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簡裁の指摘で発覚 [困惑]

逮捕状を無断で書き換えた 愛知県警半田署交通課の警部補と巡査長を、名古屋地検は 今月16日 起訴猶予としたそうです(朝日新聞デジタル平成28年11月21日「逮捕状書き換え容疑の警官2名、不起訴処分  名古屋地検」)。
     
 
 
「有印公文書変造・同行使でも、懲戒とはならないのか」と ただ、ただ驚いていたばかりでした(愛知県のHP「『懲戒処分の基準』について」参照)。
        
 
でも事件の端緒は、 「簡裁が修正に気づいて発覚」 ということです。
 
    
裁判所が発令済の逮捕状の記述内容を見る機会など、それが添付資料として提出された場合しか考えられません(日弁連「捜査段階で裁判所が関与する手続の記録の整備に関する意見書」参照)。 
 
    
よく気付いたと思いますが、 勾留請求の際に、裁判官が気付いたということになるようです。
     
 
警察官らは逮捕状の変造を検事にも黙っていたのか、あるいは、検事は知っていたのか、また、検事は気付かなかったのかなど 疑問は尽きません。 
        
   
警察官らが相当悪質であることは間違いなさそうです。
    
ですが、懲戒ではない内部処分は既に終わっているようなので、起訴猶予により 「これにて一件落着」となりそうですね。 
    
 

横浜の傾斜マンションに関し是正勧告 [困惑]

三井不動産レジデンシャルと三井住友建設が 事業主と施工主 になっている、横浜市都筑区の大型マンション「パークシティー LaLa 横浜」のマンション傾斜問題に関し、横浜市が 両社に対して、昨日26日、 建築基準法に基づく是正勧告(行政指導)をしたということです(日本経済新聞 2016年8月26日「横浜市、三井不などに是正勧告  傾斜マンション巡り」)。
       
                         

両社とも、6月末の時点で、 震度 5強程度の地震で、複数の梁(はり)や柱にヒビが生じる可能性があることを自認していました(産経ニュース2016年6月30日「震度5強級で柱にヒビの恐れ」元請けが報告 横浜市が建築基準法違反の有無判断へ」)。

なので、「パークシティー LaLa  横浜」が、建築基準法の定める耐震基準を満たしていない箇所があるとして、横浜市が両社が建築基準法に適合した耐震基準を満たすよう求めたのは 当然と言えば当然です。

 

ただ、両社に勧告する段に至っても、「パークシティー LaLa 横浜」の杭打ちをした 旭化成建材から横浜市への 建築基準法第12条第5項に基づく報告がされずじまいです。

 

旭化成建材は横浜市から、データを改ざんした原因や、くいの施工不良に関する報告などの報告を求められていました。

もっとも、横浜市が、旭化成建材に対して、いつから報告を徴求していたのかその時期ははっきりしません。当初は、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設だけが報告を求めていただけで、旭化成建材は報告は求められていなかったのかもしれません(横浜市 建築・都市整備・道路委員会における建築局作成平成27年12月10日付「基礎ぐい工事問題に対する対応について」を読むと、旭化成建材は工事施工者でないと読め、昨年12月時点では旭化成建材には報告義務を課されていなかったかのように読めます) 。

 

今年6月30日の日経新聞の記事(「傾斜マンション『震度5強で損傷の恐れ』 横浜市に報告」)は、横浜市が旭化成建材に対しデータ改ざんの原因などに関する報告書を6月30日に提出するよう求めていたが、同社は「一部調査が未了だとして」提出を7月29日に延期をしたと報じています。、

なので、横浜市が、一定の時期に、旭化成建材に対し データ改ざんの原因などに関する報告を平成28年6月30日までにするよう求めていたことは間違いありません。

 

旭化成建材は、延期した7月29日の報告書の提出期限を 再度、8月26日まで延期しました。それだけげなく、8月26日の期限も再々度、9月30日まで延期すると横浜市に伝えてきたということです(産経ニュース2016年7月29日「旭化成建材が報告を再延期」、東京新聞2016年8月27日「横浜・都筑区の傾斜マンション問題  が業者に是正勧告」)。

 

    

