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カモリスト [調査]

悪徳商法で騙されたことがある被害者の名簿のことを「カモリスト」と呼んでいます(Weblio 辞書の「カモリスト」参照)。  

この「カモリスト」という言葉は、「消費者被害」、「詐欺」という言葉と、極めて親和性が高いと言えるわけですので、

それらの言葉とは無縁な生活を送ってみえる一般の人にとっては、

聞いたこともない、一種の専門用語みたいなものです。

       

そんなはずなのに、 

別々の機会に会った二人の知人(いずれも、非弁護士)が二人とも、

「カモリスト」 という言葉を、さも知ってて当然かのように、使っていて驚きました。  

私は、知人の話に合いの手を入れながら、

「お前、何で、そんな言葉、知ってんだ 」 、

「俺が知らないだけで、最近、よく使われるようになったんだろうか」、

など思いを巡らせながら話を聞いていました。

そんなわけで、「カモリスト」という言葉に関心が湧いてきました。

手っとり早く調べるには、新聞・雑誌記事横断検索が便利です。

まず、そもそも、この「カモリスト」という言葉、いつ頃から使われるようになったのでしょうか。

検索期間を選択してみて調べてみました。

その調査結果ですが、「カモリスト」が記事の中で最初に使われたのは、

平成12年(2000年)1月22日の長崎新聞の「資格講座で強引な電話勧誘」という記事の中ででした。

ちなみに、この長崎新聞の記事は、

資格講座を一度契約した人が複数の業者に何度も勧誘されたり、強引に契約させられる二次被害が県内で広がっている。

…、県消費生活センターは「契約者名義がいわゆる『カモリスト』として業者間で流通している」と指摘する。…

というもので、

当時は、資格商法の被害者が掲載された名簿のことを「カモリスト」と呼んでいたことが分かります。

12年前から「カモリスト」という言葉が使われてたというのは意外でした。

私は、せいぜい、5、6年ぐらい前から、使われるようになったんだろうと思っていました。

次に、この「カモリスト」が、新聞や、雑誌の記事の中で、何回、使われているのか調べてみました。

下表がその結果です。

下表は、2000年(平成12年)から、2012年(平成24)まで、各年毎に、何件の記事で「カモリスト」が使われたのかを、新聞・雑誌記事横断検索の全ての情報源(117ファイル161紙誌)、全国紙(朝日・読売・毎日・産経)、朝日新聞という3つの区切りで整理をしたものとなります。

12年間の間で、「カモリスト」という言葉が使われた記事は、朝日新聞の場合だと 8 件、新聞・雑誌記事横断検索の全てを前提としても 61 件しかないことになります。 

「カモリスト」の掲載回数.jpg

「カモリスト」という言葉は、たまにしか新聞や雑誌で取り上げられていません。

また、最近になって、新聞や雑誌で、取り上げられるようになってきているという傾向も見受けられません。

では、二人の知人は、なぜ、「カモリスト」を知ってたんでしょう。

新聞・雑誌記事横断検索では、「カモリスト」は今年(2012年)では2件がヒットしますが、

このうちの1件は、NHKの9月13日の ニュースウオッチ9の中で放映された

カモリスト”を使った執拗な手口

という3分弱の特集です。

内容は、

10年前に訪問販売業者が自宅を訪れ、50万円する羽毛布団を購入した女性のもとには、次々と業者が訪れた。

女性は浄水器など数十万円の契約を繰り返した。

最後には自宅が狙われ相場より低い金額で売却された。

元布団販売業者は、騙されたほうが悪いと語った。

というものだったようです。

裏はまだ取れていませんが、間違いないでしょう。

知人二人はこの番組を見て、「カモリスト」という言葉に強いインパクトを受けたのでしょう。

だから、「カモリスト」と連呼していたのでしょう。

さすが、TVの伝播力です。 

「カモリスト」に載ってしまうような人にこそ、このニュースウオッチ9の特集を見てもらいたいと思います。


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