閏年に関する法令上の規定 [豆知識]
明治三十一年勅令第九十号(閏年ニ関スル件)(明治三十一年五月十一日勅令第九十号)神武天皇即位紀元年数ノ四ヲ以テ整除シ得ヘキ年ヲ閏年トス但シ紀元年数ヨリ六百六十ヲ減シテ百ヲ以テ整除シ得ヘキモノノ中更ニ四ヲ以テ商ヲ整除シ得サル年ハ平年トス
というものが出てきます。やはり、この明治31年勅令第90号が 閏年の定めに関する現行法 であるようです。
ところでここに出てくる、「神武天皇 即位紀元元年」とは何時のこと なのでしょう。
昭和15年(1940年)が「紀元二千六百年」の紀元節であったことは、私の年代としては知識としては知っていますが、「神武天皇即位紀元元年」について法令上、どう定義されているのでしょう。
明治5年太政官布告第342号に書かれているようで、国立国会図書館近代デジタルライブラリーでこの太政官布告を確認してみると、
〇第三百四十ニ號 (十一月十五日)(布)
今般太陽暦御頒行 神武天皇御即位ヲ以テ紀元ト被定候ニ付其旨ヲ被爲メ來廿五日祭典被執行候事 但當日服者参 朝可憚事
という規定で、神武天皇御即位が定められているわけではありません。
グレゴリウス暦への改暦に関しての明治5年の太政官布告(明治5年太政官布告第377号)の方にも何も触れられていません。
総務省法令データ提供システムで「神武天皇」でキーワード検索をしても、ヒットするのは明治31年勅令第90号だけです。
紀元前660年 は、日本人であれば常識ということなのでしょうか。
「レファレンス協同データベース」と呼ばれる、国立国会図書館が全国の図書館等と共同で構築している、調べ物のためのデータベース の質問の中に、今回のブログの内容と関連している質問がなされているのを見つけました。
明治31年勅令第90号や、明治5年太政官布告第342号が現行法上も有効なのかを尋ねたものですが、同じような疑問を持つ人が世の中にいるんですね。
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