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山水電気の民事再生

 東京証券取引所第1部に上場する山水電気が、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、昨日(2日)、受理されたという経済ニュースが今朝ほど流れました。

山水電気の負債総額は約2億4765万円(昨年末時点)で、従業員は現在5人だったということです。

バブル崩壊による販売不振やデジタル化の波に乗り遅れ、音響機器製造は平成11年(1999年)頃に事実上撤退。

平成13年(01年)から香港の投資会社であるグランデ・グループ傘下に入って経営再建を目指していたが、その投資会社が昨年5月に倒産し、資金調達のめどが立たなくなったのが申立ての理由であるということだそうです。

山水電気は5月3日付で上場廃止になるということです。

東京証券取引所のホームページの「東証上場会社情報サービス」から検索した山水電気の株価は下図のとおりです。

山水電気株価.jpg

民事再生法の申請が受理された翌日の今日の株価は1円ですが、

元々、山水電気の株価はここ数年、5円と1円の間を行ったり来たりでした。

なぜ、「こんな従業員が5名しかおらず、株価が10円もしない会社が、東証1部に上場していたのだろう」と不思議に思われませんですか ?

その理由は「マネーゲームの道具として使いたいために、会社を生かしたい人がいるため」ということになります。

まず、東証1部に上場する企業数は1683社 と有限です。そのため、東証1部上場企業というだけで、まず、ブランド力があると言えます。

次に、この山水電気の発行済株式総数は約13億6300万株。

山水電気の株価が1円なら時価総額は13億6300万円。ですが、株価が10円になれば時価総額は136億円に膨れ上がります。

仮に、山水電気株1億株を1円で取得した人がいたとすると、株価が10円の時に株を売れば9億円儲けることが可能です。

山水電気の株価を人為的に株価を上げることが出来れば、濡れ手に粟で儲けることが出来るわけで、山水電気の株はその手づるとなるわけです。

仕手筋の方にとって、こんな山水電気の株式も使いようがあるわけです。

(ちなみに、仕手株とは、仕手と呼ばれる、人為的に作った相場で短期間に大きな利益を得ることを目的に、公開市場で大量に投機的売買を行う者ら、が利用する投機的な取引の対象となりやすい株式のことを言います。)

民事再生になってしまえば、山水電気は上場廃止になってしまうため、仕手には使えないことになってしまいます。

「山水電気を生かして仕手相場に利用したい」と名乗りを上げるスポンサーとなる人がいなかったということになります。

たぶん、仕手筋は弱っているんですね。

多少、経済の流れが代わって来ているのかもしれません。

仕手に関心のある方は、昨年亡くなった西田晴夫が関与した仕手株のアレンジをした元証券マンの松本弘樹氏の著書「共生者」がここ10年余りの間の仕手筋の動きを詳細にトレースしているので、同書を読まれたらよいと思います。

共生者 株式市場の黒幕とヤクザマネー

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  • 作者: 松本弘樹
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/10/09
  • メディア: 単行本


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