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ネット流出した捜査報告書(続き) [検討]

ネットに流出した6通の捜査報告書が、偽物だと報道は全くありません。

流出した捜査報告書は本物だということなのでしょう。

捜査報告書に関する記事を、読売が出しました( 「起訴誘導?陸山会捜査報告、特捜部長が大幅加筆」)。

内容は、田代検事が捜査報告書を作成した平成22年5月当時に、

東京地検特捜部長だった佐久間達哉検事(55)が、同部副部長が作成した別の捜査報告書について、政治資金規正法違反に問われた小沢一郎民主党元代表(69)(1審無罪)の関与を強く疑わせる部分にアンダーラインを引くなど大幅に加筆していたことが分かった

というものです。

検察当局は、当時の特捜部などに同審査会を起訴議決に誘導する意図があったかどうか慎重に調べている。

としていますので、佐久間特捜部長が、捜査報告書に加筆した事実は間違いないことなのでしよう。

記事は、

関係者によると、報告書は全部で約20ページあり、政治資金収支報告書の虚偽記入について、

元代表と石川被告らの共謀を肯定する要素と否定する要素の両論が併記されている。

当時の副部長が特捜部長だった佐久間検事宛てに作成したが、

佐久間検事は自ら、田代検事が作成した報告書の虚偽記載部分にアンダーラインを引いたり、供述内容を書き加えたりした という。

としていますが、何か変です。 

読売が言う「当時の副部長」とは、誰のことを言っているのかが分かりません

下図は、ネット流出した捜査報告書は計6通を、作成日順に、並べたものです。

6通の調書.jpg

田代検事の直接の上司であった木村匡良主任が作成した捜査報告書は計4通。

でも、その4通の捜査報告書は、いずれも3~8頁のものです。、アンダーラインが引かれている捜査報告書は3通ありますが、5頁、3頁と8頁のもので、これら3通の捜査報告書の頁数を足しても16頁にしかなりません。

読売のいう「当時の副部長」とは、木村匡良検事が第一本命だと思われますが、木村検事は「約20頁あ」る報告書は作成していません。

また、アンダーラインが引かれている、木村検事作成の捜査報告書3通には、「田代検事が作成した報告書の虚偽記載部分に、‥ 供述内容を書き加えたりし」た部分はありません。

では、私が勘違いをしていただけで、読売の記事の言う「当時の副部長」とは、残った、斎藤隆博副検事のことなのでしょうか。

斎藤検事が作成した捜査報告書は1通。頁数は21頁で、報告書にはアンダーラインも引かれています。

しかし、斎藤検事が作成した捜査報告書には「 田代検事が作成した報告書の虚偽記載部分にアンダーラインを引いたり、供述内容を書き加えたりし」ていません。

読売の記事の取材源は『関係者』。

この『関係者』からの取材では、『関係者』の発言が、流出している捜査報告書6通の体裁ないし記述とは合致していないことを、記者は指摘しなかったということなのでしょうか。

この読売の記事も、「スピン・コントロール(情報捜査)」された記事なのでしょうか。 

なお、田代検事の虚偽報告書が作成された平成22年5月当時、東京地検特捜部の体制では、田代政弘検事、木村匡良主任検事、吉田正喜副部長、佐久間達哉特捜部長、大鶴基成次席検事という体制だったと言われていました。

斎藤隆博検事とは「何者?」という疑問を持たれた方もお見えでしょう。 

この斎藤検事ですが、ゲンダイネットの昨年9月20日の記事(「仰天 敗色濃厚の検察、関わった検事はみんな消えてしまった」によりますと、

斎藤隆博検事は、東京地検特捜部の副部長である方で、一昨年(平成22年)の9月に、検察審査会が『起訴議決』を出す前に義務付けられている検察官の意見聴取に出席して、意見を述べられた方だということです。

その意見聴取の際、斎藤検事は、検察審査会の審査員に対し、「犯罪の謀議に加われば、共犯に問われる『共謀共同正犯』の成立条件を説明

1958年の最高裁判例を持ち出して1時間以上、ド素人の審査員に“講義”を続け、強制起訴に導いた張本人」

と言われている人物だということだそうです。

なるほど、そういうことで、斎藤副部長は、まとめの捜査報告書1通を作成していたわけですね。


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