反社データベースのフィルタリング精度 [はてな?]
オリエンコトーポレーション(オリコ)は先週16日、経済産業省に報告書を提出しましたが
その報告書には、大変興味深い記述がなされています(オリコのHPのニュースリリース「経済産業書への報告書提出について」)。
それは、
オリコがみずほ銀行から提供された反社情報147件のうち、暴力団排除条項が導入されていた37件について、全国の暴力追放運動推進センター等へ照会したところ、
数件について「情報の内容と情報提供の正当性について警察が立証できる情報」が推認できた
との部分のことです( 「平成25 年10 月1 日付命令に基づく経済産業省宛報告書の概要」2頁27行目ないし3頁13行目参照)。
どうしてその部分が興味深いかと言いますと、
みずほ銀行の反社会的勢力(反社)データベースが「反社」と判定した37件について、
警察庁のデータベースでは、数件を「反社」と判定したが、残り30数件は「反社」と判定しなかった、
というわけですので、
みずほ銀行と警察庁の反社データベースの判定結果が違っていたということを述べているからです。
判定が違うというわけなので、
警察庁の反社データベースによる判定は正しかったが、みずほ銀行の反社データベースが、「反社」でない者を「反社」と誤って判定していた、
のか、
みずほ銀行の反社データベースによる判定は正しかったが、警察庁の反社データベースが、「反社」を「「反社」ではないと誤って判定していた、
のか、
みずほ銀行の反社データベースによる判定も、警察庁の反社データベースによる判定も、そのいずれもが誤った判定をしていた、
のかの、3つのいずれかであったことになるわけです。
オリコの報告書は、反社データベースの選別(フィルタリング)の精度、あるいは信頼性を損なうかのようなこと述べているのと一緒です。
聞き捨てなりません。
是非、白黒を付けてもらたいと思います。
(参考)
オリエントコーポレーション作成 「平成25年10月1日付命令に基づく経済産業省宛報告書の概要」(2頁27行目ないし3頁13行目部分)
④ みずほ銀行より受け入れた反社情報については、147 件の契約について、みずほ銀行からの依頼に基づき代位弁済を実施しております。
代位弁済の債権(正常債権)147 件については、暴力団排除条項に基づく取引の解消を図るため、以下の取組みを行っております。
(ア) 代位弁済後の債権(正常債権)について、顧客との契約書が平成23 年3 月より導入を開始した暴力団排除条項に対応しているかどうかを確認いたしました。
その結果39 件(うち2 件は完済)の契約書に暴力団排除条項が導入されていることを確認いたしました。
(イ) 暴力団排除条項の導入が確認できた債権37 件については、今後の対応について弁護士に依頼するとともに、全国の暴力追放運動推進センター等へ「情報の内容及び情報提供の正当性について警察が立証できる情報」(以下、「警察情報」といいます。)の照会を実施いたしました。
その結果、数件の契約について「警察情報」が推認できており、当該契約については、暴力団排除条項に基づく期限の利益喪失による債権回収及び関係遮断に向けた対応を行ってまいります。
なお、このうち1 件については既に一括請求のために内容証明を発送しております。
(ウ) 暴力団排除条項の導入が無かった債権については、暴力団排除条項に基づく取引の解消はできないため、前述の通り債権回収・取引遮断に向けた督促交渉を行っております。
判定基準が違うということは思い至らないのでしょうか。
同じ事件で、民事と、刑事の結論が異なる場合は結構あるでしょうし。
逮捕、送検、起訴の数が異なるという事実もあります。
金融機関等の反社基準は基本民事
警察の基準は基本刑事
by NO NAME (2013-10-20 17:44)
NO NAMEさん、コメントありがとうございます。
判定基準が違うという考えには、全く思い至りませんでした。
日本証券業協会では、会員証券会社が協会を介して警察庁のデータベースを参照させてもらうように今年1月からなっています。もし、基準が違っているのでしたなら、参照させてもらっても意味がないことになるので、基準は当然、一緒だと思ってました。
by tomo-law (2013-10-20 18:27)