私は「長さ14mの杭を どうやって地面に16m打ち込む」のかを知りたいと ずっと思っています(今年5月12日のブログ「14mの杭を 16m打ち込む」参照)。

旭化成建材がどのような内容の報告をするのか心待ちにしていますが、報告はいつになるのでしょう。


「弁護士の年収低下 新人は 5年前比 210万円減」 [困惑]

表題の記事が 8月9日の日経新聞に掲載されましたが、

「法務省の調査で 2015年の新人弁護士の平均年収は 568万円となり, 5年前の 10年に比べ 210万円減ったことがわかった。」 

そうです(日経新聞2016年8月9日「弁護士の年収低下 新人は 5年前比 210万円減」)。 

 

給与所得者の平均給与は415万円です(給与所得者の平均給与額415万円については国税庁HP「平成26年分 民間給与実態統計調査」参照)。

なので、この記事に目を通した人の多くは、「弁護士の新人の年収が下がったそうだが、給与所得者の平均年収よりも貰っていて、恵まれてるな」と思うことでしょう。

 

でも、本当にそのとおりなのでしょうか。 

記事の「2015年の新人弁護士の年収が568万円」の根拠が何んなのかを探してみたところ、法曹養成制度改革連絡協議会の平成28年7月8日開催された第4回協議会において、事務局が資料4-1として提出した「法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)[PDF]」がそれであることが分かりました。

1月以上も前の ネタ でした。   

 

この「法曹の収入・所得,奨学金等の集計結果」では、弁護士の収入・所得について、

53期から67期の弁護士を調査対象に、平成25年分から平成27年分の収入・所得を調査事項

とするした調査をしています。

 

日経の記事は、収入にだけ触れたもので、

(収入-必要経費)で計算される 弁護士の所得

の方は、どのような魂胆で触れないのかがわかりませんが、等閑視です。

 

仕方がないので、 

平成27年の所得が、1年目の弁護士、6年目の弁護士、11年目の弁護士、15年目の弁護士では、それぞれどのような所得分布を示しているかについて 集計結果12頁で整理されていましたので、それを整理しなおして見ました。 

結果は下表のとおりです。 

 弁護士の年収.jpg

数字から明かなことは、     

1年目の弁護士の所得の平均値は327万円、中央値は317万円。

1年目の弁護士の18 % は年収200万円未満。

11年目でも 19.6% が年収 400万円未満。

16年目でも 17.4% が年収 400万円未満。 

ということです。

 

 

(資料-集計結果12頁から引用) 

 1年目.png

   6年目.png

11年目.png

15年目.png 

 


日本保釈支援協会が なぜ関与 ? [困惑]

先週17日に金融庁から、金融商品取引法違反の事実があったとして行政処分を受けた証券会社4社のうち、

野畑証券(岡崎市)と上光証券(札幌市)の2社については、メディカルケアインベストメント社のレセプト債の販売時の説明のほか、

合同会社プライオールという会社が発行する 「合同会社プライオール普通社債」(以下「プライオール債」と言う。) と呼ばれる私募社債の販売時の説明が誤解を与えるものであったことが指摘されています(「野畑証券株式会社に対する行政処分について」、「上光証券株式会社に対する行政処分について」各参照)。

この プライオール債の発行と、資金流通の経路は下図のようになります(同図は証券取引等監視委員会が2016年6月10日に発表した「野畑証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」中において「参考資料(PDF:93KB」の2枚目の「プライオール債関連事案の概要」と題したポンチ図をそのまま引用したものです。)。  

プライオール債.jpg

 

このプライオール債は、 

刑事被告人の保釈保証金の立替事業を行っている 一般社団法人日本保釈支援協会が設立した合同会社プライオールが発行した社債で、それを野畑証券と上光証券が顧客に販売していたということになります。

 

ところで、昨年9月の新聞報道によると、2014年(平成26年)における日本保釈支援協会の保釈保証金の立替えは、

 3,732件    72億1800万円

だったということで、保釈保証金の立替えは件数、金額とも伸びているとのことです(神戸新聞NEXT 2015年9月8日「被告保釈率25%に上昇 裁判員制度機に意識変化」)  。

プライオール債の発行は、保釈保証金の資金調達のためだったことになるようです。

 

 

