勾留質問 [はてな?]
今朝のボ2ネタ[ボ2]の最初の見出しは、「 ■[司法]千葉地裁の勾留質問で「あり得ないミス」 書記官ではなく事務官を立ち会わせる 検察庁はやむなく被疑者七名釈放 千葉地裁は現在に至っても事実を公表せず http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120613-00000011-mai-soci 」となっていました。
この千葉地裁のニュースは、毎日新聞がスクープした、
刑事訴訟法上、裁判所書記官が立ち会わなければならない勾留質問に、千葉地裁の裁判官が今月2日に、書記官ではない事務官を立ち会わせるというミスを犯した。
地裁から手続きミスの連絡を受けた千葉地検は6日にいったん全員を釈放し、5人を再逮捕する事態になった。
千葉地裁は12日現在、ミスを公表していない。
という、裁判所の不祥事に関する記事ではありますが、
記事を読んだ私は、毎日新聞が報じていないであろう「ある事実」が気になってしようがありませんでした。
午後になっても、私の気掛かりに応えてくれる後追い記事が出てこないため、やきもきしていました。
そうしたところ、やっと、夕方になり、私の疑問に多少は応えてくれる、東京新聞の記事( 「送検の7容疑者釈放 千葉地裁 書記官不在、手続きミス」)が配信されてきました。
この東京新聞の記事によりますと、
地裁によると、刑事訴訟規則では、裁判官による勾留質問には書記官が立ち会うように定められている。
しかし、今回は事務官一人が同席し、勾留質問調書を作成していた。
地裁は五日、関係書類の確認中に手続きの不備に気づ(いた)
ということだそうで、勾留質問調書が作成されているということです。
私が気掛かりになっていた「ある事実」とは、
(1) 勾留質問調書は作成されているのか、
(2) 勾留質問調書が作成されていたとして、誰を作成名義人とした調書となっているのか、
という二つの事実でした。
私は、
(1)は、「勾留質問調書が作成されていないとすれば、あるべき調書が存在しないということで、すぐに不正が露顕してしまうことになるであろうから、勾留質問調書は作成されている」、
(2)は、「現存する他の書記官の名前を借用して勾留質問調書は作成されている」
との予想を立てていましたが、
東京新聞の記事から、(1)の勾留質問調書の作成の事実は明らかとなりましたが、(2)の勾留質問調書が誰を作成名義人として作成されているのかが明確にはなりませんでした。
今回の事務官の勾留質問の立会の件は、勾留質問調書までが作成されているということであるのであれば、
単に裁判所内部での懲戒等の処分で済まないかもしれません。
なぜなら、最悪の場合としては、有印公文書偽造罪ないし虚偽公文書作成罪に該当する犯罪が行われていた可能性もあるわけです。
報道機関には、今回の千葉の件は、うやむやにすることなく、しっかりと報じていただきたいと思います。
上図は、勾留質問調書の書式例ですが、文書の作成名義人は「裁判所書記官」となります。
(補足)
刑事訴訟規則39条1項は、勾留質問に立ち会った裁判所書記官が勾留質問調書を作成すると規定し、同条2項では、調書への記載事項を定めています。
そのため、勾留質問に立ち会った裁判所書記官が存在しない今回の千葉地裁の件で、勾留質問調書が存在するということは刑事訴訟規則の規定からはありえないことで、調書の偽造が疑われるわけです。
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