裁判の秘密 [読書]
経済学サク分かり [読書]
江戸の貧民 [読書]
「タレント」の時代 [読書]
「富の源泉は、製造業に限らず、サービス業においても、設計情報と、設計情報を造り出すノウハウにこそある。
新しいものをつくりだす 非定型的知識労働(創造的知識労働)にこそ高い賃金が支払われるべきで、そのような人材を育成していかなければならない」
士業が提供する転写型知識労働は、創造的知識労働とは違い、経済的付加価値を生み出すわけではないので、賃金相場も年収400~600万円であろう。転写型知識労働の賃金は、高止まっているので、将来的には アウトソースが進み、 コスト削減やリストラの対象となっていくであろう
となります。
簡単な法律相談ならネットで調べられるという現実からすると、
テクノロジーによる自動化(=デジタル化)が、それだけで価値を持っていたはずの、「専門知識の提供」というスキルを陳腐化した(ないし陳腐化している過程にある)こと
は間違いないところなのでしょう。
「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)
- 作者: 酒井 崇男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/19
- メディア: 新書
ストライキは年間二桁しかないんだ [読書]
古川琢也氏著「ブラック企業完全対策マニュアル」(晋遊舎新書)を読んでいたところ、
ストライキ等の争議件数を題材にしたコラムが載っていました(同書134~136頁)。
コラムの内容は、厚労省公表の「平成23年労働争議統計調査の概要」に解説を加えたものとなっています。
この統計が採り始められたのは1957年(昭32年)ということで、
1974年(昭49年)の 9581 件 がピーク、
以後、件数は減少し続け、直近の1911年(平23年)では 57件 に過ぎなかったということです。
ストライキ(やサボタージュ等の争議行為)の件数が、これほどまで ガタ減りしているとは全く知りませんでした。
参考になりました。
(上表は「附表 総争議、争議行為を伴う争議、半日以上の同盟罷業、半日未満の同盟罷業の件数の推移」のデータから「争議行為を伴う争議」の件数の推移を作表したもの。)
「2 争議行為を伴う争議の状況」には、57件の「争議行為を伴う争議」の参加人数が 8,604 人 とされていますので、
争議行為の規模も 大々的なものではなく、こじんまりしたものであったことになるようです。
古川琢也氏は、「セブン-イレブンの正体」という 大変すばらしいルポを書かれているので、今回の「ブラック企業完全対策マニュアル」にも期待をしていたのですが、
残念ながら、今野晴貴氏の「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」の二番煎じの内容でした。
嘘吐き [読書]
文書の前後から、「嘘吐き」と書いて、
「うそつき」
と読むのかなということは何となく分かりました。
恥ずかしいことですが、実は、全く知りませんでした。
私は、「嘘つき」の「つき」に漢字を当てるのなら、
「付き」って漢字を当てるんだろうなというレベルでした。
「吐き」が正解ですが、意外な感じがします。
皆さんは、「嘘吐き」、ご存じでしたでしょうか。
時事通信社出身の室谷克実氏著の「悪韓論」の中には、
この単語が、これでもか、これでもか、というほど出てきます。
本には、「本当なの?」と、結構、驚きのお隣の国の事情が詳細に書かれています。
前著は過去に触れたものでしたが、今度は今現在のことです。
論述されている内容には、全て、朝鮮日報、中央日報等の新聞記事を引用して、その論拠を示されています。
ですので、書かれている内容は、大げさに誇張されているのかもしれませんが、
データの裏付けもあるようですので、
嘘ではなく、多分、本当のことなのでしょう。
それなりに勉強になりました。
本書のことを、「(私を含めた一般の人が、) 日頃、見聞きする機会がないデータを、
コンパクトにまとめたデータ集」と考えて見れば、
類書はないようですので、大変参考になるだけでなく、貴重ではないかと思います。
無人島に生きる十六人 [読書]
「無人島に生きる十六人」という本がおもしろいと聞いたので、
グーグルで検索してみました。
一番上に表示された
Amazon.co.jp: 無人島に生きる十六人 (新潮文庫): 須川 邦彦: 本
をクリックして本の内容の品定めです。
アマゾンのカスタマーレビュー欄の評価者は 53人、星は 4.6 。
カスタマーレビューを読んでも、ほとんどベタ褒めです。
間違いなさそうなので、早速、注文をしようと思って、初めて気付きました。
新潮文庫の文庫本 なんですね。
新潮文庫の活字のサイズは
9.25ポイント
