていただいたと思います。 

YouTube で、出雲充氏の新規上場企業トップインタビューを見ることができますが、このインタビューを見ていただけば、

出雲氏がどれほどミドリムシに、強い思い入れを持たれているかが分かるかと思います。

私自身としては、本を読んでも、ミドリムシ事業の将来性に対し、それほど引き付けられませんでした。

でも、世間はそうではないんですね。

ユーグレナ(証券コード2931)の株価を見てみますと、今日(5月2日)の終値は 12,450円。

時価総額は、なんと、1702 億 85百万円ということになっています。

ユーグレナは今年3月末に株式分割(1株→5株)をしていますので、 

この分割の点を考慮してみますと、、1株あたり、

2012年12月21日の上場初日初値 738円

であった株価が、 12,450円 まで上昇していることになります。

4月余りで、

16.87 倍 

になったわけで、凄まじい人気ぶりです。

本(「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」) の発売日は、 昨年(2012年)の12月19日ということで、

12月21日のマザーズ上場に合わせた格好となっています。

本の出版が、「ユーグレナ」人気に火をつけたようですが、出雲社長の読み通りなのでしょうね。

 ユーグレナ株価.jpg

 上表はヤフーファイナンスから引用させていただきましたユーグレナの6か月間の日足チャートです。

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦

  • 作者: 出雲 充
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



「いつかは ゆかし」 [旬の話題]

いつかは  ゆかし」とは、

月5万円の積立で、老後の生活費として必要な1億円をつくることを目指す アブラハム・プライベートバンク株式会社が提供するサービス

のことです。  

 

私は

「投資勧誘をするような話は全部、詐欺」

と極端な思い込みをしているので、

「いつかは ゆかし」なんかには関心など全くありませんでした。

 

そうしたところ、先月2月23日に、やまもといちろうBlogの中で、山本一郎氏が

「アブラハム『いつかはゆかし』誇大広告の疑い」

というブログを掲載しました。

止せばよいのに、アブラハム・プライベートバンクが噛み付きました。

そして、山本氏にブログの記事の削除を求めました(アブラハム・プライベートバンクのプレスリリース「『いつかは ゆかし』に対する一部ブロガーによる悪質なデマに対して、被害届の提出を検討」参照)。

そんなことをすればタダではすみません。

今度は、山本氏がアブラハム・プライベートバンクに公開質問状を出し、3月14日までの回答を求めましたが、

アブラハム・プライベートバンクからは未だ、回答がなされていません(やまもといちろうBlog「「【謹告】アブラハム社から公開質問状に対する回答はなし」参照)

  

アブラハム・プライベートバンク側からの回答を期待したいところですが、 

期待できなさそうです。

既に、TKO されちゃてそうですから。




最高裁のホームページへの不正侵入 [旬の話題]

最高裁のホームページが、9月14日(金)の夜から翌週21日(金)の夕方まで、閲覧不能となっていました。

21日夕から、一応、ホームページは閲覧可能ですが、判例検索や、司法統計の閲覧は、まだ出来ない状態にあります。

理由は、トップページが勝手に、書き換えられたからでした(北大町村教授の14日のMatimulogの記事 「Court:最高裁のサイトが乗っ取られた!」参照)。

読売の記事(21日の「中国旗に改ざん被害、最高裁HP再開…7日ぶり」)によると、

最高裁は原因究明のため、サイト内の高裁・地裁・家裁も含む全てのページを閉鎖した

とのことです。

書き換えられたトップページを元に戻す、復旧作業をするだけなら、1 週間も時間がかかるわけはないはずです。

対策を講じていたのでしょう。

今回の件は、中国からの攻撃だったようですが、

最高裁のホームページは、約 3ヶ月前の 6月26日にも、アノニマスから DoS攻撃 と呼ばれる、攻撃を受けています。

(他者のブログ等の書き込み等をみると、最高裁のホームページはシステムダウンをしたようですが、新聞検索では確認できませんでした。)

    

この6月のアノニマスの攻撃は、違法ダウンロードの刑事罰規定を定めた、改正著作権法に対する抗議としてなされたものでした。

攻撃を受けたのは、民主党や自民党、最高裁、日本音楽著作権協会(JASRAC)のホームページ(HP)などでした(SankeiBizの6月28日の記事「 ハッカー集団『 アノニマス 』、警視庁本格捜査へ 政府機関など攻撃 」)

攻撃を受けた財務省と、国土交通省霞ケ浦河川事務所(茨城県)は、内部システムに不正侵入され、HPの内容をwl書き換えられたということです。

 

最高裁は、6月の攻撃では、攻撃はされたが、不正侵入までは許さずに済んだということになります。

 

この6月の際、最高裁は不正侵入への対策を講じただろうと思います。

1週間もホームページを閉鎖していたのは、

対策を講じたにもかかわらず、その直後に不正侵入をされてしまったためなのでしょうか。


事務所所長の弁護士が、法テラスに残業代を請求する訴訟を提起していた件 [旬の話題]

法テラスの事務所所長として勤務をしていた弁護士が、残業代の支払いを求め、法テラスを訴えていた訴訟で、一昨日(20日)、法テラス側が約60万円の和解金を支払うことで和解が成立したとのことです。

この訴訟を、読売新聞が今年4月24日に報じた際、

超過勤務手当など約109万円の支払いを求める訴訟を八戸簡裁に起こし(た)