「野畑証券に対する行政処分」では、


  •   合同会社プライオール(東京都中央区、以下「プライオール社」という。)は、一般社団法人日本保釈支援協会(東京都中央区、金融商品取引業の登録はない。以下「 JBSA 」という。)によって設立・運営されており、「合同会社プライオール普通社債」との名称の社債(以下「プライオール債」という。)を発行し、資金を調達している。
   
  • プライオール債 によって調達した資金は、JBSA が行っているとする「保釈保証金の立替」に充てるために、 JBSA に対して貸付けを行うとしている。

 

プライオール債の発行残高は、平成28年3月末現在、約 17億円となっており、そのうち当社が 約 11億円、上光証券株式会社が 約 6億円を販売している。

 

  • しかしながら、プライオール債 によって調達された資金については、JBSA からの請求に基づき プライオール社 からの資金の使途を限定することなく JBSA に貸付けが行われてており、実際に、 JBSA において、MCI社((株)メディケアインベストメント社のこと)の関連会社の社債引受け、プライオール社への出資等に用いられるなど、「保釈保証金の立替」以外の使途にも充てられていることが認められた。

 

との指摘がされています。

 

日本保釈支援協会がなぜ、プライオール債で調達した資金を使って、メディケアインベストメント社の関連会社の社債引受けをしたり、プライオール社への出資に使ったりしているのでしょう。

飛び火して、新たな問題となるかも知れません。   


三菱東京UFJ銀行の国債保有残高急減は、マイナス金利のせいか [困惑]

三菱東京UFJ銀行が 国債市場特別参加者資格を返上するそうです。返上の理由について日経には、日銀のマイナス金利政策のもとでは国債を持ち続ければ損失が発生しかねず、国債の買い入れについて株主の理解が得られないからであるかのようなことが書かれています(日本経済新聞2016年6月8日 「三菱UFJ銀行、国債離れ 入札の特別資格返上へ マイナス金利で損失懸念」)。   

 ? ? ?   

三東京UFJ銀行が国債保有残高を急減させていることと、日銀のマイナス金利導入とは直接は関係なさそうです。また、国債市場特別参加者資格返上も直接は関係なさそうな気がするのですが。

 

ネットて確認できるところとして、証券経済研究第89号(2015.3)の勝田佳裕氏著「バブル崩壊以降の国債累増・国債保有構造と国内銀行の国債保有」という論文中に、

都市銀行( ≒ メガ3行)の国債保有残高の年次推移(129頁、図表3)、三菱東京UFJ銀行の2006年度から2014年度までの国債保有残高の推移(134頁、図表4)、三菱東京UFJ銀行の保有国債の残存期間別残高についての2006年度から2013年度までの推移(135頁、図表5)

が掲載されています(下表は同論文の図表3、図表4、5の三菱東京UFJ銀行の部分を引用したものとなります。)。 

 

 都市銀行の国債保有残高.png

 

国債残高.png 

 

 保有期間.png

 

三菱東京UFJ銀行の国債保有残高は、2008年の20兆円から2009年の35兆円に急増後、2011年に43兆円まで増えていました。それを減らしていただけのことで、マイナス金利導入が直接の理由であったわけではないことは明らかなことです。

 

ちなみに、表からは 2014年度までの国債保有残高の状況しか分かりません。それ以降はどうなっているのかが気になるところですが、   

三菱東京UFJ銀行の有価証券報告書と半期報告書から 2015年以降の国債保有残高が確認できます。

それらからは、

      2014年9月末    33兆1943億82百万円     

      2015年3月末    28兆9558億92百万円 

      2015年9月末    24兆4244億04百万円

であったことが分かります。さらに減少させていることが分かります。

 

マイナス金利導入の発表は 今年(2016年)1月29日のことで、昨年(2015年)ではありません。

そんなことは分かっているはずなのに、マイナス金利に絡める記事に仕立て上げとは どういうことなのでしょうか。

 


コンビニATM不正引き出し、なぜ犯行状況の正確な発表がないのか [困惑]

先月15日に、セブンイレブンなどのATMから現金が不正に引出された件で、警視庁が今日、東京都荒川区で引出した容疑者1人を逮捕したということだそうです(NHK NEWS WEB 2016年6月6日「ATM不正引出しの疑いで男1人逮捕」) 。
 
