「守衛長の見た帝国議会」 [豆知識]
憲政記念館の書庫に保管されている、守衛長(旧帝国議会時代の院内警察の長)や守衛が、「事故録」、「守衛報告」、「守衛長報告」として残した事件の顛末書を素材に、憲政記念館で憲政資料の調査・収集・展示をされていた渡邊行男氏が著した「守衛長の見た帝国議会」を 読みました。
衆議院内で、議員同士間の殴打事件が頻発しているには 驚きます。
意見に賛成しないというだけで、本当に、すぐに殴ったりしています。それだけ真剣だったのかもしれません。
トリビアを一つ。
会期の延長など あまりなかったためなのか、大正14年(1925年)9月には、
(前々年の関東大震災のため試験会場がないという特殊事情があったためなのかもしれませんが、)
閉会中の衆議院・貴族院を、弁護士試験の受験会場として使い、試験が行われていることが本の中で出てきます。
衆議院と貴族院の両院を使って大正14年9月11日に予定されていた弁護士試験の当日に、受験生が「試験委員に違法あり」と騒いで、試験をボイコットしたため試験を終えることができず、翌週18日には、警察官に警戒をしてもらい、再度、試験を実施することになったとの顛末が、下記のとおり、記されていました(112~113頁)。
〇弁護士試験受験者騒擾のこと同年九月十一日 同本日、目下両院内に於て執行中なる約千五百名の弁護士試験受験者は、午前九時入場後、試験委員に違法ありと称して受験を肯定ぜず、委員長に面第を強要し、或は正門内広場に集合して演説を為す等、徒に騒擾を事として時間を空過し、午後二時頃より三々五々首相官邸に到りて漸く四時頃全部退出し、遂に試験を執行する事能はざらしめたり。又本日十八日試験施行の際は、警視庁相川監察官、宮沢日比谷署長以下百数十名の正私服警察官来院警戒せり。
2016-03-21 11:48
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0