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消費者金融、残高下げ止まり? [旬の話題]

「ニッキン」という、発行部数10万部のわが国最大の金融専門紙をご存じですか?

私は全然知りませんでしたが、たまたま、1月13日号を読む機会がありました。

同号の特集記事「新局面の消費者ローン市場、大手行・相次ぎ攻勢に動く」では、

「消費者金融業界はここ数年、前年比減少が続いていた月間の新規貸付額が昨年7月から初めて増加に転じ、その後も増え続けている。

ローン残高は現在約3兆円台と過去4年間で約6割減少したが『相応の資金ニーズで2~3兆円水準の市場が維持される』との見通しもある。」

という解説記事が載っていました。

消費者金融(=サラ金=消費者向無担保貸付)は、過払金請求と、平成18年の貸金業法改正の総量規制で、壊滅的な打撃を受け、貸付残高は前年比2~3割の減少という状態にありました(金融庁作成の「業態別の貸付残高(各年度末)」参照)。

昨年(平成23年)7月から新規貸付額が前年同月比プラスの状態が続いているということで、いよいよ過払金バブルも本格的に、はじけて終息に向かうようです。

日本貸金業協会はホームページ上で、消費者金融業態の月次データを公表していますが(「月次統計資料」)、

この月次実態調査は、消費者金融業者17社の協力を得て、作成されているということで、貸付残高の90.5%をカバーしているということだそうです(「月次実態調査とは」)。

有象無象の中小の消費者金融業者が淘汰され、寡占化が進み、その結果として、月次実態調査の精度が上がるということとなっているようです。

図は「当月概況」という表で、2012年1月分の消費者金融業態の貸付残高、新規貸付額等を整理したエクセルの表です。その表の一部をキャプチャーしたものが下図です。

統計資料として、「当月概況」のほかに、2011年4月から2012年1月までの期間の「当月概況」を整理した「詳細時系列データ」という表があり、その表の方が、月ごとの変化を追うのに適していると言えますが、表をブログにアップするには、あまりに大作で、上手くいきません。

そのため、「当月概況」の「消費者金融業態の消費者向けの無担保貸付」の表を載せて、お茶を濁すことにしました。

 消費者金融新規貸付.jpg

記事の内容が正しいかを、「詳細時系列データ」を見て確認してましたが、確かに、消費者金融業態の消費者向けの無担保貸付の月間貸付額は、2011年(平成24年)7月以降、前年同月比プラスになっています。

 数字的に言いますと、2011年5月には32%減、翌6月には0%だったのが、7月と8月は、それそれ23%増、9月は22%増、10月は37%増、11月は26%増、12月は24%増、そして2012年1月は上図のとおり、27%増となっています。

新規貸付の増勢のトレンドは間違いなさそうです。 

消費者金融業態の消費者向けの無担保貸付の貸付残高は、2012年1月時点で、約2兆5000億円で、昨年1月が3兆円1000億円だったことからすれば、まだ減少傾向が続いていると言えます。

しかし、新規貸付が前年同月比増加の傾向にあることからすれば、早晩、下げ止まることになりそうです。


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