   
今回のATM不正引出しは、
   
南アフリカの銀行が発行したクレジットカードのカード情報が不正使用され、クレジットカードのキャッシングとして、17都道府県の、セブンイレブンやファミリーマートなどの ATMから多額の現金が引き出された
     
ということになります。
         
被害総額は、事件当初は 14億円と報道されていましたが、読売新聞が 「20億不正引き出し」と報じたりするため 混乱しますが、引き出された金額は、
   
  セブンイレブンに設置されたセブン銀行の ATM から  14億4000万円
    
  ファミリーマートに設置された ゆうちょ銀行のATM から 約2000万円
     
  ファミリーマートほかに設置された イーネットのATM から 4億円以上
    
ということで、18億6000万円が被害総額ということになります(朝日新聞DIGITAL2016年「ATM不正引き出し、首都圏に集中  ファミマでも被害」 YOMIURI ONLINE 2016年6月2日「ゆうちょ銀行などのATMも被害… 不正引き出し」、NHK NEWSWEB 2016年6月1日不正引き出し 別コンビニのATMでも4億円余被害」)。
   
分かっていながら、なぜ読売は「20億円」などどいう表現するのでしょう。
   
被害額が上積みされることを予告しているのでしょうか。ありえない話ではなさそうです。
    
     
   
今回の件では、17都道府県で被害が発生したということですが、朝日新聞の記事によれば、
    
被害総額18億8000万円のうち、
 
東京都内       約5億8000万円
    
神奈川県内    約4億3000万円
 
埼玉県内       約2億円
 
千葉県内       約2億円
   
だということです。 
     
東京都、神奈川、埼玉、千葉で 計14億1000万円なので、
 
それら1都3県の被害額が 被害総額に占める割合は 77.4% です。 
                     
   
事件から半月経って、調査の結果「わかった」というような情報ではないでしょうに。
   
 
ATMの不正引き出しは、1回の引出し金額を10万円から5万円に引き下げるということばかり報じられていますが、同じことが起きた際に、被害額が半分になるというだけのことです。
   
1つのカードで 70万円を下ろしたりしていますが、キャッシングの貸出枠 はないのでしょうか。疑問点はいろいろあります。
 
そのうち全容は明かになるはずです。何を隠す必要があるのでしょう。
 
     

自民党本部職員は 土日休み? [困惑]

今月2日の閣議で、参議院議員選挙は 22日公示、来月7月10日投票と決定されました(NHK NEWS WEB2016年6月2日「参院選 今月22日公示 来月10日投票を閣議決定」、首相官邸HP「平成28年6月2日(木)繰上げ閣議案件」)。

閣議前に、参議院選挙の公約を発表していた政党はありませんでしたが、閣議翌日の3日に、自民党が 与野党トップを切って公約を発表したということです(NHK NEWS WEB 2016年6月3日「自民 参議院選挙公約『アベノミクスをフル稼働』」)。

 

民進党は、自民の公約に対するコメントを出したそうですが、公約自体の発表は遅れているようです(民進党HP 2016年「【コメント】自由民主党の『参議院選挙公約2016』に対する」、産経ニュース2016年6月3日「コメント  民進・山尾志桜里政調会長 自民党参院選公約に異例の『コメント』発表」)。 

先月4日のブログ(「7月の参議院の選挙公約」)で、民進党のマニュフェスト原案が判明したと毎日新聞がゴールデンウィーク前の4月28日に報じたことに触れましたが、自民党に出遅れたようです(毎日新聞2016年4月28日「参院選: 民進、格差是正を強調  公約原案」参照)。

民進党と野党統一候補を擁立することとなった、日本共産党も 選挙公約の発表が遅れていようです(日本共産党HP「日本共産党の政策」参照)。 

 

民進党と日本共産党では、野党統一候補を擁立することとなったため、両党間の政策の摺り合わせをせざるを得ず、それに手間取っているということなのでしょうか。

自民党は、参議院選挙の選挙公約を 先週3日(金)に公表したと新聞テレビで報じていますが、選挙公約を 自民党の広報媒体である同党のホームページで閲覧できないというのは、国民軽視と言われてもやむを得ないのではないでしょうか。 

