割増退職金の支払いを条件とした退職勧奨が、新興企業の人員整理のスタンダードか [感想]
ソーシャルネットワークサービス の ミクシィ では、
先月18日、複数部署の正社員約30人に対し、今月1日からカスタマーサービス部門への配転を内示され、
配転を命じられた社員は、社内に急造された研修用の部屋で、カスタマーサポートのトレーニングを受けさせられている
ということです(東洋経済ONLINE2013年11月5日「いきなり研修部屋へ ミクシィ 不可解人事 」)。
配転の理由は、経営不振ということです。
記事では、キャッシュを豊富に持っている ミクシィ が、グリーが行ったような、特別退職金付きの希望退職募集をしないことを、
新興企業らしからぬ今回のやり口
と評し、
極めて違和感のある経営判断といわざるをえない
と非難してます。
ミクシィの広報は、今回の配転について、
「今回のカスタマーサポートへの人事異動は人員削減を目標としたものではない。弊社では経営戦略に基づき、適宜、適材適所の人事異動・組織変更を実施しており、11月1日付の人事異動も同様のものだ」(広報部)
と説明をしていますが、これは誰が聞いても 嘘っぽい。
そのため、こんなことを言う ミクシィ には、感情的な反発を持ってしまいます。
ですが、記事の言う、
新興企業は、過酷な配転などせず、特別退職金付きの希望退職募集をするもんだ
との論調にも、引っ掛かりを覚えます。
私などは、新興企業らしい人員整理の手法と言うのは、
不採算部門の事業を売り飛ばし、余剰となった社員を整理解雇する
という、従業員との対話など予定していない手法こそがスタンダードで、
ミクシィの手法はそれに準じたもの。
むしろ、グリーの、
割増退職金の支払いを条件にして希望退職者を募り、社員には自発的に辞めてもらい、可能な限り解雇を避ける
との手法は、その対極にある、オールドファッション の(大)企業などで採られる、新興企業っぽくない手法ではないかと考えているわけです。
ダイヤモンドの記事とは反対に、
新興企業っぽい人員整理手法こそが ミクシィ が採っているもので、グリーの方では振興企業っぽくない手法が採られている、
と考えるわけです。
社員数は、グリーの方は 2,582人 。他方、ミクシィは 484 人 (正社員)。
5倍強の従業員がグリーにはいることになります。
こんなに規模が違う、グリーと ミクシィを 「新興企業」と一括りにして論ずるのは、ちょっと無理があるのではないでしょうか。
今日の報道によれば、グリーには 205人の希望退職者の応募があったということです。
あっさり予定希望退職者の枠が埋まってしまったということは、多くの社員がグリーの将来性に ? を付けているということなのでしょうか。
グリーにしろ、出来れば、割増退職金など払いたいわけないわけで、そうしないと予定の退職者が集まらないため しぶしぶ退職金の割増しをして希望退職者の募集をしたわけですが、
こんなことなら割増率を減らせばよかったと思っているのでしょうか。
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