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電子債権の利用の急拡大 [感想]

電子記録債権(電子債権)が急速に普及しているとのことだそうです(日経電子版の本日の有料会員限定記事「電子債権、中小に急拡大 全銀協の決済機関に20万社」)。

三菱東京UFJ銀行の電手の公表資料は見つけることができませんでしたが、 

全銀協が設立した「でんさいネット」については、今月21日のニュースリリース(「利用者登録数20万社、発生記録請求累計件数1 万件到達のお知らせ」)がありました。

それによると、今月20日に発生記録累計件数が10,302件に達したということです。

添付されたグラフを見てみても、今年3月末以降、急激に、電子債権の利用が増えていることか分かります。

ちなみに、今年の3月22日の時点における、でんさいネットの発生記録累計件数の実数は、たったの 276件しかありませんでした(でんさいネット会長岩本秀治氏の2013年4月24日付「でんさいネットの開業について」4頁目参照)。3ヶ月で1万件増えたということになります。

電子手形の利用が急拡大した理由は何なんでしょう。

日経の記事からは、何がその理由なのかはっきりしません。 

ところで、「小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律案」という法律案が、今年4月に閣議決定され、衆・参議院の可決を経て今月17日に成立し、21日に公布されています(閣法の番号58参照)。

(施行日はまだ未定のようです。)

同法は、

中小企業金融法を改正し、中小企業の資金調達の円滑化を図るため、信用保証の対象に電子記録債権を活用した資金調達(電子記録債権の割引等)を追加すること

を骨子の一つとしています(経済産業省のホームページ「小規模企業活性化法案が閣議決定されました」の法律案概要参照)。

この法律が施行されれば、

金融機関は、保証協会融資付の手形貸付(例えば、清水銀行のホームページ「手形貸付根保証 (信用保証協会保証付)」を参照されたい)と同じように、

電子債権を担保にして保証協会融資付の貸付けを中小企業向けにできることになるわけです。

それを見越した動きが、(金融機関側の主導による、)電子債権の利用の急拡大の一番の理由ではないかと想像します。 

なお、金融専門誌ニッキンが、今年4月26日に、

経済産業省は、今国会で中小企業信用保険法を改正し、信用保証制度の対象に電子記録債権の関連融資を追加する。

電子債権版の手形割引である「でんさい割引」や電子債権を担保とする動産・債権担保融資(ABL)の普及を促し、中小企業の資金調達手段を多様化する狙いがある。

同法の改正を含む小規模企業活性化法案が4月16日に閣議決定され、5月にも審議入りする見通し。施行までの準備期間は未定だが、早ければ13年中に電子債権関連融資の保証利用が可能になる。

でんさい割引は、支払い期日前の電子債権を金融機関が満期日までの利息を差し引いて買い取る融資形態。手形割引の代替手段として有力視されており、信用保証協会による一般保証の対象に「電子債権の割引」を加える。

等々と報じていました(経産省、信用保証に『電子手形割引』を追加、今国会で制度整備へ」)。

今回の動きを予感させるような記事ではないでしょうか。


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