財団法人 ベネッセこども基金 [困惑]
驚いたことに我が家にも、 ベネッセ から
「お客様情報漏えいに関するお詫びとご報告」
が送られてきました。
お詫びとして金券500円分をくれるということなので、全国共通図書カードを頂くことにしました。
この お詫びですが、
財団法人 ベネッセこども基金へのご寄付 500円
も選択可能となっています。 多くの方が ベネッセこども基金への寄付を選択されることでしょう。
ところでこの、
「財団法人 ベネッセこども基金 」
とは一体、何者なのでしょう。
ベネッセのホームページ(「『財団法人 ベネッセこども基金』の設立について」)の説明を要約してみますと、
○「10月末の一般財団設立後、財団としての活動計画や予算等の検討を行い、遅くとも今年度内の本格的な活動スタートを目指して進めて」いくことが予定されている 現存しない団体(「Q 活動はいつから始めるのでしょうか。」参照)。
〇「活動の枠組みづくりや連携する団体様との検討などさまざまな準備」が予定されているが、現状では何も決まっていない(同上)。
また今後、「教育関連の専門家をはじめとする外部有識者等で構成する理事会にて検討の上 決定」し(同上)、
「財団法人という独立した組織を設立し、公益性の高い活動をしてまいります。活動計画や予算の内訳、事業年度ごとの活動や決算等については対外的に公表し、ご報告を行って」いくことが予定されている(同上)。
活動計画や予算については、教育関連の専門家をはじめとする外部有識者等で構成する財団の理事会にて検討の上決定し、財団ホームページなど皆さまに広くご確認いただける形でご報告させていただきます。」(「Q 活動や運営はどのように行われるのでしょうか。」)
という団体ということになります。
また、寄付を選択者がいなくても、ベネッセこども基金の
「活動ができるよう相応分を弊社が寄付」(「Q 寄付の選択者がいなかった場合はどうなるのでしょうか。」)
ということが予定されているということだそうです。
これって結局、一般財団法人の設立登記の申請書に記載を要する事項しか決まっていないということと一緒のようですね。
ベネッセが相応分の寄付を予定している
この「こども基金」ですが、どの程度の規模のものを設立することを予定しているのでしょう。
ベネッセが 200億円を 拠出して財団を設立するとの報道がされたようですが(@niftyファイナンス2014年9月10日「 ベネッセホールディングス、200億円を拠出して『ベネッセこども基金』を設立へ」)、
この配信は 明らかな誤報です。
ベネッセの2014年9月10日付ニュースリリース(「お客様情報漏えいに関するご報告と対応について」)を読む限りでは、
「200億円の原資より一部を拠出し、財団法人『ベネッセこども基金』を設立」
としかベネッセは言っていません。
(ニュースリリースの該当する箇所(4~5頁部分)を末尾に引用しておきますのでご確認ください。)
ベネッセは「200億円を寄付します」なんてこと一言も言っていないにもかかわらず、誤報が流されるのでしょうか。
もしかしたら、配信会社の故意によるものなのでしょうか。
もしかしたら、「200億円の原資」が何であるかについて、勘違いされている方がいるかも知れませんので、
補充の説明をさせていただきますが、
このニュースリリースで出てくる 「200億円の原資」とは、
ベネッセが、個人情報を漏えいされることとなった顧客に対して負担することが見込まれる 賠償金(金銭的補償)の総額
のことです(週間通販新聞2014年7月24日「ベネッセ個人情報流出、約2260万件の持ち出し判明、200億円原資に金銭的補償」参照)。
確かに、リリース中では「200億円の原資」が何なのかを説明した箇所は一つもありませんでしたので、このリリースだけを読んだだけでは「200億円の原資」が何であるのかなど、分かるわけがないことです。
「200億円が顧客に対する予定している賠償金」であることを明確に説明すれば、
「『顧客に支払うと約束していた賠償金を流用して 財団を作る』と虫のいいこと を言っている」
という意見が出てくるのが必定なので、敢えて説明をしないのでしょうね。
(参考) 2014年9月10日「お客様情報の漏えいに関するご報告と対応について」(4~5頁)
6. 財団法人「ベネッセこども基金」の設立について
今回の事態の重大性、漏えいのご対象が日本全国にわたり、かつ膨大な件数であったこと、その広範囲なご迷惑に対する弊社の社会的責任を重く受け止め、弊社のもうひとつのお詫びの在り方として、200 億円の原資より一部を拠出し、財団法人「ベネッセこども基金」を設立いたします。
「ベネッセこども基金」では、未来ある子どもたちへの支援や子どもたちが安心して学習に取り組める環境の確保などを目的として、活動を行ってまいります。行政経験者や教育関連の専門家をはじめとする外部有識者等で理事会を構成し、未来を担う子どもたちに必要な支援や貢献のあり方を考え続けて参ります。
【財団の活動・助成の例】
● 経済的理由や重い病気等の困難を抱える子どもの学習や進学の支援
● グローバル社会を生きる子どもの学び支援(例:国際交流や留学支援など)
● 子どもの安心・安全を守るための活動(例:子どもの防犯に関する活動や個人情報保護に向けた社会的な取り組みの促進など)
● その他、子どもの成長支援に関する活動
なお、お客様にご賛同をいただける場合に限り、上記に記載しましたお詫びの品である金券をお受け取りいただく替わりに、「ベネッセこども基金」へのご寄付をお選びいただくことが可能です。この場合、一件あたり 500 円を当基金へ寄付し、財団活動に役立ててまいります。
(追加)
その後にベネッセが発表したニュースリリースを確認してみた限り、
ベネッセは、「ベネッセこども基金」に対して(自腹を切って)いくら寄付するか、その具体額を一切明らかにしていないようです。
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