と報じていました(今年4月24日のYOMIURI ONLINEの記事「残業代求め、法テラスを提訴…常勤弁護士」)。 

 

ですが、和解を報じた、昨日20日の読売新聞東京朝刊32頁の記事(「法テラス側が和解金」 (全172字))は、

超過勤務手当など約210万円の支払いいを求めた訴訟は20日、青森地裁八戸支部で和解が成立した。法テラス側が約60万円の和解金を支払うほか、常勤弁護士制度を改善することで合意した。

と報じています。

(なお、この21日の読売新聞の記事は、YOMIURI ONLINE では配信されていないようで、インターネット上では閲覧できません。)

 

2つの記事の内容を読み比べてみると、

4月の時点では、訴訟は八戸簡裁に提起されたとなっていたのに、昨日の記事では、八戸簡裁ではなく、青森地裁八戸支部で和解が成立したとなっている点

また、請求額が、4月の時点は、超過勤務手当約109万円となっていたのに、昨日の記事では約210万円が請求額であったかのような記事となっている点

で、記事の内容にズレが生じています。

どうして、記事の内容にズレが生じているのでしょうか。

訴訟の当事者に確認するのが間違いありませんが、そんなことは出来ません。

そこで、想像をしてみるしかない訳ですが、

想像するに、

八戸簡裁が、地裁に訴訟を移送する決定をしたため、訴訟の移送を受けた 青森地裁八戸支部 が審理をすることになった(民事訴訟法18条)

と、また、

原告が、請求の拡張をして、付加金(労基法114条)の支払いを請求に加えたため、

109万円×2倍 ≒ 約210万円の請求ということとなった

ということなのではないかと、私は思っています。

民事訴訟法

(簡易裁判所の裁量移送)

第18条  簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。

労働基準法

(付加金の支払) 

第114条  裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第三十九条第七項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から2年以内にしなければならない。

 

今回の訴訟での争点は、

法テラスの事務所所長であった勤務弁護士は、労基法の労働時間規制が適用除外とされることになる 「 管理監督者 」(労働基準法41条2号)に該当するか

となります。  

     

この管理監督者の認定ですが、

使用者側からみると、結構、

「ハードルが高い」

と言うことになっています(厚労省の「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」 参照)。

労働基準法

(労働時間等に関する規定の適用除外)

第41条  この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

 別表第一第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたも者

    
法テラスが和解したのも、そんな訳からなのでしょう。

郭汝霖の上奏文 [旬の話題]

石井望・長崎純心大准教授(漢文学)の調査によって、尖閣諸島のひとつである大正島(たいしょうとう)について、明から琉球王朝へ1561年に派遣された使節、郭汝霖(かく・じょりん)が皇帝に提出した上奏文に「琉球」と明記されていたことが分かったということだそうだ(17日の産経ニュース「明の上奏文に「尖閣は琉球」と明記 中国主張の根拠崩れる」)。

近時、中国の学者や軍人が、「沖縄も中国だ」と言っているのが、耳に入って来るようになった。

今回の郭汝霖の上奏文の存在も、黙殺されてしまうのであろうか。


元榮弁護士に対する懲戒請求 [旬の話題]

(2013年11月13日追記)

このブログに関しては、

元榮太一郎弁護士から、大﨑峰之弁護士を懲戒請求者、元榮太一郎弁護士を対象弁護士とする懲戒請求事件について、第二東京弁護士会綱紀委員会は平成25年8月27日に「対象弁護士について懲戒事由がないため、対象弁護士を懲戒委員会の審査に付さないことを相当とする。」との議決をした、

との情報提供をいただきましたので、その旨追記させていただいております。

 

 

横浜弁護士会の大崎峰之弁護士が、

弁護士ドットコムを運営するオーセンスグループ(株)の代表取締役である、元榮太一郎弁護士に対し懲戒請求をした

とのことです。

日本弁護士被害者連絡会会長さんの「弁護士と闘う !」ブログの14日の記事(「弁護士ドットコム運営の元榮太一郎弁護士(第二東京)に対して懲戒請求が出た 」)でそのことを知りました。

大崎峰之弁護士が、ご自身のブログ(「さぬきうどん 1 号のブログ」の10日の記事(「弁護士ドットコムって・・・ 17:15」))で、

元榮弁護士の所属弁護士会である東京第二弁護士会に、懲戒請求書を11日郵送で送ったと書かれており、送付した懲戒請求書の全文も載せられていることから懲戒請求は間違いないことのようです。

大崎弁護士がブログに掲載している懲戒請求書を読んでみますと、

懲戒を求める理由は、

元榮弁護士が代表取締役を務める、弁護士ドットコムの運営会社であるオーセンスグループ(株)が、 

  1.  弁護士本人の承諾なく、弁護士情報及び事務所情報をデータベースに登録したこと
  2. 日本弁護士連合会会員専用ページのデータを不正利用したこと

について、元榮弁護士が監督責任を果たしておらず、元榮弁護士には品位を欠く非行がある

ということのようです。

弁護士ドットコムについては、一方的にFAXを事務所に送りつけてくることについて、私も腹を立てていました(6月12日の「迷惑 FAX」参照)。

でも、代表者である元榮弁護士に対して懲戒請求を申し立てるなど、思いもよりませんでした。