今朝たまたま、NHKニュースを点けたら、

被災3県の人口14万人余減少

というニュースを報じていました。

東日本大震災直前の平成23年3月1日と、先月(平成26年)8月1日の県民人口を比較すると、

福島は8万6799人減少、

岩手は4万1474人減少、

宮城は1万9104人減少、

しているというもので、 

これらの3県における人口減少が震災復興を進める上で課題となっているニュアンスのものでした。

 

震災の影響により、福島、宮城、岩手では県民人口が流出しているかのような報じ方がされていましたが、  

福島の県民人口の推移は下図のとおりです(福島県企画調整部統計課作成「福島県の推計人口平成25年度版」7頁参照)。

震災前でも 毎年1万人程度、人口が減少していました。

次に岩手県ですが、下図のとおりです(岩手県のホームページ「岩手県の毎月人口推計(平成25年版)」から引用。)。 

岩手も 毎年1万人強の人口減少が続いていました。

東日本大震災前後で、きれいな直線は変わりません。

震災の影響による人口減少を表からは窺うことができません。

 

 

残る、宮城県ですが、宮城の県民人口の推移は下表のとおりです(宮城県震災復興部・企画部統計課作成「平成25年10月1日宮城県推計人口(年報)」2頁から引用)。

震災前後で、多少の凹みが見られますが、おおむね変わらずです。

 

NHKの東日本震災による県民人口が減少しているかのような報じ方については、ちょっとミスリードではないかとの気がします。 

 

 


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