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建築士免許証の偽造 [旬の話題]

国土交通省は、昨日、資格を持たない3人が1級建築士の免許証を偽造し、建築士になりすまして働いていたことを公表しました(国土交通省住宅局建築指導課「偽造免許証の写しによる非建築士の違法業務等について」)。

住宅新報社が提供するYahooニュースによりますと、一級建築士の免許偽造が発覚した事例は今回が初めてだということだそうです。

事例は、三重県の個人建築士事務所の代表者、大阪府の大手建築士事務所の社員、新潟県の大手ハウスメーカーグループ会社の社員の3件です。

手口は、3件とも、正式に存在する一級建築士免許証の登録番号を利用し、氏名と生年月日を自分のものに偽造したというものです。

47Newsによると、大阪府の1名は偽造を認めているが、三重県と新潟県の2名は偽造を否定しているとのことです(「3府県で建築士免許偽造 国交省、全国調査へ」)。

国土交通省住宅局建築指導課は「偽造免許証の写しによる非建築士の違法業務等について」において、三重県と大阪府と新潟県の3名の方の氏名・生年月日を公表するとともに、発覚の経緯も詳細に明らかにしています。

ですが、報道では、朝日新聞だけが、大阪府の方については実名報道をしているだけで(朝日新聞関西版「所属の有名設計事務所で「室長」 1級建築士免許証偽造」)、他紙等はすべて匿名です。

また、三重県と新潟県の2名の方は全部、匿名報道です。 偽造を否認しているということが理由なのでしょうか。

今回の国交省の発表した、一級建築士の免許証を偽造した3つの事例について、発覚の時期、発覚した理由を基準にして整理をしてみました。

その結果は、

三重県の事例は平成23年3月で、建築行政共用データベースから、

大阪府の事例は平成24年5月で、建築行政共用データベースから、

新潟県の事例は平成24年4月で、免許証の写しの番号の確認から、

ということになります。

三重県と大阪府は、偽造の発覚に、建築行政共用データベースが力を発揮したというのようです。

ところで、この「建築行政共用データベース」とは、一体何なのかですが、「建築士、建築士事務所等の登録情報及び住宅・建築物のストック情報等に関するデータベースのことを言うようで、

データベースの一部となっている「建築士・建築士事務所閲覧登録システム」が、建築士と建築士事務所の登録閲覧をするためのシステムとなっているようです。

この「建築士・建築士事務所閲覧登録システム」ですが、

将来的には、全ての都道府県と都道府県ごとの建築士協会と建築士事務所協会を結ぶものとして構築されているようですが、

現時点では導入は完了していないようです。

とは言え、現時点で完成していないと言っても、ほとんどの都道府県と、建築士協会と建築士事務所協会には登録閲覧システム導入が済んでいる状態にあります。

もちろん、新潟県の場合も、新潟県も、新潟県建築士事務所協会も、「建築士・建築士事務所閲覧登録システム」の導入を昨年9月の時点で済ませています(「導入庁一覧」参照)。

新潟県の事例では、発覚の経緯について「新潟県建築士事務所協会が免許証の写しの登録番号を確認したところ、別人であることが分かった」と述べられいますが、

新潟県建築士事務所協会としては、一級建築士の登録番号は「建築士・建築士事務所閲覧登録システム」によって初めて確認が可能になるわけです。

そのため、新潟県の事例も、三重県と大阪府の事例と同様、建築行政共用データベースによって免許証の偽造を見破ることが出来たと言えるのではないかと思います。


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