職員が週休二日なので「月曜日まで待って」ということでもないでしょうに。


震災便乗犯罪 [困惑]

週刊モーニングに連載されている、2016年6月9日号掲載の「ギャングース」(漫画 肥谷圭介、ストーリー共同制作 鈴木大介)♯ 136."安達の影を掴め!(前編)"では、

2011年3月11日の東日本大震災の際の 震災便乗犯罪 の発生状況について次のような描き方をしています。

 

「東日本大震災のあと 驚くほど多くの便乗犯罪が現地で多発した 

  3・11から1週間は混乱に乗じた窃盗が多発

遺体からの貴重品窃盗や車上荒らしだけではなく 警備機能を失ったショッピングモール

燃料不足で路上に放置された重機

一般家庭からのガソリン・灯油

小中学校の倉庫や工事現場の発発などがターゲットにされた

※発発 = 発動発電機のこと。

  震災発生後1週間~2週間  組織化された窃盗団が津波被災地や原発事故の避難地域にまで入り込む

 

福島入りした窃盗団は 東京電力発行の暫定通行許可証を偽造 道具屋が高値で販売

また多くの水没車両のナンバープレートやホイールが盗み出された

ATMや店舗レジが窃盗の被害を受け  放射性物質をデトックスすると騙る健康食品や浄水器などの悪質訪問販売も始まる

  3月末ごろ

 

被災地内陸部を中心に「震災で医療機器に使う金やプラチナが欠乏している」という押し買いが発生

現地の闇金業者の債権を関東の闇金業者が買い取り取立て代行開始

道路のガレキ除去が進んだ結果 家屋からの貴重品盗が発生

ボランティアを偽装した窃盗犯も出現

関東でも計画停電にともなって解除されるオートロックマンションを狙った侵入盗が発生

  4月~5月  窃盗は徐々に収束したが……

 

悪徳中古車販売が増加  盗難車の販売

偽造車検証だけ渡して車を渡さない手付け金詐欺が横行

被災地車両のナンバープレートが高額で売れ出す

各地の行方不明者をまとめた名簿が流通し 行方不明者の家族に「架空債務」の取り立て詐欺が組織的に展開される

ソーラーパネルのある家を狙って「重量物が屋根の上にあると耐震性が低い」と謳う工事詐欺も多発

そして5月-

 

マンガなしで 文字だけ追って読み続けるのは多少つらかったかも知れません。読まれた感想はいかがでしたでしょうか。

私は 「こんなことが本当に起きていたのか」と思いました。

起きていたとしても不思議ではありません。

 

組織化されて実行された 18億円のクレジット詐欺のことを思うと、起きていたのではないかと思ってしまいます。    

NAVERのまとめ記事を読んでみると、知りませんでしたが当時、いろいろなことが起きていたことが分かりました。

したし、すべてが本当だということなら、ルポ本の一冊ぐらい出版されていてもおかしくありませんが、そのような本が出版され話題にはなっていません。

 

半信半疑というのが心境ですが、本当のところどうなのでしょう。       

 


覚せい剤の再犯率、40代は 72% ?? [困惑]

清原和博氏(48)の覚せい剤取締法違反被告事件の東京地裁の先月31日の判決の内容は、懲役2年6月、執行猶予4年の判決でしたが、

産経ニュースでは清原氏の再犯を危ぶみ、その論拠として、

警察庁の統計によると、覚醒剤の再犯率は平成19年(2007年)以降、9年連続で増加しており、平成27年(2015年)は 64.8 %。 年齢が上がるほど再犯率は高まり、20代未満は 16 %、20代は 36 %、30代は 58 %だが、40代で 72 %、50代以上で 83% に上がっている。

と、警察庁統計が年齢が高まるほど覚せい剤事犯の再犯率は高くなっていることを挙げています(産経ニュース2016年6月1日「再犯率高い薬物、覚醒剤…  『自分の寿命が来るまで戦いたい』誓った清原被告」 )。

 

ところで、産経ニュースが記事で引用する、警察庁の統計とは、警察庁刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課が平成28年3月5日発表した「平成27年における薬物・銃器情勢 確定値」中の、5頁の「表1-5 覚醒剤事犯の再犯者率」のことであろうと思われます。