ということですが(「ほぼ日刊イトイ新聞」の「新潮文庫編集部のM」著「新潮文庫のささやかな秘密」の記事中の「第五回 読みやすさにもワザがあります。」参照)。
視力が低下してきた私には 行間が狭い、文庫本は、心情的に、ちょっと辛い感じがするんですよね。
そんなわけで、単行本が出ていないか調べてみましたが、
出ていないようです。
この「無人島に生きる十六人」。パブリック・ドメイン ということで、
無料のキンドル版が出ていることが分かりました。
この機会に、キンドルで、画面の ピンチアウト をしてみようと思います。
工学部ヒラノ教授の事件ファイル [読書]
オペレーションズ・リサーチを専門とされる東工大名誉教授今野浩先生の「工学部ヒラノ教授の事件ファイル」を読み終えました。
昨今、不正論文が172本とされる東邦大学准教授の論文捏造、京大教授の研究費横領 、あるいは、「媚びない人生」というベストセラー本の著者であるジョンキム慶応大学准教授の経歴詐称など、
耳目を引く、「大学発」の事件が、続けざまに起きている感があるところです。
それ以外にも、報道されることに至ることはめったにありませんが、アカハラ(アカデミックハラスメンイト)という大学特有の問題も存在します。
「工学部ヒラノ教授の事件ファイル」は、これら大学内で発生する問題について、問題が発生する背景ないし理由を、実例を交えて包み隠すことなく解説しています。
そのため、これらの問題を深く理解する上で、大変参考となるのではないかと思います。
ウナギの不思議 [読書]
ウナギ(ニホンウナギ)は淡水魚だと思っている人が多いと思いますが、ウナギはグアム島の西側沖のマリアナ海嶺まで数千キロを回遊し、産卵をしていることをご存じでしたでしょうか。
ニホン ウナギの産卵場は平成21年(2009年)5月の調査で、天然卵と親ウナギが発見されて、産卵場所が世界で初めて特定されたというホットな話題です。
今日は、 「ウナギ 大回遊の謎」という本のお薦めです。
「ウナギ 大回遊の謎」 は、親ウナギが太平洋の大海原で産卵する瞬間を追い求めた、東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授のウナギの産卵場調査の冒険の記録ですが、読みごたえ十分です。
私のお知り合いの社長さんに、ウナギの卸業を秋山さんという方がおみえです。
そのため、何となくウナギのことが会話にのぼることが、ままあり、ウナギのことが昨年ころから何となく気になってきました。
昨年は、たまたま本屋で見つけた、熱帯ウナギの「ラビアータ」種を捕獲するためにアフリカのタンザニアに出かけた、「塚本研」の二人の研究者の珍道中を描いた「アフリカにょろり旅」という単行本を読んで、ワハハ、ワハハとお茶を濁していましたが、
今回、御本尊である塚本先生の「ウナギ 大回遊の謎」を読むことができました。
大満足です。
次は、 アマゾンの書評で、ベタ褒めされている「旅するウナギ- 1億年の時空をこえて」でも読んでみようかしらん。
でも、3990円はちょっと高いんだよなぁ。
オリンパスの闇と闘い続けて [読書]
上司の不正を内部通報した報復として、度重なる配転とパワハラの制裁を受けていた、オリンパスの浜田正晴さんが書いた「オリンパスの闇と闘い続けて」(光文社、4月18日発売)を読みましたが、会社の子どもじみた、いじめの酷さに、読んでいて心底、腹が立ちました。
浜田さんに露骨なパワハラをしていた上司は、会社の業務命令でやっているという意識でいじめをしているので、悪いことをしているという意識は、もしかしたなら、これっぽっちもないかもしれません。
これが組織の怖いところです。
自分が浜田さんと同じような目にあわされたら、浜田さんのように5年も我慢などできないでしょう。
浜田さんにしろ、30年耐えてきたトナミ運輸の串岡さんにしろ、本当にすごい忍耐力だなと思います。
でも、浜田さんも、串岡さんも、会社の横暴に対し何も反抗しなかったために、会社の対応が徐々にエスカレートしていったという面があるのではないかとも思いました。
なぜ、早い段階で、弁護士なりに相談し、手を打たれなかったのかと思いました。
もし、最初の配転の際に、浜田さんが代理人の弁護士を立て、配転に異議を述べられていたのであれば、オリンパスは浜田さんに対し、露骨な嫌がらせ(配転や上司によるパワハラ)は抑制させたのではないでしょうか。
2度目の配転も、また、3度目の配転も、それに、上司による浜田さんへのパワハラも、それ以降、起きることはなかったのではなかと思います。
浜田さんとしては「そのうち会社も自分のことを理解してくれる」という会社への信頼の気持ちを持ち続けてみえたが故に、会社のJ横暴に耐えてみえたのでしょうが、悲しいですね。
浜田さんは裁判の経過をブログに書いてみえます。裁判の経緯についてご関心のある方は浜田さんのブログを見て下さい(「オリンパス現役社員のブログ『公益通報者が守られる社会を!ネットワーク』)。