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やっと離婚届用紙が変わった [速報]

今年4月1日に、昨年改正された民法が施行されることになりました。

その民法改正では、離婚に関する改正としては、協議離婚をする夫婦に、親権だけでなく、面会交流と養育費について協議する義務があることが定められました(民法766条1項)。

(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)

民法766条1項

父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他交流、子の監護に要する費用の分担その他子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

この協議離婚時の協議事項を変更することになった改正民法が施行される今年4月1日にあわせて、

養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄が設けられた、新しい様式の離婚届用紙が使われることになりました。

離婚届用紙に何を記載するかを定めているのは戸籍法ですが、

この戸籍法を所管しているのも、民法を所管しているのも、いずれも法務省です。

法務省は、(10年以上前から、利用者の便宜と広報のためであろうと思われますが、)ホームページに離婚届用紙の見本をアップしていました。

離婚届については今年の4月1日から、養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄が設けられた新しい様式の離婚届用紙が使われることになったわけですから、

法務省がホームページに、離婚届用紙を載せたいのであれば、

養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄が設けられた新しい様式の離婚届用紙を載せていないと意味がないことになります。

むしろ、間違った情報は、ホームページの閲覧者に誤解を与えることにり、有害だと言えます。

しかし、法務省は、ホームページにアップする離婚届用紙の見本として、今年4月1日以降も、養育費と面会交渉の取り決め状況をチェックする欄がない、旧様式の離婚届用紙をアップし続けていました。

私が先週金曜日(20日)に確認した際も、依然、旧様式の離婚届用紙がアップされていました。

そうしたところ、昨夜、確認したら、面接交渉と養育費の取り決め状況をチェックする欄がある新様式の離婚届用紙jに切り替わっていました。

切りが良い月曜日(23日)に、新様式に切り替えたのだろうと推測できますが、今年4月1日から114日目にして、離婚届用紙は新しい様式に切り替えられたことになります。

共同親権ドットコムというホームベージの今年2月23日の「離婚届用紙に養育費や面会交流の取り決めチェック欄 2月2日」の記事によりますと、

離婚届の面会交流と養育費のチェック欄が設けられることとなった経緯は、

昨年の(親権の一時停止などの)民法改正で、協議 離婚において定めるべきものの具体例に、監護費用の分担、養育費の支払いが条文上明示されることになり、

その法案審議で民主党の井戸まさえ衆議院議員が、「養育費取り決め確保の最も効果的な周知徹底方法」として 離婚届用紙にチェック欄を設けることを強く求めました。

加えて、衆・参 両院の法務委員会で明文化に関し「その趣旨の周知に努める」との附帯決議がされたことを受け、法務省が検討を進めてきた、

という経緯だったということだそうです。

そして、その法務省の検討の結果が、、

法務省は(今年)2月2日、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄を設ける様式変更の民事局長通達を全国の法務局長に出

すことになったということだそうです。

法務省(民事局)としては、民法改正に併せて、養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄が設けられた新様式の離婚届用紙を使うという発想など、元々は全くなかったようです。

そのため、ホームページの離婚届用紙の差し替えについて、頭が回らず、長期間放置されていたのでしょうか。

(補足 1)

今年2月2日に法務省民事局長が発した通達については、今年4月頃より、超過をしていますが、ネット上では見つけることができませんでした。そのため、ブログでは通達の内容を正確に示すことができませんでした。

他の省庁の場合ですと、告示・通達はホームページ上で検索可能になっていますが、法務省の場合は、告示や通達を検索するページがないだけでなく、検索サービスを使って、通達名を探しても全くヒットしません。

法務省は、情報の開示が中央官庁の中で一番遅れているのではないでしょうか。

法務省には、他の中央官庁程度には、情報を開示するようにしていただきたいものです。

(補足2)

井戸まさえ衆議院議員の衆議院法務委員会での発言は、同氏のホームページ、あるいは、平成23年4月15日に開催された衆議院法務委員会の議事録に掲載されています。

政府委員である原優法務省民事局長は、

井戸議員が提案した、離婚届用紙に養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄が設ける、との案について次のように発言しています。

原政府参考人 

お示しいただいた離婚届の届け出用紙でございますが、… (略)。

現在、面会交流や養育費についての取り決めがなかなかされないということで、ここに欄を設ければそういった取り決めが促進されるんじゃないかという、委員のアイデアとしては非常にわかるわけではございますが、私どもとしては、そういう欄を設けることについてはやや問題があるのではないかというふうに考えております。

といいますのは、御承知のとおり、親権者につきましては、これを定めなければ協議上の離婚はできないわけでございますが、現行法上、子の監護に必要な措置として、養育費の問題あるいは面接交渉の問題、これを定めなければ協議上の離婚ができないというわけにはなっていないわけでございますので、

離婚届にそういう欄を設けますと、戸籍の受け付けの窓口でその点についてトラブルが生じる可能性が高いというのが一つ。

それから、もう一点目は、面会交流や養育費について取り決めの有無のチェック欄を設けることで、面会交流や養育費について取り決めないと離婚ができないんじゃないか、

もしそういう誤解をされるとしますと、正式の離婚をしないで事実上の離婚状態となる夫婦がふえる、そういうことも懸念がされます。

さらに、面会交流や養育費について取り決めがあるという単にチェックをしていただくだけでは、結局、強制執行はできないわけでございますので、最終的な解決に至らない。

こういったことを考えますと、現時点では消極的に考えているところでございます。

原優法務省民事局長は、今年2月2日に、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況を チェックする欄を設ける様式変更の通達を発令させられることになったことを不快に思っているのかもしれませんね。


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コメント 3

みーすけ

かなり古い記事へのコメント、失礼いたします。
非常にくだらない質問で申し訳ないのですが、ひとつ伺いたいことがございます。
遡る事20年程前になりますが、証人(?)欄に記入をお願いされ、その時に署名した時に見た離婚届は、ペラペラの薄い紙だった様に記憶しております。

が、つい先日の事。友人との会話の中で、離婚届の用紙の話しが話題になったのですが、今はダウンロードをしてプリントアウトすれば良いらしいと聞き驚きましたと同時に、ひとつの疑問がさらに話題になりました。
ダウンロードでのプリントアウトですと、各家庭にあるいわゆるコピー用紙の様なものにプリントアウトするのだと思いますが、役所等でいただく場合にもペラペラの薄い紙ではなく、いわゆるプリントアウト用の普通の厚さの紙になっているのでしょうか?

非常にくだらない質問で申し訳ないのですが、知識の一つとして(時代の波に乗り遅れないため?)知っておきたく質問させていただきました。
お返事いただければ幸いです。よろしくお願い致します。

by みーすけ (2013-06-01 06:12) 

tomo-law

みーすけ さん、役所でもらうる用紙はペラペラのものです。
定められた書式どおりの届出でであれば、普通紙でも受け付けるというだけのことです。

戸籍法施行規則59条は、「離婚の届書は、附録第十三号様式に、…よらなければならない。 」と規定していますが、紙質までは規定していないので、普通紙でよいということになるようです。
by tomo-law (2013-06-02 09:04) 

みーすけ

tomo-law様。
お忙しい中、くだらない質問に回答頂き、ありがとうございました。

やはり役所では、従来通りのペラペラのモノなのですね。
スッキリしました(笑)

ブログ、ためになる事がたくさん書かれている様ですので、時間のある時に伺って、色々と勉強させて頂きたいと思います(^^)
ありがとうございました!


by みーすけ (2013-06-02 11:49) 

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