検挙人員等の統計的数値 [調査]
昨日のブログの内容の流れで、
精神障害者等(精神障害者及び精神障害の疑いのある者)の方が、
殺人と放火で、毎年、何人検挙されているのかを調べてみました。
殺人と、放火について調べてみたのは、
この二つの罪名での精神障害者等の方の検挙人員総数の全検挙人員総数に占めている比率が、際立って高いことに関心を持ったからです。
昨日のブロクで述べましたが、平成23年度では、殺人では 14.3%、放火では 22.4% という比率でした。
下表は、平成元年以降における、殺人と放火の各罪名で検挙された精神障害者等の方の人員数を整理したものとなりますが、
平成2年版以降の 犯罪白書 の「精神障害者等の犯罪の動向」から数値を拾って作表したものです。
精神障害者等の方の毎年の検挙人員数は、 殺人では 97人から156人の範囲に、
また、放火では 93人から138人の範囲に、収まる結果でした。
平均すると、精神障害者等の方は、毎年、殺人で127人、放火で 113人 検挙されていることになります。
当然、検挙に見合った数の被害者の方が存在するわけで、考えてみると、結構、怖い話です。
(なお、平成9年版と平成12年版の犯罪白書では、「精神障害者等の犯罪の動向」の項目がありませんでした。そのため、その前年となる平成8年と平成11年についてはデータを見つけることができず、空欄となっています。)
ついでに殺人と放火の検挙人員総数に占める精神障害者等の方の比率についても、確認的に調べてみました。
それが下表です。
殺人は、7.0% から 14.3%までで、平均すると 10%程度、
放火は、11.2% から22.4%までで、平均すると15%程度で、
いずれも高率だということが分かります。
平成23年度の殺人の14.3%、放火の22.4% が一番、高率だったことにはなりますが、異常値であったわけではありません。
殺人や放火では、毎年、同程度の人数の精神障害者等の方が検挙されていて、減少傾向は見受けられません。
間違いなのかも知れませんが、効果的な予防施策が採られていないからではないかと不安を覚えてしまいます。
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