今朝7時のNHKニュースで、協議離婚の際、市町村区に提出する離婚届には、4月から面会交渉と養育費の支払いに関する記入事項が加えられることとなった、と報じていました。

このNHKのニュースでは、離婚が20年で1.6倍になったとか、養育費の支払いが19%しかなされていないとか、新しい離婚届の面会交流や養育費の支払いにの欄が未記入でも離婚届は受理されることになるとか報じていました。

ですが、どうして離婚届の記入欄の様式が変更されることになったのかについては触れていませんでした。

この離婚届の様式の変更は、昨年の民法の改正で、目玉であった親権の停止などの規定とともに、「協議離婚するときは、親権だけでなく、面会交渉(=面接交渉)と養育費を決めてから離婚しなさい」と民法766条1項が改正されたことを受けてのものです。

(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)

  民法766条

1項   父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他交流子の監護に要する費用の分担その他子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

2項  前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。

この民法改正で、協議離婚の際には、面会交流と養育費について協議しなさいということになったわけでが、
 

面会交流の取り決めが出来ていないからと言って離婚できないわけでありません。
 

また、養育費についての取り決めが出来ないからと言って離婚できないわけでもありません。
 

じぁ、面会交流と養育費を協議せよとする規定の改正はどういう意味があるの?
 

ということになるわけですが、

 

敢えて言うならば、「協議離婚をする夫婦には、法律上、親権だけでなく、面会交流と養育費について協議する義務があることを明確にした」

という意味があるということになるんでしょうか。

 

でも、協議しなくても協議離婚できてしまうわけで、この改正によって、面会交流が図られることになるとか、養育費が支払われるようになるとかの実際の効果が生ずるとかを期待することはできないでしょう。

 

余談となりますが、私は3月初旬に、4月1日から使われることになる離婚届けの用紙のコピーを知り合いの弁護士からいもらいました。

 コピーが汚かったので、少しすれば、法務省のホームページから入手可能だろうと思って捨ててしまいました。

今日、法務省のホームページを確認していましたが、新しい様式の離婚届のひな型や記入例はアップされていません。
 

4月1日は明日なので、全国の市町村区には用紙は当然行き渡っていると思いますが、法務省には広報するつもりがないんでしょうか。