過払請求事件の民事第一審における終局区分 [検討]
最高裁が公表した「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第5回)」からは、
地方裁判所を第一審とした過払請求事件
が終局区分別の事件数、割合を確定することができます。
平成24年の場合ですと、
全地方裁判所で処理された第一審の民事訴訟の既済となった全件数168,230件のうち、
過払事件は 77,670件でした。
その77,670件の内訳は、
争った上で判決(「判決(対席)」)となった件数は17,872 件。 比率は、23.0 %。
被告が欠席して判決(「判決(欠席)」となった件数は5,723 件で、 比率は 7.4%。
和解が 26,319 件で、 比率は 33.9 %、
取下げが 25,708 件で、比率は 33.1 %。
その他が 2,048 件で、比率は 2.6 %
ということになります。
被告が争った上で判決がなされている事件は 全体の4分の1弱程度で、
残り4分の3は、和解ないし実質的に和解で終わっているのではないかと予想されます。
昨日のブログに書いた、過払事件以外での終局区分別の事件割合とは、
「判決(対席)」、「判決(欠席)」、「取下げ」の各比率において、顕著な違いが見受けられます。
過払事件以外における、「判決(対席)」、「判決(欠席)」、「取下げ」の各比率は、
判決(対席) 32.5% (過払いでは 23.0%)
判決(欠席) 18.5% (過払いでは7.4%)
取下げ 11.6% (過払いでは33.1%)
でした。
両者は、過払い事件と、そうでない事件とは、事件処理の結果からみて、異質であることがよくわかります。
(参考)
民事第一審訴訟(過払金等以外)の終局区分別の事件割合
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