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登録されている マイカーの 約3割が所有権留保 ? [検討]

自動車登録上、所有者ではない人は、自動車保険にどのような場合であれば加入可能であるか、調べていました。

そうしたところ、下表の「所有者・使用者が異なる自動車数(平成22年10月末現在)」の表に目が止まりました。

同表は、自動車登録の公証を検討するために、国土交通省が開催した「自動車登録のあり方に関する検討会」の第1回資料(平成22年11月22日開催)の資料ですが、この表は、

登録自動車 4959万台のうち、自家用車1616万台の所有者と使用者が違っていて、そのうちの 1235万台の使用者は自然人。

他方、(所有権の公証制度がない) 軽自動車 2708万台については、所有者と使用者が相違しているのは202万台だけ。

ということを表しています。

つまり、

軽自動車以外の マイカー 1235 万台について、自動車ローンを組んでいて、そのため、所有権留保と呼ばれる担保設定がされている結果、自動車の所有名義はディーラーなりのままになっている、

ということを示しているのではないかということになります。

   

ですが、所有権留保のマイカーが「1235万台」というのは すごい数です。

登録自動車数全体は4995万件ですから、1235万台は そのほぼ、25%を占めています。

マイカー(自家乗用車)=登録自動車ではありません。 登録自動車には、トラックなどの貨物車も含んでいます。

ということは、マイカーのうち、所有権留保となっている割合は、25%では効かないということになります。

では、その割合はどの程度なのでしょうか。

 所有者と使用者が異なる登録自動車の台数と比率.jpg


国内の自動車の総保有台数は 7911万台(平成24年3月末)で、うち乗用車は5873万台ということです(この5873万台は、登録自動車だけでなく、軽自動車の乗用車をも含んでいます。)。

上表(「所有者・使用者が異なる自動車数(平成22年10月末現在)」)の数値は平成22年のものです。

平成22年の際の乗用車の台数を見つけなければなりませんが、それは、「自動車保有台数の推移(軽自動車を含む)」(一般財団法人自動車検査登録情報協会) から、

5790万2835台

だということがすぐ分かりました。 ただ、この数も、軽自動車の台数を含んだものとなっています。

   

乗用車のうち、軽自動車の台数を除いた登録自動車の台数を見つけないと、事は進みません。

そのため、乗用車の台数を、登録自動車と軽自動車に分けて集計している資料がないかをいろいろ調べてみましたが仲々見つかりません。

困ったなと諦めかけていたところ、一般社団法人全国軽自動車協会連合会の「軽三・四輪車および全自動車保有台数の年別・月別・車種別推移」という統計資料をやっとのことで見つけることができました。 

これから、

平成22年の軽自動車の保有台数は2665万4751台で、うち乗用車は1748万3915台

であることが分かりました。

   

この数字を使って、登録自動車である自家用車 は、4041万8920台 ということが分かりました。

(= 5790万2835台 - 1748万3915台(軽自動車の乗用車の台数))

また、マイカーの所有権留保の比率が、 30.56 % になることも計算をすることができました。

(=(12,353,287台÷ 40,418,920台)×100)

   

これですっきりしました。

   

ところで、この30.56%という数字の妥当性ですが、2006年に農林中金総研研究員古江晋也氏が著術された「自動車ローンの原状と課題」という論文の中で、古江氏はヒアリング調査の結果として、

国内メーカー系ディーラーA社によれば新車販売の場合、約60%の顧客が自己資金で自動車を購入しており、同社の自動車ローンの活用割合は20%台前半、銀行等の金融機関の自動車ローンは約5%となっている。一方、同社の中古車販売における活用割合は約35%である。

国内メーカー系ディーラーB社によれば新車市場の場合、顧客の23~24%程度が同社の自動車ローンを活用している。また同社においても中古車販売の方が活用割合は高くなっている。

国内メーカー系ディーラーC社は,車種によって異なるものの、顧客が自己資金で購入する割合は全体の60~73%であり、同社の自動車ローンの活用割合は23~24%となっている。

一方、輸入車ローン市場では、メーカー系ファイナンス会社と信販会社が競争を展開している。海外メーカー系ファイナンス会社A社によれば,ブランドA車の販売台数の約40%は同社のローン(リースを含む)を活用している。ただし,超高額車種の購入者はほとんどローンを活用していない。

また、海外メーカー系ファイナンス会社B社によれば、自動車ローンで購入する顧客の約40%は同社のローンを利用する。ただし、特別金利キャンペーンを行えばローンの活用割合は高まる傾向にあり、グループ全体の販売政策に大きく依存する。参考までに輸入車市場における信販会社の自動車ローンは、販売台数の約20%とも言われている。

と述べられています。

   

所有権留保 = 自動車ローンの比率30% という予想ですが、あながち間違いではないんではないでしょうか。

   

(なお、乗用車には、自家用だけでなく、業務用のものも含まれていることになりますが、その比率は数%に過ぎないであろうという理解の下、無視しています。)


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