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確定拠出年金・残高のお知らせ [豆知識]

破産管財人となっている破産事件で、破産者宛に信託銀行から、「確定拠出年金・残高のお知らせ」が転送されてきました。

破産者が確定拠出年金の残高を有しているという内容の知らせです。

年金の資産評価額は27万円程度で、金額としては大した金額ではありません。

 

ですが、破産管財人にとっては、その年金の残高が いくらかであるのかに関係なく、処理しないといけないことであれば、処理をしなければいけません。

具体的には、換価(=解約手続)をしないといけないのか、裁判所に報告しておく程度で済ませばよいのか、そのどちらかであるかを判断し、

換価と判断したのであれば、その手続を進めないといけません。

破産管財事件はこれで20年ぐらいやっていますが、どう処理を付けたらいいのかと一瞬、迷いました。

ですが、少し考えて、確定拠出年金法32条1項本文で、確定拠出年金の受給権については差押えが禁止されているので、破産者の自由財産となるので、破産管財人においては換価不要ということになるはずだ(したがって、換価は不要)との判断を付けました。

確定拠出年金法32条1項

給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。

 

とは言っても、多少心配でしたので、裏付けとなる資料を、手っとり早く、インターネット上で探してみました。

インターネット上の法律相談の中には、「裁判所もはっきりしない」という内容の、いいかげんな解説が散見されました。

自分の考えが正しいのか多少、不安になってきましたが、

横浜地裁の破産管財係が出している「申立代理人の方へ(管財手続について) (平成24・2・21)」を、横浜弁護士会のホームページ上で見つけることが出来ました。

この資料の3頁では、「特別法上の差押禁止債権は、破産手続上、換価の対象とならない」と説明をし、

その特別法上の差押禁止財産の中には、

各種年金受給権(国年法24条、厚年法41条、確定給付企業年金法34条、確定拠出年金法32条)

があると書いてありました。

確定拠出年金 → 換価不能 ということがはっきりして、

 これで、やっと、すっきりしました。


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