振り込め犯罪結社 [感想]
鈴木大介氏の新著 「振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々」をちょうど読み終えたところで、
警察庁が「振り込め詐欺」などの特殊詐欺の被害が、今年10月の時点で既に昨年を上回ったと発表したとのニュースに接しました(時事通信2013年12月2日「特殊詐欺、既に最悪被害=1~10月383億円、33%増-警察庁」)。
私は 「『おしだそう! 高齢者詐欺!』キャンペーンなんぞやって、無策を誤魔化そうとしているが、他にやることがあるだろう」と、振り込め詐欺対策が功を奏していないことに、ここ最近、憤っていました。
ですが、鈴木氏の本を読み、考えを改めました。
第3世代あるいは第4世代と評される、進化した振り込め詐欺では、
偽アンケートなどの足で集めた高齢者の情報までも収集し、その情報を既存の名簿に加えた、精度の高い名簿を使って、仕事をするかのようにして犯罪が行われているということになります。
こんな相手に対し、どんな予防策・対抗策があるのでしょう。
また、どうやって逮捕すればいいのでしょう。
警察が お手上げなのも当然かもしれません。
もしかしたら、全て分かっているがために、広報活動に力を入れているのかもしれないと考えを改めました。
法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」では、通信傍受の範囲を拡大することが振り込め詐欺対策になるかのようなことが議論されているようですが、使い捨ての携帯電話が犯罪に使われているのに、盗聴の範囲を拡大すれば、振り込め詐欺の対策となるというのでしょう。
現状認識がズレているのではないでしょうか。
鈴木氏のこの本は、私的には今年読んだ本の中で、ベスト5 に入るんてはないかと思っています。
お薦めします。
2013-12-04 19:31
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