と言うのは、「5-1 覚醒剤事犯の再犯者率」の表を下にそのまま引用しておきましたが、同表の示す 平成27年における再犯者率、年齢別再犯者率は、

再犯者率 (%)          64.8 %

  年齢別

    20歳未満           16.0 %

    20~29歳          36.0 %

    30~39歳          57.9 %

    40~49歳          72.2 %

    50歳以上           83.1 %  

というもので、産経ニュースの「覚醒剤の再犯率」と ほぼ同一だからです。

 

覚せい剤再犯者率.png 

 

しかし、警察庁薬物銃器対策課の「表1-5  覚醒剤事犯の再犯者率」は、

「再犯者率」についてのもので、「再犯率」についてのものではありません。 記事は「再犯者率」を「再犯率」に すり替え、読者の理解を誤らせるものとなっています。


 

「再犯者率」と「再犯率」の違いを説明しないといけないようなことは思ってもいませんでしたが、荻原チキ、浜井浩著「新・犯罪論」で 浜井教授は、両者の違いについて、

「‥‥ 再犯者率 と 再犯率 と勘違いして、 再犯者率の上昇を さも 再犯率が悪化しているかのように報道してしまうのです。 再犯者率と再犯率は まったくの別物です。

再犯者率は 検挙人員に占める再犯者、つまり検挙歴のある人の割合にすぎません。

再犯者自体は減っていても 再犯者率は上昇します。‥‥」

との説明をされています(同書48頁)。

 

例えて言えば「再犯者率」は、覚せい剤で検挙された40歳代の人を 檻に100人集めたとして、再犯者率72%だというのは、そのうちの72人が検挙歴がある人だ、ということ。

「再犯率」の方は、

再犯率72%と言うのは、100人中、72人が再び、覚せい剤で検挙される

とことを言い表しています。

 

「再犯者率」と「再犯率」は、まったくの別物です。 

 警察庁薬物銃器対策課の資料では、覚せい剤の 再犯率については 何も触れていないのに、

「再犯率」と謝った表現をするのは いかなることを意図しているのでしょうか。それとも単なる誤解なのでしょうか。

 


新・犯罪論 ―「犯罪減少社会」でこれからすべきこと

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  • 作者: 荻上チキ
  • 出版社/メーカー: 現代人文社
  • 発売日: 2015/10/28
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諏訪大社の宮司を告発 [困惑]

今月5日、諏訪大社上社の境内に立てられた「御柱」に登っていた氏子の男性の命綱が外れ、高さ15メートルの木の上部から転落死する事故が起きましたが、その死亡事故について 弁護士2名が 長野県警諏訪署に 諏訪大社の宮司を業務上過失致死容疑とする告発状を提出したということです(信毎web2016年5月27日「御柱祭の氏子転落事故  業過致死容疑で宮司を告発」、J-castニュース2016年5月27日「諏訪訪大社『御柱祭』で転落死は『宮司の犯罪』? 弁護士『告発』に賛否」、)。
    
信濃毎日新聞の記事によると、
                                    
「告発状では、北島宮司は御柱祭で人の死傷の可能性が完全に除去されない限り、所有する土地を氏子らに使わせない、などの措置を講じ、死傷を防止する注意義務を負う―と主張。これを怠り、事故が起きたとした。
     
前回2010年の御柱祭でも死傷者が出たことから、安全第一で御柱祭を行うことや、命綱を徹底することを指示したとしても不十分で、注意義務を尽くしたとは言えないとしている。」
 

ということです。 

 

今回の事故は、命綱を掛ける場所を誤った場所に掛けていたことが原因で起きた事故であったことのようです(YouTubeにNHKニュースが2016年5月14日公開した「御柱祭で転落死 本来と異なる場所に命綱掛けたか」参照)。

建て御柱 は 諏訪大社というよりも、 総代会が実質的には仕切っているようです(信毎web2016年5月10日「御柱祭、時間短縮  上社の事故受け対策会議  下社里曳く」参照)。   

宮司には、死傷の可能性が完全に除去されない限り、所有する土地を氏子らに使わせないなどの措置を講じる義務があるというのは、どうなのでしょうか。

 

事故は、境内での建て御柱 でのものでしたが、木落とし の事故では 誰が告発されるのでしょうか。