後出しの方が得か? [報告]
障害者雇用の水増し問題に関し、 昨年(平成29年)6月1日現在における障害者の雇用状況の再調査の結果が公表されました(平成30年2月28日開催の第1回「公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議」 資料1「国の行政機関における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況の再点検結果について」、朝日新聞デジタル2018年8月29日「障害者雇用、実際は半数 国27機関、3460人水増し 中央省庁再調査」)。
厚労省が 昨年(平成29年)12月12日に「平成29年 障害者雇用状況の集計結果」において公表していた、民間企業、国、地方公共団体等の、平成29年6月1日現在における障害者の雇用状況の集計したもののうちの、国の行政機関分について、再調査した結果を公表したものです。
下図は「平成29年 障害者雇用状況の集計結果」の「集計結果の詳細(全体版)(PDF:4,271KB」の27頁目を加工した図です。
立法機関、司法機関も、障害者を雇用していますが、水増しの有無については、立法機関は立法機関が、裁判機関は裁判機関が、個別に公表をすることになるようです。三権分立だからですか。
時事通信が「参院事務局と国立国会図書館は28日の参院議院運営委員会理事会で、障害者雇用の水増しがあったことを報告した。参院事務局は2017年に16.5人、国会図書館は17、18両年度にそれぞれ10人の水増しがあったことを明らかにした。(中略) 参院事務局の担当者らは『厚生労働省のガイドラインを拡大解釈してしまった』と陳謝。与野党の理事からは『すみません、では済まない問題だ』などと批判が相次いだ。」と報じています(時事ドットコム2018年8月28日「参院、国会図書館でも水増し=障害者雇用問題」)。
禊ぎがすんだことにして、行政機関での障害者雇用の水増しを弾劾するというのは天に唾するような気がしないでもないです。
〈 障害者の数/法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数 ≧ 2.3%〉
障害者雇用の水増しの手口には ① 障害者の数の誤魔化し、②職員数の誤魔化しの2つの方法があることになりますが、②の職員数の誤魔化しの方ばかり報じられているような気がします。
算定の基礎となる職員数を減らせば、同じ障害者の数であれば、法定雇用率は上がることになります。
職員数を何%減らして、法定雇用率が充足されたかのような処理をしているか、整理をしてみました。下表がそれです。
ランキングですが、
1位 環境省 28.9%
(2,775.0人のところ1,974.0人と申告)
2位 文部科学省 24.9%
(2,816.0人のところ2,116.0人と申告)
3位 林野庁 17.5%
(4,821.5人のところ3,979.0人と申告)
4位 特許庁 13.3%
(3,207.0人のところ2,781.0人と申告)
5位 林野庁 9.2%
(434.0人のところ394.0人と申告)
という結果になりました。国税庁、法務省は1.5%、0.3%で、ランキング外でした。
こっちの誤魔化しの方が、悪質のような気がしましたがどんなものなのでしょうか。
2018-08-29 17:37
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コメント(1)
共同通信が「裁判所でも障害者水増し」と題した記事(「最高裁が全国の裁判所の雇用状況を調べた結果、障害者数を水増ししたケースのあったことが29日、関係者への取材で分かった。既に厚生労働省に報告しているという。」)を、本日(29日)午前11時52分に配信していることを知りましたが、これで公表は終わりにするつもりなのでしょうか ? https://this.kiji.is/407367507125961825
by tomo-law (2018-08-29 18:20)