クレジット会社の融資商品に、カードローンというものがありますがご存じでしょうか。
クレジット会社ごとに呼び名が異なったりしていますが、例えば、(クレディセゾンが吸収合併した)UCカードの場合ですと、「キャッシング(リボ払い)」というのが、それになります。
このカードローンの利息計算は、サラ金の場合のように、簡単には計算できません。
例えば、元金定額返済方式を返済方法として選択した場合、「1万円+前回の返済日の翌日から今回の返済日までの日割りで計算した利息」を合計した金額を支払うというようになっています(UCカード会員規約第29条(キャッシングサービスの利率等)第3項 参照)。
そのため、サラ金の借入であれば、エクセルで簡単に充当計算書を作って、借入金の状況をシュミレーションすることが可能なのですが、カードローンの場合にはそれが出来ません。
私なんかは、借入れの充当計算が複雑で、それが障壁となっていたことから、クレジット会社は、サラ金のような目に合わずに済んだのだろうとすら思っています。
そうしたところ、本当に最近になってのことだと思いますが、大手のクレジットカード会社が、インターネット上で、返済シュミレーションを試すことが出来るようにしました。
金融庁の指導によるのでしょうか ?
返済シュミレーションが出来るようになったのは、UCカードも同じで、「キャッシング(リボ払い)シュミレーション」で、UCカードのカードローンであるキャッシング(リボ払い)の返済シュミレーションが出来ます。
私も昨日、6月23日に10万円を年利18%の利率で、キャッシング(リボ払い)で借りたとして、毎月1万円の元金定額返済方式で返済したとすると、毎月いくら返済し、その返済が何時まで続くのかをシュミレーションしてみました。
その結果を要約したものが、左図となります。
10万円を年利18%の利率で、キャッシング(リボ払い)で借りると、10回の返済となり、支払い総額は10万8951円となり、そのうち利息分が8,951円になるということになります。
返済の明細は下図のとおりです。
これは便利ですね。
あっ、ここで閃きました。
この返済シュミレーションは、
クレジット会社が「利息(実質年率) 18%」と主張している貸付利率が、実は、年率18%ではなく、年率18%を超過した利率であること
を証明するツールとなりうることに気付いちゃいました。
シュミレーション結果の正確性は、ソフトを開発しているクレジット会社自体が保証してくれます。
そのシュミレーションソフトに結果として表示された借入金の返済の明細どおりに、何時、幾ら、返済したかをサラ金用の充当計算書に入力をします。
その結果が過払いとなっているのであれば、それはクレジット会社が年利18%と主張していようと、それは利息制限法1条1項に定められている制限利率を超過していることになります。
これは論理的帰結です。
クレジット会社に協力してもらって、そのことを ハッキリ、クッキリ させることが出来るわけです。
これは楽ちんです。
実際、私も、返済明細に記載された日に、記載された金額を返済したとして、その充当計算の結果がどうなっているかをエクセルで作表していました。下図がそれとなります。
やはり、過払いとなりました。
このシュミレーションソフトは、クレジット会社の防御網を無力化させる上で、蟻の一穴となりうる インパクト を秘めているのではないかと私なんかは考えてしまいます。
(補足)
確認をしてみましたところ、今年は閏年ですので1年は366日となりますが、UCカードのシュミレーションは1年を365日として利息計算をしています。
他方、私の充当計算書は、閏年を考慮したものとなっています。
そのため、UCカードのシュミレーションとの間で利息額の計算上、誤差が生じていることになります。
ですが、その誤差を修正したとしても、やはり、過払いとの結論には変わりませんでした。
(修正方法としては、UCカードのシュミレーションで、閏年である今年は1年を366日として利息計算をしてみる方法と、私の充当計算書において、閏年を考慮せずに1年を365日で利息計算をしてみる方法がありますが、前者の場合ですと過払い額は57円、後者の場合ですと過払い額は59円となり、いずれも過払いとなりました。)。
したがって、UCカードの利息年18%が、利息制限法の制限利率18%を超過したものであることは間違いないことになります。