気分が悪くなってきた [感想]
法曹養成制度改革推進室が、法的ニーズを探るためにアンケートを開始したとのことです(毎日新聞2014年7月5日和田武士記者の署名記事 「法曹人口:適正化へ 法的ニーズをアンケート」参照)。
アンケートの狙いは、
適正な法曹人口をはじき出し、それに見合った司法試験合格者にするための検討材料
を収集することだそうです。
アンケートは 法曹養成制度改革会議 が当然、行うものだろうと思いましたが、記事をよく読んでみると、
法曹養成制度改革推進室
という、これまで名前を聞いたことがない部署が やるということです。
この名前を聞いたことがなかった、「法曹養成制度改革推進室」ですが、
下図のように、
法務省、文部科学省、最高裁判所、日本弁護士連合会からの出向者が集まり、 具体的な課題を検討、企画立案。
推進室から法曹養成制度改革顧問会議に報告し、会議の顧問の方々に意見交換をしてもらい、推進室長に意見を述べてもらう。
推進室は意見を踏まえつつ 検討を更に進め、最終的には各課題について親会である法曹養成制度改革推進会議に報告し、その了承をえること
を職務とした、内閣官房副長官補に帰属する組織ということです(平成25年9月24日開催「法曹養成制度改革顧問会議第1回議事録」3頁、【資料5】法曹養成制度検討体制 参照)。
法曹養成制度改革推進会議の 黒衣 になるようです。
ところで、法曹養成会議は昨年9月から、これまで10回の会議が持たれていますが、
この時期に法的ニーズを探るためのアンケートですか。
するのであれば、最初にしておくべきことではないでしょうか。
アンケートは法テラスや弁護士会に来た相談者(2万人を目標)に調査票を渡し、民間企業数千社や中央官庁、数百の地方自治体に郵送し、集計をするそうです。
アンケート結果ですが、容易に予想できます。
それは、
「法的需要はある」
「利用料金が安価であれば、需要が喚起されて増える」
というものです。
ところで、法曹が提供している法的サービスの市場規模は何千億円なのでしょうか?
このような基礎的なデータですら、法曹養成制度改革顧問会議では資料として提出されていません。
データが存在しないからなのでしょう。
法曹が提供するサービスの市場ですが、不正確かも知れませんが、
(法曹の)人数×金額 = 市場規模
と表すことができます。
法曹養成制度改革では、「人数」、「市場規模」、(「金額」)を議論しているわけですが、数値的な裏付けもなくして議論をしていることになるわけで、その議論がまともだと考えられません。
外国のコンサルタントを使ってでも、
① 現状において、法曹が提供するサービス業の市場規模、 GNP はいくらと試算されるか、
② 条件を変更した場合、市場にはいなかる影響を及ぼすか、
を 調査すべきではないかと ずっと思っています。
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